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2023/04/16

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』クリス・プラット&監督が明かす、劇中音楽に込められたストーリーテラーとしての役割

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督であるジェームズ・ガンが贈る最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』が全米公開に先駆け、5月3日より日本公開される。

 個性的なキャラクターと溢れ出るユーモアに加え、本シリーズになくてはならないのが音楽の存在だ。主人公のピーター・クイルを演じるクリス・プラットは「音楽は物語のストーリーを語る役割を果たしているんだ。まさしくジェームズ・ガンがこのストーリーを語るために利用しているツールのひとつなんだ」と、その役割の重要性について言及している。

 ピーターは9歳の時に母親を亡くし、その形見としてプレゼントされた音楽プレイヤーを肌身離さず持ち歩いている。シリーズ1作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)の冒頭で、ピーターがレッドボーンの「カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ」に合わせて軽快なステップを踏んで歩くシーンは、見るものをガーディアンズの世界に一気に引き込むシーンの一つだ。

 そんな映画の中で流れる音楽について、クリスが「この映画でかかる歌はどれも必ず、テーププレイヤーかテープデッキから流れている歌なんだ。その場面でその歌が再生されていることには常に理由がある。単なるBGMではなくてね」と語るように、本シリーズにおいて、音楽は必ず意味をもっている。

 ジェームズ・ガン監督は「最初の二本の映画では、音楽はピーターと母親の関係について語っているんだ。彼の母親はスクリーンにあまり出てこないけど、その関係は、これらの映画の中で主要な関係の一つで、母親が彼のために作ったその音楽を通して起こるんだ。音楽が、このことについて彼が向き合う際の、彼のストーリーを語る手助けをするんだ」とその重要性について熱弁。

 脚本も担当する監督は、まず使用を考えている歌のリストを用意し、脚本を書く時点でその楽曲についても記載しているという。そのため、ピーターが実際に聞いている音楽と映画の物語が連動し、一介のBGMでは終わらない、ストーリーを語る上で必要なツールとして扱われているのだ。

 1作目でピーターが捕まった時に看守に奪われた音楽プレイヤーから流れていたブルー・スウェードの「ウガ・チャカ(フックト・オン・ア・フィーリング)」は、その独特のノリの良さや甘い歌詞に込められた気持ちに相反して、捕まった挙句、大切な音楽プレイヤーを奪われたピーターの気持ちの昂ぶりや悔しさがあることを物語っている。

 また、ピーターがガモーラに初めて音楽を聞かせた時に流れていたエルヴィン・ビショップの「愛に狂って(Fooled Around And Fell In Love)」は、遊びまくっていた男が一人の女性に恋をした歌で、2人の良い雰囲気を盛り立てている。

 『ガーディアンズ』シリーズの最終章で、これまで雄弁にストーリーを語ってきた音楽は何を語るのか。先日公開された本作の楽曲リストには日本人の作曲家・EHAMICの「小犬のカーニバル~小犬のワルツより~」も名を連ねている。


◎公開情報
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
2023年5月3日(水・祝)より、全国公開
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼル、ゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、デイヴ・バウティスタ、ポム・クレメンティエフほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) Marvel Studios 2023