2023/05/09
モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算5週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
1位に到達した3月18日付、4月15日~22日付、先週(5月6日付)、そして今週(5月13日付)で通算5週目に首位獲得週を更新した「ラスト・ナイト」。今週の集計期間(2023年4月28日~5月4日)ストリーミングは3,240万回(4%減少)、セールスも9,000(7%減少)に前週から若干数減少したが、エアプレイは17%増加の5,590万回に大きく上昇している。
ストリーミング・ソング・チャートでは先週の1位から2位にダウンしたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは4位から2位に再浮上し、エアプレイ・チャートでは7位から5位に自身初のTOP5入りを果たしている。
また、カントリー・エアプレイ・チャートで先週の5位から1位に上昇し、「ラスト・ナイト」はHot 100と同時(同週)に2冠を制覇した史上初のタイトルに輝いた。なお、Hot 100の集計が始まったのは1958年8月だが、カントリー・エアプレイ・チャートは1990年1月にスタートした。なお、同じ週に2つのチャートで1位を獲得したのは「ラスト・ナイト」が初めてだが、別の週ではローンスターの「アメイズド」が1999年7月~9月にカントリー・エアプレイ・チャートで8週、2000年3月にHot 100で2週首位を獲得していて、それに続く2曲目の快挙となる。
その他、ポップ・エアプレイ・チャートとアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで今週TOP15入りを果たし、カントリー・ソング・チャートでは13週連続で首位をキープした。カントリー・ソング・チャートとHot 100で同時に首位を獲得したのは「ラスト・ナイト」が史上20曲目で、今週でHot 100が5週目、カントリー・ソング・チャートは13週目の計18週に更新され、ジョニー・ホートンの「ニューオーリンズの戦い」が記録した計16週を上回り、史上最長記録を打ち立てている。
()は首位達成年、Hot 100の首位獲得週 / カントリー・ソング・チャートの首位獲得週
18週 モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」(2023年 5週 / 13週)
4週 テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(2021年 1週 / 3週)
13週 テイラー・スウィフト「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(2012~13年 3週 / 10週)
10週 ローンスター「アメイズド」(1999~2000年 2週 / 8週)
4週 ケニー・ロジャーズ&ドリー・パートン「アイランド・イン・ザ・ストリーム」(1983年 2週 / 2週)
3週 エディ・ラビット「恋のレイニー・ナイト」(1981年 2週 / 1週)
3週 ドリー・パートン「9 To 5」(1981年 2週 / 1週)
7週 ケニー・ロジャース「レイディ」(1980年 6週 / 1週)
3週 グレン・キャンベル「哀愁の南」(1977年 2週 / 1週)
7週 C・W・マッコール「コンボイ」(1975~76年 1週 / 6週)
2週 ジョン・デンバー「アイム・ソーリー」(1975年 1週 / 1週)
5週 グレン・キャンベル「ラインストーン・カウボーイ」(1975年 2週 / 3週)
2週 ジョン・デンバー「すばらしきカントリー・ボーイ」(1975年 1週 / 1週)
3週 フレディ・フェンダー「涙のしずく」(1975年 1週 / 2週)
2週 B.J.トーマス「心にひびく愛の歌」(1975年 1週 / 1週)
5週 チャーリー・リッチ「朝やけの少女」(1973年 2週 / 3週)
8週 ボビー・ゴールズボロ「ハニー」(1968年 5週 / 3週)
7週 ジミー・ディーン「ビッグ・バッド・ジョン」(1961年 5週 / 2週)
9週 マーティー・ロビンス「エル・パソ」(1959~60年 2週 / 7週)
16週 ジョニー・ホートン「ニューオーリンズの戦い」(1959年 6週 / 10週)
先週に続き2位はシザの「キル・ビル」が同位ランクインして、今週でR&B/ヒップホップ・ソング・チャートが19週目、R&Bソング・チャートでは20週目に首位獲得週を更新した。次週以降R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで1位を獲得すれば、「オールド・タウン・ロード」と同率の史上最長記録となる。
20週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
19週 シザ「キル・ビル」(2022~23年)
18週 リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ「インダストリー・ベイビー」(2021~22年)
18週 ドレイク「ワン・ダンス feat. ウィズキッド&カイラ」(2016年)
16週 ロビン・シック「ブラード・ラインズ feat. T.I.&ファレル」(2013年)
15週 メアリー・J.ブライジ「ビー・ウィザウト・ユー」(2006年)
3位もマイリー・サイラスの「フラワーズ」が同位をキープして、エアプレイ・チャートでは12週目の首位を獲得した。先週に続きエスラボン・アーマード&ペソ・プルマの「Ella Baila Sola」も4位にランクインして、ストリーミング・ソング・チャートでは今週「ラスト・ナイト」を破りトップに立った。ストリーミング・ソング・チャートでメキシコの楽曲が首位を獲得するのは史上初で、両者にとっても初のNo.1タイトルとなる。その他、ラテン・ソング・チャートでは5週目の首位を獲得した。
今週5位には、先週の6位からレマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」が上昇してTOP5入りを果たしている。Hot 100でのTOP5入りはレマが初、セレーナ・ゴメスは以下に続く4曲目のランクインで、2019年11月に1位を獲得した「ルーズ・ユー・トゥ・ラヴ・ミー」以来、約3年半ぶりとなる。
5位「カーム・ダウン with レマ」(2023年)
1位「ルーズ・ユー・トゥ・ラヴ・ミー」(2019年)
5位「セイム・オールド・ラヴ」(2016年)
5位「グッド・フォー・ユー feat. エイサップ・ロッキー」(2015年)
「カーム・ダウン」は、今週エアプレイが7,890万回(19%増加)、ストリーミングは1,570万回(1%増加)、セールスも5,000(3%増加)にそれぞれ前週から上昇させていて、約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートでは首位獲得週を史上最長の36週目に更新した。
同曲は、2022年2月にレマ名義でオリジナルがリリースされ、同年8月にセレーナが参加したリミックス、翌9月にミュージック・ビデオが公開された。リミックスとビデオの反響によりチャートを上昇し、今週登場35週目でTOP5に到達した。
以下、メトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」は先週の7位から6位に上昇。グルーポ・フロンテラ&バッド・バニーの「un x100to」は5位から7位にランクダウンして、8位はザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデの「ダイ・フォー・ユー」、9位はピンクパンサレス&アイス・スパイスの「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」、10位もテイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」がそれぞれ同位をキープした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月12日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「キル・ビル」シザ
3位「フラワーズ」マイリー・サイラス
4位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ
5位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
6位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
7位「un x100to」グルーポ・フロンテラ&バッド・バニー
8位「ダイ・フォー・ユー」ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデ
9位「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」ピンクパンサレス&アイス・スパイス
10位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
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