2022/11/07
サンタナが1972年に発表した4thアルバム『キャラバンサライ』の発売50周年を記念し、世界初登場となるSA-CDマルチ・ハイブリッド盤が2022年11月30日に発売されることが決定した。日本独自企画として2020年よりスタートしたサンタナの50thアニヴァーサリー・シリーズ第5弾作品となる。
1969年にデビューするや、全米はもとより世界中の音楽シーンで一大センセーションを巻き起こしたサンタナは、最初の3年で発表した3枚のアルバムがいずれもミリオンセラーを記録するなど、早々にスーパー・バンドの仲間入りを果たした。そんな破竹の勢いにあった彼らが1972年秋に発表したのが、通算4作目のスタジオ・アルバムとなる本作『キャラバンサライ』だ。
前作『サンタナIII』でそれまでの野性味溢れるアグレッシヴなラテン・ロックにひとつの区切りをつけたリーダーのカルロス・サンタナは、壮大なコンセプト・アルバムという誰もが予想だにしなかった新たな方向性をここで打ち出すことになる。カルロスがかねてより傾倒していたモダン・ジャズやパーソナルな精神世界を反映した幻想的なサウンドスケープは、まさにアルバム・ジャケットに描かれたキャラバン(隊商)の蜃気楼のようでもあり、チャート面では全米8位と前2作で獲得した1位には届かなかったものの、キャリア史上最高の完成度と評されることとなった。特にここ日本においては、このアルバムを引っ提げたツアーで1973年の初来日公演が実現したこともあり、サンタナの代表作の筆頭である『天の守護神』に次ぐベストセラー・カタログとなっている。
ラテン・ジャズへと接近しプログレッシヴ・ロック的なアプローチで新たな地平を切り拓いたこの70sロック名盤には、当時生産開始されたばかりの4chサラウンド・ミックス=クアドラフォニックが存在していたが、一度も再発されることのないまま今日に至っていた。このたび世界で初めてSA-CDとして復活することになる本エディションは、これまでのシリーズ同様に、そのクアドラフォニックのオリジナル・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにてDSDマスタリングを施したもので、各楽器のフレーズやプレイのニュアンスがこの上なく鮮明に聴き取れるだけでなく、このアルバムならではの甘美で神秘的な音世界に包まれる異次元の感覚に浸ることができる。
また、SA-CDのステレオ・ミックスの方もオリジナル・2chミックス・マスター音源を新たにマスタリング、CD層もSA-CDのステレオ・マスターをPCMに変換した最新リマスター盤となっている。
パッケージは日本盤クアドラフォニックLPを精巧にリサイズした7インチ紙ジャケット仕様で、本作からカットされた「果てしなき道」の日本盤アナログ・シングル・ジャケットや海外で使用された発売告知のミニ・ポスターなどを封入している。
◎リリース情報
アルバム『キャラバンサライーSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションー』
2022/11/30 RELEASE
SICP 10142 4,850円(tax incl.)
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