2023/06/03 12:00
【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』のVol.18にヒップホップを中心とした音楽ライターとして活動する渡辺志保が登場した。
女性であることの影響について、20代の頃まで考えることがあまりなかったという渡辺だが、転機になったのはビヨンセによる2013年のセルフ・タイトル作の対訳監修を担当したことだったそうだ。ビヨンセはアルバム収録曲「***Flawless」で、ナイジェリアの作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』というスピーチを引用しているが、渡辺は「歌詞を読み込んでいく中なかで、“女の子は成功してもいいけど、成功しすぎてはダメ。男性を脅かしてしまうから”といったフレーズがすごく具体的に自分と重なって、強く共感しました」と話した。
また、マスキュリニティが美学の一つとされているヒップホップの世界でも、近年自分の意志を発信する女性のラッパーたちが多くの支持を集めており、変化が見受けられると説明。国内でも女性が強いメッセージを発信することに対して、リスナーが“共感したりエンパワーメントされる土壌ができてきている”と述べると、「私は女性のラッパーが増えれば、国会議員にも女性が増えるんじゃないかと半ば本気で思っているんですよ。女性が思ったことを発言して、それが受け入れられたり共感を産む土壌がもっと広がる、その口火を切ろうとしているのがヒップホップなんじゃないかと思うんです」と希望を込めて語った。
インタビュー全文は特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることが可能だ。
2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。
Photo: Miu Kurashima
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