2023/12/05 11:30
ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が、リリースから65年を経て1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
Hot 100史上1,161曲目のNo.1タイトルに輝いた「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、今週の集計期間(2023年11月24日~11月30日)にストリーミングが3,490万回(69%増加)、エアプレイが2,070万回(35%増加)、セールスは3,000(39増加)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは先週の5位から1位に、昨年のホリデー・シーズン以来2週目の首位を獲得して、今週最も伸びた曲に贈られるStreaming Gainerを獲得した。
1958年11月にリリースされた「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、1960年12月12日付で64位に初登場した後、2週間後に最高14位まで到達したが、当時TOP10にはランクインしなかった。なお、同年にはその他のタイトルが4曲TOP10入りを果たしている。
その後、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降年々最高位を更新して、2019年から昨年のホリデー・シーズンまで通算9週間2位を記録したが、今年(今週)リリースから65年を経て遂に1位に到達した。なお、この記録は2019年に9週間連続で2位をキープした後トップに立った、ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」と並ぶ最長記録となる。
11月3日には、リリース65周年を記念してタニヤ・タッカーとトリーシャ・イヤウッドがカメオ出演した初のミュージック・ビデオを公開。TikTokには自身のキャリアについてコメントを寄せた投稿をしたり、現地時間12月7日に放送される米NBCの『クリスマス・アット・ザ・オプリ』ではこの曲をパフォーマンスする予定で、今シーズンは同曲の積極的なプロモーションを行っている。
ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、ザ・チップマンクス&デヴィッド・セヴィルの「ザ・チップマンク・ソング」、2019年から昨シーズンまで通算12週をマークしたマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」に続く史上3曲目の首位獲得で、「ザ・チップマンク・ソング」と「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」の2曲は、どちらもHot 100の集計が始まった1958年にリリースされている。
自身の楽曲としては、1960年7月18日~8月1日付の3週を記録した「アイム・ソーリー」 、同年10月24日付の1週を記録した「アイ・ウォント・トゥ・ビー・ウォンテッド」に続く3曲目の首位獲得で、初めてHot 100にランクインした「スウィート・ナッシン」(1959年12月21日付)から51曲を100位内にチャートインさせている。そのうち、1960年4月に最高4位を記録した「スウィート・ナッシン」から「ロッキン・アラウンドザ・クリスマス・ツリー」まで13曲がTOP10入りしていて、カントリー・ソング・チャートでも1973年~1980年にかけて9曲がTOP10入りした。
1960年代の記録に限定すると、Hot 100(100位内)には46曲をランクインさせていて、女性アーティストではコニー・フランシスを上回り最多記録を達成している。またTOP10には12曲を送り込んでおり、こちらではコニー・フランシスとタイ記録となっている。
「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」がリリースされた1958年11月から今週1位を獲得するまでの期間は約65年で、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が達成した25年(1994年~2019年)を大きく上回り、史上最長記録を更新した。また、初めてチャートインした1960年12月12日付から今週(2023年12月9日付)首位を獲得するまでの期間は約63年で、この記録でも史上最長記録を更新している。
それから、初めて首位を獲得した「アイム・ソーリー」(1960年7月18日付)から、今週「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が首位を獲得するまでの期間も、63年4か月3週間に更新され、マライア・キャリーが「ヴィジョン・オブ・ラヴ」(1990年8月4日付)から昨シーズントップに立った「恋人たちのクリスマス」(2023年1月7日付)までの32年5か月を大きく上回る、史上最長記録を更新している。
さらに、最後に1位を獲得した「アイ・ウォント・トゥ・ビー・ウォンテッド」(1960年10月24日付)から今週「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が首位を獲得するまでの期間も、63年1か月2週間に更新され、シェールが「ダーク・レディ」(1974年3月23日付)から「ビリーブ」(1999年3月13日付)で打ち出した約25年を大きく上回り、こちらも史上最長記録を更新した。
ブレンダ・リーは78歳で、次週12月11日に誕生日を迎えるが、Hot 100で首位を獲得したアーティストとしても、1964年に当時62歳で「ハロー・ドーリー!」が首位を獲得したルイ・アームストロングを抜き、最年長記録を更新している。女性アーティストに限定しても、シェールが「ビリーブ」で達成した52歳を大きく上回った。
なお、「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」をレコーディングした当時のブレンダの年齢は13歳で、もし13歳の時に首位を獲得していればアーティストの年齢として、ペギー・マーチが「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」で達成した15歳を抜き、最年少記録を更新していた。
「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、Hot 100に続きホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週1位を獲得した。2011年から集計が始まった同チャートでは、全64週中58週間(2015~16年は43週連続)をマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が首位を独占していたが、今週ブレンダ・リーがその記録を打ち破った。ホリデー・ソング・チャートでは、その他ジャスティン・ビーバーの「ミスルトウ」(2011~12年)が1週、ペンタトニックスの「リトル・ドラマー・ボーイ」(2013~14年)が1週、アリアナ・グランデの「サンタ・テル・ミー」(2014~15年)も1週、それぞれ首位を獲得している。
その「恋人たちのクリスマス」は、今週ストリーミングが3,240万回(47%増加)、エアプレイが2,150万回(38%増加)、セールスも4,000(39%増加)にそれぞれ上昇して、先週の4位から2位に今シーズンの最高位を更新している。通算19曲目の首位を獲得した同曲は、ザ・ビートルズが保持している20曲の最多記録に迫り、Greatest of All Time Holiday 100 Songsでは1位に選ばれた。
今週は、その他にもボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年リリース)が先週の12位から4位(ストリーミングが2,760万回、エアプレイが1,990万回)、ワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年)が13位から5位(ストリーミングが2,690万回)、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)も16位から6位(ストリーミングが2,620万回)に、ホリデー・ソングが続々とランクインした。これまでの最高位は、「ジングル・ベル・ロック」が3位、「ラスト・クリスマス」と「ホーリー・ジョリー・クリスマス」はそれぞれ4位を記録している。
それから、アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年)も先週の28位から10位にジャンプアップして、昨シーズン以来のTOP10入りを果たしている。今週ランクインしたことで、「ロンリー・ストリート」が初めてTOP10入りした1959年10月12日付からのブランク記録を、歴代最長の64年2か月に更新した。なお、ホリデー・ソングを除くと、今年の11月18日付でザ・ビートルズが打ち出した59年9か月3週間が現時点での最長記録となる。
ホリデー・ソングがランクアップしたことで、先週1位を獲得したジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」は3位にダウンしたが、エアプレイは前週から44%増加の2,990万回に上昇して、その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得した。ストリーミングも6%増加の2,510万回に上昇して、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは3週目の首位を獲得している。
テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」は2位から7位にダウン。ドージャ・キャットの「ペイント・ザ・タウン・レッド」も3位から8位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートでは今週6,580万回を記録して、自身初の首位を獲得した。シザの「スヌーズ」も5位から9位にダウンしたが、R&Bソング・チャートでは18週目の首位をキープしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月8日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
2位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
3位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
4位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
5位「ラスト・クリスマス」ワム!
6位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
7位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
8位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
9位「スヌーズ」シザ
10位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
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