2013/04/23
岩代太郎ら日本の映像音楽界を牽引する作曲家達が、東日本大震災復興を祈って書き下ろした『魂の歌』発売記念コンサートが、4月16日文京シビックホール 大ホールで開催された。
前半は、岩代太郎、渡辺俊幸、千住明、池辺晋一郎の4名の作品を、作曲家が自ら指揮するという豪華な組み合わせ。東京都交響楽団の躍動感あふれる旋律と壮大なハーモニーによって、名作の数々を支えてきた音楽が奏でられた。曲の合間には、本プロジェクトに対する想いがそれぞれから語られた。発起人でもある岩代は「震災以降、作曲家として何ができるか自問自答する日が続いた。そして、魂の尊さや大切さに想いを寄せる作品を後世に残すことが使命だと思った。」語り、続く渡辺は「芸術性の高さと大衆性を兼ね備えた作品ということから、親しみやすい音楽と言えば私達だろうということで映像音楽作家が集まった。」、千住は「今回は私達以外にも、スタッフも、このホール代も無償で開催に至っている。」と感謝の気持ちを述べた。最後に登場した池辺は「音楽にできることは、あまり多くはないが、音楽は理屈ではなく心に届くもの。何かが被災地の方々に届いて心に残れば。」と語り、多くの人々に愛され続けた計5曲の作品とともに、前半が終了した。
休憩を挟んで後半は、いよいよ『魂の歌』全曲。まず、ステージ中央に座ったギター 村治奏一と、朗読 風吹ジュンによって、重松清の2作の詩文が語られた。繊細で柔らかなギターの音色とともに、一言ずつ丁寧に2つの家族が語られていく。温かい拍手とともに、風吹ジュンは「小さくても皆生きているんだと実感できる素晴らしい詩だった」と語り、指揮者 海老原光へと交代。アルバム通りに8作品が続けて演奏された。命の尊さ、復興への祈り、鎮魂、そして未来への希望などをテーマに、それぞれの解釈で描かれた作品達は、どれも温かく希望に満ち溢れていて、客席のみならずインターネットを通じて生中継された石巻市をも優しく包み込んでくれた。全ての演奏を終え、岩代は「約1年の準備期間を経て今日がスタートだと思っている。この作品をもっと世に送り出すことで、魂の大切さを末永く伝えていきたい」と力強く締めくくり、客席で聴いていた他の作曲家もステージに登壇、ホールが一体となって幕を閉じた。
◎ライブ情報【東日本大震災復興支援・音楽プロジェクト 魂の歌】
4月16日(火) 文京シビックホール大ホール
セットリスト:
前半
01.The Red Cliff~映画「レッドクリフ」より~
02.NHK連続テレビ小説「おひさま」メインテーマ
~NHK大河ドラマ「利家とまつ」メインテーマ(『潮流』)
03.風林火山~メイン・テーマ~
04.「影武者」メインタイトル
後半 魂の歌全曲
05.序文 あの町で~春
06.末文 あの町で~秋
07.生まれ来る命への祈り
08.地・水・火・風・空II-オーケストラの為の,2012-
09.交響的スケッチ2012-オーケストラのための-
10.UNTITLED
11.誓い
12.しあわせの風船
13.魂の輝き、それはFと共に
14.もうひとつ-オーケストラのために-
出演:池辺晋一郎、岩代太郎、千住明、渡辺俊幸
管弦楽 東京都交響楽団
指揮 海老原光※後半のみ
朗読 風吹ジュン
ギター独奏 村治奏一
司会 徳光和夫、松本志のぶ
◎リリース情報
『魂の歌』
2013/03/13 RELEASE
演奏:東京都交響楽団
序文&末文 文:重松清 朗読:役所広司
ギター独奏:村治佳織
SOST-3010 3,000円(tax in.)
More Info:
http://www.b-academy.jp/special/tamauta/
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