2023/01/26
数々の音楽ファンから熱い支持を得る五人組アイドル、フィロソフィーのダンスのメンバーとして活躍する日向ハルが、2023年1月21日にBillboard Live YOKOHAMAでバースデーライブを開催した。本稿では生バンドと共に披露された同公演の1stステージの模様をお届けする。
会場が暗転すると、バンドメンバーが先に登場しセッションが始まった。観客も早速クラップで応えて盛り上がりを見せる。そして、本日の主役:日向ハルが登場すると始まったのはフィロソフィーのダンスの「ジャスト・メモリーズ」。スローでしっとりとしたサウンドと哀愁たっぷりの歌唱で一気に会場が日向の世界観に包まれていく。
「こんばんは~!Billboard Liveで演ることになるとは思わなかったけれど、ファンの皆さんのおしゃれ着を見れるのもいいですね(笑)。背筋がピンとして“ちゃんとしなきゃ”となっちゃいますが、今日も私らしく頑張りたいと思います」とファンへのいじりも交えて話すと「次はお酒が進む曲を」という紹介から「ジョニーウォーカー」をグルーヴィーで色気のある音像で届ける。身体を動かしたくなる「ウェイク・アップ・ダンス」では妖艶で深みのある歌声でオーディエンスを魅了した。
「今回で8回目のバースデーライブになるんですが、何を演ろうかなと自分の音楽のルーツを遡っていったときに、まだ皆さんの前で演ったことの無いアーティストがいることに気づきまして。今日はその方の曲を歌いたいと思います。美空ひばりメドレー」と日向が話すと客席はどよめきが起きた。原曲よりも少しばかりスローなアレンジで披露されたジャジーな「東京キッド」、アカペラのイントロからパワフルな歌唱とドラマチックなステージングで魅せた「真っ赤な太陽」、そしてこちらもジャジーなアレンジが施された「お祭りマンボ」と続いていく。“人生で初めて好きになったアーティスト”である美空ひばりの歴史に残る名曲へのリスペクトと愛が伝わるパフォーマンスだったが、中でも「お祭りマンボ」はどこかセクシーさも感じるアレンジの秀逸さが印象に残っていた。曲の後半で日向が披露したロングトーンのパートでは盛大な拍手も発生していた。
続いて、ピアノとベースによるイントロを経てミュージカル『リトルマーメイド』から「Part of your world」が始まる。冒頭の語りや曲中のセリフ、そしてもちろん歌唱まで、ミュージカル調の表現になっていたのはさすがの一言だ。美空ひばりメドレーからの空気感の変化も凄いが、中途半端な表現が一切無いため、観る側としても違和感なく自然なものに感じることができたと思う。
ここで、事前に告知されていたスペシャルゲスト、土岐麻子がステージに呼び込まれる。尊敬してやまない土岐を前に日向は喜びを隠せない様子で、甘えるように戯れる場面も。土岐は2年前のオンラインバースデーライブで披露された日向のソロ曲「目隠し」(2021年に配信リリース)の作詞を担当していて、それが今回の共演のきっかけになったとのこと。このトークからの流れで始まったのは、もちろん「目隠し」。力強く優しいメッセージが込められた楽曲で、日向のハスキーな歌声と土岐の透き通るような歌声の相性が抜群だ。
そして、日向が土岐を好きになったきっかけの楽曲であり、前述の作詞にも繋がった曲である「美しい顔」のデュエットが続く。土岐の歌声に日向がステージ上でうっとりしていて、改めてそのリスペクト度合いが感じられた。タイプが違う両者の歌声が生み出す化学反応はやはり絶妙で、楽曲の中盤では土岐の呼びかけで“スキャット大会”が始まった。このスキャットに土岐がアドリブでハッピーバースデーのメロディを挟み込むという心温まる場面も。コラボが終わると日向は「私も客席で聞きたいくらい最高だった」と興奮冷めやらぬ状態で話していた。
土岐が拍手に包まれながらステージを後にし、いよいよライブは終盤に。再びフィロソフィーのダンスの楽曲からポジティブなエネルギーを感じさせてくれる「VIVA運命」を経て、本編のラストに選ばれたのは、日向が大好きだと語るミュージカル『ヘアスプレー』から「You can’t stop the beat」だ。アップテンポで疾走感もあるサウンドがハッピーな空気感を作り出す。メンバー紹介と各パートのソロを挟むライブならではアレンジも含め、“フィナーレ感”に満ちたパフォーマンス。曲が終わると、日向はアンコールを求めるクラップを自ら煽りながらステージから捌けていき、笑いを誘った。
観客のクラップに応え、日向もすぐに再登場。「あんなやらせられるアンコールもなかなか無いよね(笑)。いつも常々言っているのですが、私は大きいステージに立ったり、皆にいい景色を見せることで、活動を通して応援してくれている皆に恩返しができればいいなと思っています。今日Billboard Liveに皆を連れてこられたのも自分の中でとても嬉しかったですし、日向ハルとして今後もっとさらに色々な活動をしていければいいなと思っていて、今日がその第1歩になればいいなと思っています。これからもステージに立つことで皆にお返しをしていけるように頑張りますので、応援よろしくおねがいします」とファンへの想いを感動的なMCで伝えた。
正真正銘のラストに披露されたのは昨年4月にリリースされたフィロソフィーのダンスのメジャー1stアルバム『愛の哲学』の表題曲。包み込むような愛が会場を満たしていく。歌いながら客席にも積極的にアピールする様子からは、愛を貰って愛を伝えるという先程のMCにも通ずるような“愛の交換”を個人的に感じた。最後はシンプルに「ありがとう!」の言葉でステージは終演した。
Text:Haruki Saito
Photo:Masanori Naruse
◎公演情報
【Halu Hinata Birthday Live 2023】
2023年1月21日(土)
神奈川・Billboard Live YOKOHAMA - 1stステージ
※写真は2ndステージのものを使用しています
<セットリスト>
1. ジャスト・メモリーズ
2. ジョニーウォーカー
3. ウェイク・アップ・ダンス
4. 東京キッド/美空ひばり
5. 真っ赤な太陽/美空ひばり
6. お祭りマンボ/美空ひばり
7. Part of your world/リトルマーメイド
8. 目隠し feat. 土岐麻子
9. 美しい顔 feat. 土岐麻子
10. VIVA運命
11. You can’t stop the beat/ヘアスプレー
アンコール
12. 愛の哲学
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