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2022/08/25

<ライブレポート>2PMジュノが約4年ぶりに来日、忘れられない真夏の夜を届ける

 2PMのジュノが、2022年8月20日と21日に東京・日本武道館でファンコンサート【JUNHO (From 2PM) FAN-CON -Before Midnight-】を開催した。本レポートでは、日韓ソロコンサートの通算100回公演という記念すべき回になった2日目の模様をお伝えする。

 2021年に韓国と日本で2PMのカムバック、そして主演ドラマ『赤い袖先』の好演と、歌手・俳優として日々話題をさらっているジュノの待望の来日ということもあり、会場には空席が見当たらないほど多くの観客が駆け付け(2日間で約18,000人動員、全席ソールドアウト)、オンライン配信と全国の映画館でライブ・ビューイングも実施し、変わらぬ人気を証明した。

 クラッパーによる“イ・ジュ・ノ”の三拍子が会場内に響き、開演時間が刻一刻と迫ると、会場にいる全員の感情の高まりと比例して、クラッパーも加速していく。そして、空や木漏れ日といったイメージと、時折フィルムカメラがカシャっと音を立てながら虫の音が流れ出す。眠りについていたジュノが目を覚まし、3年8か月ぶりに日本に戻ってきたジュノと過ごす真夏の一夜がスタートする。

 彼の登場を待ち望んでいたHottest(ファンの愛称)たちは、スポットライトとスモークと共に姿を現したジュノにクラッパーで“おかえり”を送り、ジュノも両手を使って“もっと”を要求。そうした掛け合いから、彼とファンが築いてきた関係性をすぐに感じ取ることができた。

 タイトルでもある“Before Midnight”は「ジュノとHottestが一緒に過ごすロマンチックな夏の夜」を過ごす時間帯で、夕暮れから真夜中を一緒に過ごしながら、ジュノが何を考え、離れていた間に成長した彼の現在のムード、そして今後どんな姿を見せていくのかを感じ取ってもらうことをコンセプトにしている。途中のインタビュー映像でジュノは、ファンミーティングとコンサートを合わせたファンコン(FAN-CON)のため、どういう構成にすべきか悩み、最初の3曲で「確実に没入させる・夢中にさせる」ことを念頭に、セットリスト決めに一番時間を費やしたとも告白していた。

 熟考の末に、スタートナンバーに選ばれたのは「FLASHLIGHT」。ダンスはせず、ヴォーカルだけでオーディエンスの視線を集めた。閃光のように一瞬で終わりを迎えた儚い恋を歌う曲で、ファルセットが美しい2曲目の「Instant love」(“熱く燃えてすぐに冷める”恋愛)と共通する部分もあることから、よく考えられた流れである。バックの映像は色鮮やかではあるが空虚なムードを見せ、「Instant love」のダンスプレイクではジュノのダンスとシンクロするような映像とライトなど、緻密な演出が目を引いた。そして3曲目に選んだ韓国語曲の「Nobody Else」では、高ぶる感情を表現するように赤いライティングが会場を包み、バンドの音色に合わせて、こちらも自然と体が揺れた。頭3曲で観客のハートを掴んだことは確かだ。

 「【Before Midnight】にお越しの皆さん、ようこそ。お久しぶりです。2PMのジュノ、俳優のジュノ、皆さんのジュノです。この瞬間を待っていました。皆さんも同じ気持ちだと思います。僕と今日一日、最高の夏の夜にしましょう。」とジュノが挨拶すると、声が出せない分、オーディエンスはクラッパーで返答して、彼を笑顔にした。
 
 時間の流れを楽しむこの日のステージは、黄昏を感じる「Canvas」と「Fire」へ。夕陽が映る水面にメロディと甘い歌声が溶けていく感覚が心地よい時間だ。

 そして、ここから“ファン”の時間に突入。毎年夏に日本で活動していたことから、イ・ナツという別名を持つジュノらしく、夏にまつわるキーワードでトークが展開した。ファンが選んだ“夏の出張”で出張(滞在)スケジュールをシェアするジュノは、日本でやりたかったことが「皆さんに会うこと」だったため、滞在中の望みは叶ったこと、そして一日のうち、喉のケアと体力作りとファンのことを考える時間でいっぱいと話し、Hottestを喜ばせた。

 そして、日本で撮ったアイスクリームの写真とともに思い出を振り返り、夏の夜のドライブ中に聞く曲として、ハリー・スタイルズの全米No.1ソング「Watermelon Sugar」と昨今ミュージック・ビデオの再生数が激増した2PMの代表曲「My House」を披露。リラックスしたアレンジとともに、夏の夕暮れは終わりを告げた。

 映像に切り替わり、ジュノが森の小道を抜けると緑が広がる開いたエリアが登場。気持ちよさそうな風がジュノの髪をなびかせ、満点の星空の下、ジュノが指を鳴らした瞬間、花火があがり、ステージにも実際にスパークが飛んだ。

 夜の時間は、愛を誓う「Darling」でスタート。そしてデビュー曲「キミの声」では右手を耳元に近づけたり投げキッスしたりと、この曲を象徴するダンスムーブを届ける。<でも会えない時間が 想いを育てるんだ>という歌詞通り、ジュノとHottestが温めてきた想いが開花した瞬間だった。「SO GOOD」「Ice Cream」とポップなダンスナンバーが続き、まさに体力と喉のケアがあってこそのキレのあるダンスと揺るがない歌声を披露した。

 この日に限らず、デビューしてからコロナ禍で会えなかった間も、ジュノから幸せをもらってきたHottestたち。ジュノもまた、感謝しきれないほどの応援と愛をHottestから日々受け取っているようだ。「今回のFAN-CONをソールドアウトできたのは僕の力ではなく、皆さんのたくさんの愛のおかげです。すごく感動して、(気持ちを伝えるために)準備した曲があります。」と、会場そして全国にいるHottestに「Like a star」を届ける。続く「Believe」では、どんな状況であってもファンと自分を信じて進んできたジュノの姿が重なった。

 序盤でムーディーな姿と淡い夕暮れ、中盤で爽やかな夜を見せたジュノが、最後のステージとなる真夜中で少し危険なジュノに変身するためにジャケットを脱ぐと、会場の期待もクラッパーの大きさも一段と高まった(タイトな衣装に本人は少し照れていた)。「危険な僕を感じてください。」と期待を煽り、「INSANE」へ。恋人の裏切りに対する怒りと絶望を表すロックサウンドに強気のライティングが印象的だった。

 「Pressure」では目隠しを付け、チェーンに繋がれたジュノが登場。プレッシャーに雁字搦めになり、ストレスと化したダンサーに鎖の鞭を打たれるジュノだが、中盤でその鎖を外し、ダンサーたちを跳ねのけ、最後はプレッシャーをも自分のものにし、コントロールする――表現者としての彼のライフストーリーが一曲に凝縮されていた。そして激しいダンスとバンドメンバーの演奏がいいスパイスとなったハードなナンバー「All Day」で、真夏の夜は幕を閉じた。

 ツアーTシャツに着替えて登場したジュノは「SAY YES」でステージの隅々まで歩き、シャウトで熱気を取り戻す。忘れられない一夜となったこの日を一緒に作ったバンドとダンサー、Hottestにジュノが拍手を送り、最後に「頑張った僕にも」と拍手をおねだり。ここで終わりに思えたが、素敵なサプライズが残っていた。Hottestたちのおかえりメッセージがスクリーンに映り、「会いたかったよ!」というムービーに涙を浮かべるジュノ。そして客席を振り返るジュノの前には「帰ってきてくれてありがとう」というスローガンで埋め尽くされた光景が広がる。声を詰まらせながら「皆さんの声が聞こえないのは、ちょっとだけ残念でしたけど、映像の中で皆さんの声を聞くことができて、『ああ、戻ってきたんだな』と(実感しました)。」と伝えたところで、通算100回目のソロコンサートを記念したムービーが流れ、ひまわりとペンギンのペンペンが飾られた特製ケーキも登場し、Wサプライズでジュノをお祝いした。

 2日間とこれまでの感謝の気持ちを込めて、ジュノがラストに用意したのは「Next to you」。演奏後に約3分間の鳴りやまないクラッパーを浴びたジュノは「また会えることを約束します。今日は本当にありがとうございました。僕もステージ上で皆さんのことを待っていたので、僕も皆さんに『おかえり』って言いたいです。2PMのジュノ、俳優のジュノ、皆さんのジュノでした。」と最後の挨拶をし、たくさんの指ハートを送って、ステージを後にした。約3時間に及ぶジュノの初のFAN-CONは、感謝と愛とときめきに溢れた、誰も忘れられない夏の思い出になった。


Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎

◎セットリスト
【JUNHO (From 2PM) FAN-CON -Before Midnight-】
※2022年8月21日(日)公演
1. FLASHLIGHT
2. Instant love
3. Nobody Else
4. Canvas
5. Fire
6. Darling
7. キミの声
8. SO GOOD
9. Ice Cream
10. Like a star
11. Believe
12. INSANE
13. Pressure
14. All Day
15. SAY YES
16. Next to you

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