2023/05/09
映画『BLUE GIANT』のスペシャル上演と立川譲監督、上原ひろみによるティーチイン・イベントが、5月8日に東京・ブルーノート東京にて開催された。
全国公開中の映画『BLUE GIANT』は、シリーズ累計1,100万部突破の同名漫画を原作とするアニメーション映画で、興行収入10億円を超え、ロングラン上映中だ。
会場の東京・Blue Note Tokyoは、劇中で主人公の宮本大、沢辺雪祈、玉田俊二が結成するバンドJASSが「日本のジャズシーンを変えるため」出演を目指すジャズの名門クラブ“So Blue”のモデルであり、映画興行を行うのは今回が初めてだという。
120分におよぶスペシャル上映は、普段ライブを行っている会場のサウンド環境を生かしてこの日のためだけに特別に用意された7.1ch サラウンドの大迫力のスピーカーシステムで観客を魅了。特に本作の見どころでもあるライブシーンでは、思わず観客が映画に合わせて拍手や、涙ぐむ姿も見受けられるほどの感動をもたらした。映画の聖地であるブルーノート東京だからこそ、実際にすぐそこでJASSの3人がライブを行っているかのような感覚をもたらし、まさに特別な一夜となった。
上映後すぐのティーチインでは、立川譲監督が拳を高く突き上げガッツポーズしながら、主人公の大さながらに黒いテナー・サックスを首から下げてステージに登場。なぜ黒いサックスなのか司会から問われると、「モーションキャプチャーをやる為にセンサーに反応しないようにマットな黒い質感にしました」「このせいで音が出なくなってしまったので申し訳ないんですけど(笑)」と説明。続けて、ジャズの聖地にサックスを持って登場した今の気分について監督は「劇中でも“So Blue”という名前でこのステージで大たちが演奏しているんですけど、それをまたここで上映してみるというのは不思議な気分になる」「2Dですけど、大たちがライブしているのをここで見ているかのような感覚になれるかと思います。本当に来ていただいてありがとうございます」と思いを口にした。
その後、劇中で登場するブルーノート東京をモデルにした“So Blue”をはじめ、再現度の高い各シーンの制作方法について監督は、「会場の設計図を基に全体を3Dで作り、テクスチャーに関しては実際に現場をロケハン時に撮影した写真をもとに現物を見ながら細かく作りこんでいった」と、エピソードを明かした。さらに、本作の制作に関わるスタッフのなかには映画の登場人物のモデルになっている人もいるという制作秘話や観客との質問コーナーも展開された。
そして後半では、音楽を手がけたピアニストの上原ひろみが同じくガッツポーズしながらサプライズで登場。「ブルーノート東京は私がとても大事にしているクラブで、ここで映画が上映されると聞いて嬉しくて仕方がありませんでした。そして、せっかく映画が上映されるのであれば私も1曲演奏できたらと思いました」と口にし、そのままエンドロール曲の「BLUE GIANT」をソロ・ピアノで披露する。スペシャル上映直後のサプライジングな展開と、上原の魂のこもった心を揺さぶる贅沢なパフォーマンスは、会場にいる全ての人を確実に魅了した。
演奏を終えると、最後に上原は「なかなか映画と一緒にステージに出る機会もないので」「本当に素晴らしい演奏をしてくださった彼らの情熱によってこの作品は作られたなと思います」と映画製作に関わる全ての人へ感謝を述べ、「これを糧にして新しい作品に邁進していきたいと思います。本当にありがとうございました」とコメント。監督は「映画の制作がスタートした時に、上原さんが書いた楽曲をここで聴く機会があったのですが、今回こうしてこの聖地で上原さんの生演奏で聴くことができて感無量で、自分の中の物語がひとつ終えたような達成感を感じています」と語り、鳴りやまない観客からの拍手のなか、本イベントは幕を閉じた。
Text:Rumi Miyamoto
◎イベント情報
【BLUE GIANT A FILM SCREENING at Blue Note Tokyo】
2023年5月8日(月)東京・ブルーノート東京
登壇者:立川譲監督
シークレットゲスト:上原ひろみ
◎リリース情報
『BLUE GIANT オリジナル・サウンドトラック』
2023/2/17 RELEASE
UCCJ-2220 3,300円(tax in)
『BLUE GIANT オリジナル・サウンドトラック』(2枚組LP)
2023/4/19 RELEASE
UCJJ-9039/40 6,050円(tax in)
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