2023/08/14 10:30
アンビエント・ハウスのパイオニアとして知られるジ・オーブとピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアによる2010年のコラボレーション作品『メタリック・スフィアーズ』を再構築したアルバム『メタリック・スフィアーズ・イン・カラー』が2023年9月29日に発売される。収録曲の一部を抜粋した「メタリック・スフィアーズ・イン・カラー:ムーヴメント1 – 抜粋」の先行配信も開始された。
『メタリック・スフィアーズ』を新たに作り直すことになった経緯をプロデューサーのユースは、「“メタリック・スフィアーズ・イン・カラー”の構想は、アレックス・パターソン(=ジ・オーブ)が当初のヴァージョンでもっとできることがあったはずなのに、あの時は“ブレードランナー”のサントラmeetsピンク・フロイドの“あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)”のような音楽を作るという方向性だったために、アレックスにそうする機会がなかったことから生まれたんだ。それで、僕の方から“リミックスしてジ・オーブの名盤みたいにしないか?”と提案したんだ。それで改めて作業してみたところ、完全な別物と言っていいアルバムに仕上げることができたんだ」と語っている。
『メタリック・スフィアーズ』のオリジナル盤は2010年にリリースされたが、それはほとんど偶然の産物だった。2009年の晩春、デヴィッド・ギルモアは、グラハム・ナッシュの曲「シカゴ/チェンジ・ザ・ワールド」をレコーディングするためにスタジオに入っていた。元はクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングが、アメリカへの身柄引き渡しに直面していたイギリス人ハッカー、ゲイリー・マッキノンを支援するために作った曲だ。クリッシー・ハインド、ボブ・ゲルドフ、ゲイリー自身のヴォーカルがフィーチャーされ、キャンペーンはピーター・ガブリエル、スティング、女優のジュリー・クリスティにも支援された。
そこで、アンビエント界のパイオニア陣ジ・オーブとプロデューサーのユースもこのキャンペーンに支援の手を差し伸べ、トラックをリミックスするとともに、英ロンドンのワンズワースにあるユースのスタジオ、ザ・ドリーミング・ケイヴでさらなるギター・パートを提供してくれないかとデヴィッド・ギルモアに頼んだことがきっかけとなり、両者のコラボ・プロジェクトが始まった。
ユースとアレックス・パターソンは、そのセッションを2つのアンビエントな組曲へと発展させている。それが『メタリック・スフィアーズ』に収録された28分半の「メタリック」と20分の「スフィアーズ」となっている。“3D60オーディオ”という当時の最新サラウンド・サウンド技術を用いた初のメジャー・レーベル作品のひとつとなったこのアルバムは、今尚ヘッドフォン愛好家たちの間で人気を博している。
再構築された『メタリック・スフィアーズ・イン・カラー』では、曲名も新たに「シームレス・ソーラー・スフィアーズ・オブ・アフェクション・ミックス」と「シームレス・マーシャン・スフィアーズ・オブ・リフレクション・ミックス」とし、CDとアナログLPは同内容、デジタルではそれぞれ2つのムーヴメント(楽章)から成るやや長いバージョンが収録され、通常音源に加えて360 Reality Audio、Dolby Atmosの3Dオーディオでも配信される。
◎リリース情報
アルバム『メタリック・スフィアーズ・イン・カラー』
ジ・オーブ・アンド・デヴィッド・ギルモア
2023/9/29 RELEASE
SICP 31637 2,750円(tax incl.)
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