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2022/09/06

<ライブレポート>BoA/東方神起チャンミン/NCT/aespaら総勢54名が東京ドームに集結 3時間越えの大祭典【SMTOWN LIVE 2022】

 SM ENTERTAINMENT所属のアーティストが集結するライブ【SMTOWN LIVE 2022 : SMCU EXPRESS@TOKYO】が、8月27日、28日、29日の3日間にわたり東京・東京ドームにて開催された。

 同イベントが日本で開催されるのは、実に約3年ぶり。今年はカンタ、BoA、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代からテヨンとヒョヨン、SHINeeからオンユ、キー、ミンホ、EXOからスホ、チェン、カイ、シウミン、Red Velvet、NCT、aespa、Raiden、GINJOと、総勢54名のアーティストが一堂に集結し、3日間で15万人もの観客を熱狂させた。本稿では、イベント最終日となった29日公演の模様をレポートする。

 公演タイトルの「SMCU」とは、SM ENTERTAINMENTが“未来のエンターテイメント”として望む、メタバース空間向けのコンテンツのこと。“現実世界と仮想世界の境界を越える”というそのコンセプトを体現するかのようなオープニングムービーを終えると、aespaの4人が登場。「Black Mamba」の印象的なベースリフが鳴り響くと、会場は大きな拍手に包まれた。曲を終えると、「みなさん、最高!」と指ハートを作ったウィンター、「SMファンのみなさん、会う日までほんとに楽しみでした!」と語った日本人メンバー・ジゼルをはじめ、4人全員が日本語でMCを披露。続けて「Next Level」とヒットナンバーをたたみ掛け、一気に会場を盛り上げた。

 続いて登場したのは、今回が【SMTOWN】日本公演初参加となった、NCTのなかでも中国を基盤とするユニット・WayVだ。ウィンウィン、ルーカスを除いた5人編成とはいえ、彼らの来日を待ち望んでいたWayZenNi(WayVファンの総称)の熱い視線を受けつつ、「Kick Back (Korean version)」を披露した。

 NCT DREAMは、まず今年6月にリリースしたばかりの「Beatbox」を披露。曲中、チソンのダンスブレイクでは全員で彼の名前をコールするなど、同じNCT内のユニットでも、先のWayVとは一転してやんちゃな雰囲気あふれるパフォーマンスに、観ていて思わず笑顔になる。続く「Hot Sauce」では、サビでステージに炎が上がる演出が施されるなど、まさに燃え上がるようなステージを作り上げた。

 明るくノリノリの雰囲気から一転して、EXO・チェンの「Beautiful goodbye」のイントロが流れ始めると、観客もしんと静かになる。会場いっぱいの紫の光がより神聖な雰囲気を盛り上げるなか、ハイトーンまで力強く歌い上げていた。

 SHINeeのオンユは、Punchとのデュエット曲「Way」を、今回はaespaのメインボーカル・ニンニンとともに歌唱。aespaでの力強い歌唱とは異なり、やわらかく透き通るニンニンの声が新鮮だ。ピアノとストリングスの音色でより引き立つ、優しく包み込むようなオンユの歌声も心地よい。

 その後、「お久しぶりですね!」と前方ステージに登場したのは、EXOのスホだ。ダンスビートナンバー「Hurdle」をスタンドマイクで歌い上げている……と、突然カウントが鳴り響き、それを合図に花道を全力ダッシュ。他にも、曲中でaespa「Next Level」の振り付けを真似したり、カメラに向かってギャルピースをしたりと、お茶目な姿で観客を喜ばせた。

 Red Velvetは、今年4月にリリースされた日本1stアルバム『Bloom』から「WILDSIDE」を世界初パフォーマンス。その後、センターステージの奥からSUPER JUNIORのイェソンが登場すると、スタンドマイクを握りしめながらONE OK ROCKの「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」を熱唱。パワフルなその姿に、曲終わりには割れんばかりの拍手が巻き起こった。

 インタールードムービーを終えると、満を持してNCT 127が登場。日本語曲「gimme gimme」と、2021年にリリース、アメリカでもヒットを記録した「Sticker」を披露した。途中のMCでは、ユウタが「先月も(東京ドームで)僕たちは単独コンサートをやらせてもらったんですけど、こんなにも早く、SMの先輩方とこのようなステージに立てて嬉しく思っています」と語り、会場が大盛り上がりする一幕も。

 暗転した会場に、突如<ねえ、あんたわかっちゃいない>と闇を切り裂くような歌声が響くと、東方神起のチャンミン、SUPER JUNIORのキュヒョン、SHINeeのミンホが登場。「ギュライン」と呼ばれファンからも愛される仲良し3人組で、Adoの「阿修羅ちゃん」カバーを披露した。まさかのトロッコまで登場して会場中を駆け回る3人に、会場は大盛り上がり。そのノリに応えるように、ラストサビでは全員でヘッドバンキングをしたり、“バブリーダンス”の振り付けの一部を取り入れたりと、テンションの高いパフォーマンスに笑顔があふれた。

 NCTのショウタロウとソンチャンは、今回の【SMTOWN】が記念すべき日本での初パフォーマンスに。7月に公開されたばかりのSM ROOKIES(公開練習生)3人とともに、抜群にキレのあるダンスパフォーマンスを繰り広げた。続いて、NCTのテヨン、ジェノ、ヘンドリー、ヤンヤンに、aespaのジゼルという若手グループのメインラッパーが集結したユニット・SM Rap Unitの「ZOO」では、それぞれ個性たっぷりに重いビートを乗りこなす5人の姿に、観客も身体を揺らして盛り上がった。

 続いて登場したのは、今回の出演者でいちばんのベテランである、“K-POPアイドル第1世代”元H.O.T.のカンタ。9月7日にリリースされる17年ぶりのアルバムから、タイトル曲「Eyes On You」をしっとりと歌い上げた。

 また、先月8月に約5年ぶりの“完全体”カムバックを果たした少女時代からは、リーダーでメインボーカルのテヨンと、メインダンサー&メインラッパーのヒョヨンが参加。テヨンは「INVU」を力強くしなやかに歌唱し、ヒョヨンは激しいヒップホップナンバー「DEEP」で、“ダンシングクイーン”とまで称されるダンススキルの高さを見せつけた。MCでは「SMTOWNが東京でも開催されると聞いたときは本当に嬉しかったし、みなさんに会えることにワクワクしました!」と、久しぶりの日本のファンとの交流に喜ぶ姿を見せた。

 「阿修羅ちゃん」ではお茶目な姿で会場を盛り上げていたSHINee・ミンホは、打って変わって囁くような歌声で「Heartbreak」をセクシーにパフォーマンス。その後のSHINee3人のMCでは、キーが「SHINeeの末っ子」との嘘の自己紹介につっこまれ「一回くらいは年下になりたい……」とこぼしたり、オンユが「今日はたぶん21時くらいに終わるから、早くしなきゃ」と言いだし「そんなこと言う!?」とふたりにつっこまれたりなど、パフォーマンス中のクールな姿とは一転し、終始笑いを誘うユーモアをみせる。最後は「来年もできれば、SHINeeでもここ(東京ドーム)で歌うことができるようにがんばります!」と、両手を拝むように合わせ、愛嬌たっぷりに今後の希望を語った。

 EXOのメインダンサー・カイは、「Peaches」でそのダンススキルを存分に見せつけた。緩急とキレのあるダンスの合間に、余裕たっぷりの微笑みを見せるところがなんとも色っぽい。続いて、自動制御のライトで会場が赤く染まってステージから炎が上がると、EXOのシウミンが登場し、EXO-CBXの日本語曲「Shake」を披露。会場のハードな雰囲気に負けないパワフルなパフォーマンスを見せながら、鋭く客席を見つめる視線がクールだった。曲が終わると、EXO4人が勢揃いでMCを披露。カイは「みなさんとの3日間の思い出を胸に刻みました!」と宣言し、本当に刻まれているかシウミンがカイの胸元を覗き込んで確認する一幕も。また、「今回来れなかったEXOのメンバーも、みんな(日本のファンに)会いたがっています」「もう少しだけ待ってくだされば、完全体で、そして完璧に、音楽とステージをもって戻ってきます! もう少し待ってください!」と、近い将来、メンバー全員での再会を約束した。

 10代から同事務所の顔として活躍するBoAは、日本デビュー20周年を記念したアルバムから表題曲「The Greatest」を歌唱。激しくエレガントなダンスをしつつ、ぶれずにどこまでも伸びていくハイトーンは、まさに”女王”と表現したくなる気高さがあふれていた。曲が終わると、日本デビュー20周年について「すごく長い間、みなさんに応援してもらってるんだなぁと思って。幸せです!」と語り、観客からは大きな拍手が起こった。

 <Sorry Sorry>と、代表曲「SORRY, SORRY (Korean version)」の耳に残るリフレインとともにSUPER JUNIORが登場すると、会場のボルテージが一気に上がる。そのままなだれ込むように「Bonamana (Korean version)」に入ると、どの後輩グループよりも花道を駆け回って観客を煽り、事務所屈指の盛り上げ隊長としての貫禄を見せた。ひと息つき、静かな会場にメンバーの息を切らす音が響くさまに思わず笑いが起こると、イトゥクが「みなさんの貴重な有給休暇、使ってきましたよね!?」と、独特の表現で、平日にもかかわらずドームいっぱいに集まった観客へ感謝を述べる。そしてこの楽しい雰囲気のまま、日本1stアルバムから「★BAMBINA★」を披露。直前にあったウニョクによる振り付け指導のおかげか、サビでは多くの観客がSUPER JUNIORと一緒に踊って楽しんだ。

 NCTから楽曲ごとに選抜されるユニット・NCT Uのティザームービーがモニターに映し出されると、会場の熱気がさらにもう一段階上がる。まずは、ドヨン、ジョンウ、マーク、シャオジュン、ジェノ、ヘチャン、ジェミン、ヤンヤン、ショウタロウの9名で「Universe (Let's Play Ball)」を披露すると、続いて今回出演のNCTメンバー全員=NCT 2020で「RESONANCE」を日本初パフォーマンス。21人という超大人数で、センターを何度も入れ替える複雑なフォーメーションながらも、一糸乱れぬ群舞に目を離せない。グループ内でも特に歌唱力を誇るテイルとドヨンのハーモニーには息をのんだ。

 会場が興奮に包まれているなか登場したのは、BoA、少女時代のテヨン&ヒョヨン、Red Velvetのスルギ&ウェンディ、aespaのカリナ&ウィンターからなる“最強ガールズグループ”GOT the beatだ。これまでの各自のステージでみせた美しい高音ボイスが、このユニットでは分厚く重なり、突き刺すような力強さが感じられる。精緻な音程取りができる、この7人の圧倒的な歌唱力をもってしての「Step Back」のパフォーマンスには、音源を軽く超えてくる迫力があった。

 東方神起・チャンミンは、「Devil」と、日本初披露の「Fever」のソロ2曲を披露。突き抜けるような高音をはじめ圧倒的な歌唱力と、手足の先までピンと美しい身のこなしは、アイドルのステージというよりミュージカル作品を観ているかのようだ。MCでは、新型コロナウイルス感染で今回欠席となってしまった相方・ユンホの話題を振って「次回は絶対、東方神起のライブとしてみなさんに会いに行きますので、よろしくお願いします!」と語り、客席からは期待をこめた拍手が巻き起こった。

 SHINee・キーの、この公演翌日(8月30日)にリリースされた新曲「Gasoline」のゴージャスなパフォーマンスのあとは、NCTテヨン&テンによる「Baby Don’t Stop」がスタート。直前に急遽追加されたというサプライズもあり、観客は大興奮。度々ふたりで笑いあったり、テヨンの肩にテンがひじを置いてもたれかかったりと、近い距離で楽しそうにパフォーマンスする姿に、ファンは喜びを隠しきれないようだった。ここからたたみ掛けるように、NCT DREAMはオフラインでは日本初披露の「Glitch Mode」、aespaはスクールガール風衣装をまとい「Girls」、Red Velvetはジョイのはじける笑顔が印象的だった「Feel My Rhythm」、WayVはシャオジュンの超ハイトーンが冴え渡る「Nectar」と、各グループのキラーチューンを続けて披露。極め付けに、NCT 127が「英雄; Kick It」をパフォーマンスすると、会場はこの日いちばんの熱狂の渦に包みこまれた。

 先の楽しいパフォーマンスとは一転、SUPER JUNIORが「Black Suit」をクールに決めると、ラストは「Hope from KWANGYA」を全員で歌唱。トロッコも登場し、出演者がステージいっぱいに広がって観客に笑顔を振りまく姿はもはや圧巻のひとことに尽きる。最後の挨拶では、総勢54名が花道にずらりと並び、手をつないで深々とお辞儀。トータル42曲、3時間以上にわたるライブの幕を下ろした。

Text by Maiko Murata

◎公演情報
【SMTOWN LIVE 2022 : SMCU EXPRESS@TOKYO】
2022年8月27日(土)、8月28日(日)、8月29日(月)
東京・東京ドーム

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