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2023/12/20 19:00

いぎなり東北産、クリスマスライブで律月ひかると大森靖子制作の新曲を初披露

 2023年末12月29日にグループ史上最大規模となるパシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマンライブも控えているいぎなり東北産が、12月16日、地元・仙台PITにて、2年ぶりのクリスマスイベント【いぎなり東北産 いぎなりクリスマス 2023】を開催した。

 イベントでは、メンバーの律月ひかるが初めて作詞を手掛けて、彼女が敬愛してやまない大森靖子が楽曲提供した新曲「狂くるどっかーん」が初披露された。

 クリスマスイベント【いぎなり東北産 いぎなりクリスマス 2023】は、年下メンバーの“いぎなりちゃん”をフィーチャーした昼公演『あわてんぼうのいぎなりちゃん』と、年上メンバーの“とうほくちゃん”をフィーチャーした夜公演『赤鼻のとうほくちゃん』の2部公演で行なわれた。新曲「狂くるどっかーん」が突然初披露されたのは年上組をフィーチャーした夜公演でのこと。

 ライブ中盤。クリスマスイベントならではの「クリスマスプレゼント交換」企画で盛り上がったのち、イベントのMCを務めていた“秋田県住みます芸人”のちぇす・長谷川瞬から話を振られる形で、律月ひかるが曲紹介を行なう。

 「これから披露する新曲は、私の作詞で、私の大好きな大森靖子さんに作曲していただいた曲になります! 私の生誕祭で、自分で歌った音源だけ流したんですけど、メンバーみんなでやるのは初めてで、やっと皆産(いぎなり東北産のファンの総称)に披露することができるので嬉しいです。ずっと作詞をするのも夢だったし、まさか初めての作詞で大好きな大森さんに曲をつけていただけるとは、本当に幸せ者で、みなさんのお陰で素敵な夢が叶いました。メンバーみんなにも素敵に歌っていただけて、本当に幸せです」

 単なる新曲というだけでなく、律月ひかると大森靖子による楽曲だという事実を耳にして、会場のファンからはどよめきのような歓声が上がる。藤谷美海が「うちらもずっとるんちゃんの書いた曲を歌いたいって思ってたから、めっちゃ嬉しい」とコメントすると、メンバーみんなが頷く。もっとも、葉月結菜から「歌詞についてとか、披露する前に皆産に言っておきたいこととかない?」と訊かれた律月が、「(歌詞は)結構めっちゃラブソングなの」と少し照れた表情で口にしたところ、誰よりも驚いたのが、これから一緒に歌うメンバーたち。みんな「えええええ!」と大きな声を上げつつも、各々が頭の中で歌詞を思い浮かべて、「言われてみたら確かに」「(歌詞の)説明会を開いてほしい」と、再認識する様子を見せていた。

 歌う前に「みんなで狂狂(くるくる)しましょう! せーの、がんばるぞ!」と、るんちゃんワールド全開な円陣を組んで、戸惑いながらも気合いを高め、そして新曲「狂くるどっかーん」をパフォーマンス。律月ひかるの唯一無二なセンスで綴られた、狂気的な匂いも微かに感じさせるポップな言葉選びと、そのインパクトにも勝るとも劣らない大森靖子が紡いだアッパーなチューンの組み合わせ。さらに世界観を存分に表現するいぎなり東北産の全力なパフォーマンスは、ステージをとても楽しく可愛くポップな雰囲気で包み込んでいた。そしてこの貴重なライブパフォーマンスを目撃した人たちは、誰しもが「この曲は今後、ライブで盛り上がる曲になる」と確信したはずだ。

 なお、新曲「狂くるどっかーん」のリリースは今のところ未定となっている。

 このほか【いぎなり東北産 いぎなりクリスマス 2023】では、ちょっと変わったクリスマスプレゼント交換会や2023年のいぎなり東北産についてスタッフの振り返りアンケートをもとにしたクイズなど、クリスマスらしさにいぎなり東北産らしさを加えた企画も用意された。

 たとえば昼公演では、SGDsをテーマにクリスマスプレゼント交換を実施。持続可能な社会への取り組みといえば、リユースやリサイクルということで、メンバーが年末の大掃除などで出てきた不要なアイテムを持ち寄ってプレゼントし合うという企画だ。

 葉月結菜がゲームのリモコン、吉瀬真珠がヘビのおもちゃ、桜ひなのからは大きなペン、北美梨寧はガチャガチャのダブり。さらに律月ひかるが加湿器、安杜羽加が古着のニットと、本当に要らないものからSDGsに即したリユース可能なものまで、メンバーが持ち寄った様々なアイテムが紹介される。藤谷美海が持ってきたのは1冊のファイル。「通称『げんきファイル』っていうんですけど、私の小学校の頃の体調とか書いてあるんです。あとはマラソンカードとか」という、藤谷が小学校の6年2組だった頃に使ったプリント集をプレゼントされた桜ひなのは、「えっと、うん、あの……元気になるぞ」と、返すのが精一杯(ちなみにこのプレゼントはイベント終了後に桜から受け取り拒否されてしまい、藤谷のもとに戻ったらしい)。また橘花怜が持ってきたのは制服。「花怜が未成年の時に、誰かと制服を着てカフェに行ったりしたかったから、自分の分ともうひとり分の制服を買ったんです。だけど、使わないままに成人を迎えてしまったので……」と、制服を手に説明する橘と、嫌な予感がして即座にステージ中央の彼女と距離を取り始めるメンバーたち。そしていち早くすべてを察して頭を抱えていたのが、橘のプレゼントを引き当ててしまった北美梨寧。そして「よかったら一緒に着ていただいてカフェに行ったり、肉まんをはんぶんこしたり。私と一緒に出かけてください」と制服デートを求める橘に、北美は「せめて……事務所内で写真を撮るにしない?」と交渉を試みるのだった。

 2023年のいぎなり東北産について、マネージャーやスタッフの振り返りアンケートをもとにしたクイズ企画では、「マネージャーのてやんさんが、この1年のいぎなり東北産の仕事の中で、『もう2度とやりたくない!』と思っている過酷すぎた仕事はなんでしょう?」「事務所スタッフのCEOさんが、葉月結菜さんについて気になっているけど聞きにくいことは?」等々、企画という体になっているものの、蓋を開けてみるとメンバーへの不平不満の暴露の様相をも呈し始める。そしてクイズの正解が出てからはメンバーからの弁明や言い訳が楽屋トークのように展開されるなど、怒ったり拗ねたり慌てたり照れたり様々な反応を見せるメンバーの姿とともに、スタッフ側という普段とは違った視点からいぎなり東北産の1年を面白おかしく振り返ることができる企画となっていた(ちなみに、マネージャーが2度とやりたくないと思った過酷過ぎた仕事の答えは「寝れなかった19時間生配信」。葉月結菜に気になっているけど聞けないことは「週に何回飲酒しているか」だそうだ)。

 昼公演と夜公演で合計22曲(そのうち曲の重複は撮影可能曲の「わざとあざとエキスパート」と、ラストの「ウィンターのアゲアゲバッコーン!」の2曲のみ)というボリューム感あるセットリストと、いぎなり東北産らしい充実した企画で構成された【いぎなり東北産 いぎなりクリスマス 2023】。本人たちもMCで語っていたが、いぎなり東北産にとって2023年勝負のライブとなる、12月29日のパシフィコ横浜 国立大ホール公演【いぎなり東北産 2023年大一番ライブ ~いぎなり伝説への幕開け~】前最後の主催イベントということで、彼女たちにとっても、仙台PITのフロアを埋め尽くしたファンの人たちと、地元でのびのびと楽しみながらできたクリスマスイベントになったようだった。

取材・写真・文:Yosuke TSUJI


◎【いぎなり東北産 いぎなりクリスマス 2023】終演後コメント

- 今日のイベントを終えての感想をお願いします。

葉月結菜:まずは、新曲「狂くるどっかーん」の話じゃない?

律月ひかる:えっと、このプロジェクトは、6月くらいに大森靖子さんとお会いして、会議とかして今日まで準備を進めてきました。やっとみなさんの前で披露できて、ドキドキでした。今日はみなさんのお陰で夢が叶った1日でした。これからも大事に歌っていきたいと思います。

葉月結菜:私たちも今日、この曲がラブソングだと聞いて、これからもっと歌詞を読み取って、深い想いを心に宿して歌っていたいと思いました。あと今日のライブ自体は、MCでも言ったけど、めっちゃリフレッシュできました。

桜ひなの:プレゼント交換も楽しかったです。

安杜羽加:(クリスマスプレゼント交換で吉瀬真珠からもらったおもちゃの)“犬んじゅ”と“ヘビんじゅ”は、大切に育てていきたいと思います。

北美梨寧:新曲披露もあったし、サインボール投げたり、みんなの近くにも行けたから、みんなのサンタさんになれたかなって。そう思ってくれてたらいいなって思います。

律月ひかる&桜ひなの:サンタでーす。

桜ひなの:後日、9人でパーティーしたいね。

葉月結菜:年明けてからでいいからクリスマスパーティーしたい。

桜ひなの:あの鍋、使えるじゃん(2部で北美が藤谷からプレゼントされた、電子レンジでインスタントラーメンが作れる鍋)。

藤谷美海:あれ、蒸し野菜もできるからね(笑)。


※「狂くるどっかーん」は白抜きハート付が正式表記

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