2023/03/31 18:00
Salyuが、2月17日に【Salyu Psychedelic Rock GIG】を東京・ビルボードライブ東京にて開催した。
Salyu Psychedelic Rock GIGは、ギタリストに名越由貴夫、キーボードには細海魚を迎え入れた特別編成によるプロジェクト。アンビエントやサイケデリックをテーマにした、普段とは違うコンセプトを掲げた今回のショーは、2023年2月8日の神奈川・ビルボードライブ横浜を皮切りに、東京・大坂の3会場で開催。本稿では2月17日に開催された東京公演・1stステージの模様をお届けする。
ステージを見渡して最初に目に入ったのが、名越由貴夫の足元にあるエフェクターの数だ。膨大な量のエフェクターに、これからどのような音が奏でられているのか期待が高まっていく。そして、開演時間になり会場が暗転すると、名越由貴夫と細海魚が拍手と共に登場。演奏が始まると、深いエフェクトのかかった神秘的でどこか不穏さを感じさせるようなサウンドがたちまち会場を包み込んでいく。名越由貴夫から奏でられるギターサウンドは、本当にエレキギターから出ている音なのかと錯覚させるようなサウンドで、音作りのクリエイティブさには度肝を抜かされた。神秘的なギターサウンドと細海魚の洗礼されたシンセサイザーのサウンドが絡み合い、まるで宇宙にいるかのような不思議な感覚に陥っていく。
ミステリアスなサウンドが奏でられていくなか、Salyu(Vo.)が大きな歓声と共に登場。神秘的なサウンドが奏でられるなか、Salyuの歌声が響き渡る。澄み渡る美しい歌声は、日々の疲れ切った身体を修復させてくれるかのように思えた。心まで洗われるかのようなサイケデリックなアレンジは、とても贅沢なものだと感じさせてくれる。名越由貴夫のジャズマスター特有の乾いたサウンドと、細海魚から奏でられるハモンドオルガンの重厚なサウンドは、楽曲本来の儚さをさらに助長させていく。特にハモンドオルガンのサウンドが本当に心地よく、Salyuの歌声と混ざり合うことで音と音葉がマッチした空間がそこにはあった。今回の特別編成だからこそ成せる、切なさや消えてなくなりそうな儚さがあり、その良さが抜群に生かされたステージとなっていた。
その後もサイケデリックをテーマにアレンジが施された楽曲が次々と披露されていく。大阪公演を控えているためセットリストに関してあまり詳細なことを綴ることはできないが、Salyuの楽曲だけではなく、カヴァー曲なども披露された豪華なステージ。名越由貴夫と細海魚から奏でられるサウンドはとてもハイセンスで、時間が進むにつれて夢心地な気分へと導いてくれる。そこに、深いリバーブのかかったSalyuの美しい歌声が入り混じり、テーマに沿ったサイケデリックな空間が展開されていった。
終盤のMCでは「デビューの頃から大変お世話になっていて、最も大好きな音楽家のお二人に支えていただいて、サイケデリックをテーマに掲げてこの時間過ごさせていただきました」と挨拶。そしてラストには、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコの楽曲をカヴァーした。オルガン、クリーンギター、ボーカルというとてもシンプルな構成でアレンジされていたが、逆にこのシンプルさが楽曲をより良いものにしていく。オルガンの優しいサウンドと、クリーンギターのアルペジオが織りなすサウンドはとても繊細で、Salyuの歌声が混ざり合うことで夢幻的で美しい楽曲へと変貌させた。最後に心が洗われるような心地よい空間を作り上げ、公演は幕を閉じた。
神秘的なサウンドに包まれ、疲れが癒されていくようなステージ。Salyuの歌声は、まるでマイナスイオンでも出ているのではないかと錯覚させるほど美しく、日々のストレスを取っ払ってくれたように思えた。また、名越由貴夫と細海魚から奏でられるクリエイティブなサウンドには、音楽が持っている無限の可能性を感じることができた公演であった。日々の疲れを音楽で癒したい方はぜひ、足を運んでみてはいかがだろうか。Salyu Psychedelic Rock GIGは、4月11日に大阪・ビルボードライブ大阪にて同公演を開催する。特別編成ならではのサイケデリックで宇宙のような空間を体感してほしい。
Text by Hironari Kagehi
Photo by Hayato Watanabe
◎公演情報
【Salyu Psychedelic Rock GIG】
2023年4月11日(火)大阪・ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場17:00 開演18:00
2ndステージ 開場20:00 開演21:00
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