2022/08/16
ビヨンセの「ブレイク・マイ・ソウル」が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週、登場6週目で1位に到達した「ブレイク・マイ・ソウル」は、エアプレイが7%増加の6,520万回、セールスは174%増加の36,000(2週目のSales Gainer)にそれぞれ上昇し、エアプレイ・チャートでは4位から3位にTOP3入りを、デジタル・ソング・セールス・チャートでは5位から2位に再浮上した。
今週セールスが急増したのは、8月5日にリリースしたマドンナとのコラボレーション・リミックス「The Queens Remix」の反響によるものと、先週の集計期間中(8月3日)に発表した6つのリミックスによるリリース効果も相まっている。
そのリミックスの反響もあり、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとR&Bソング・チャートでも2週目の首位を獲得し、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは初登場から7週目をキープした。
一方、ストリーミング・ソング・チャートでは前週から23%減少の1,450万回に下降し、3位から7位に順位を下げた。また、同曲が収録された新作『ルネッサンス』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位から3位にダウンしている。
続いて2位は、先週3位にダウンしたハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が再浮上。今年のソング・オブ・ザ・サマーでは11週目の首位をキープした。先週2位だったリゾの「アバウト・ダム・タイム」は入れ替わり3位にダウンしたが、エアプレイ・チャートでは6週目の首位を獲得している(8,850万回 / 4%減少)。
4位は、先週に続きケイト・ブッシュの「神秘の丘/Running Up That Hill (A Deal With God)」(1985年)が同位にランクインして、ロック・ソング・チャート、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでは各10週目の首位をキープした。
続いて今週5位には、ドレイクとリル・ベイビーをゲストに迎えたDJキャレドの新曲「ステイング・アライブ」が初登場し、ドレイクは59曲目、リル・ベイビーは10曲目、 DJキャレドは7曲目のTOP10入りをそれぞれ果たした。なお、そのうち4曲がDJキャレドとドレイクのコラボレーション、4曲がドレイクとリル・ベイビーのコラボレーションで、それぞれの相性の良さが伺える。
ドレイクは、TOP10のランクイン総数を2位のマドンナと大きく差をつけて独走中。
59曲 ドレイク
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
31曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
30曲 テイラー・スウィフト
28曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
また、ドレイクはTOP5のランクイン総数を30曲目に更新し、ザ・ビートルズを破って歴代トップに立った。
30曲 ドレイク
29曲 ザ・ビートルズ
28曲 マドンナ
27曲 マライア・キャリー
24曲 ジャネット・ジャクソン
23曲 リアーナ
21曲 エルヴィス・プレスリー
20曲 ジャスティン・ビーバー
20曲 マイケル・ジャクソン
20曲 スティーヴィー・ワンダー
「ステイング・アライブ」の初週記録は、エアプレイが1,010万回、セールスが5,000 、ストリーミングが2,350万回で、セールス・チャートで6位、ストリーミング・チャートでは1位にそれぞれ初登場した。ストリーミング・チャートでの首位獲得は、ドレイクが14曲目、リル・ベイビーが4曲目、DJキャレドは2曲目のタイトルとなる。その他、ラップ・ソング・チャートでも1位を獲得し、ドレイクが26曲目、リル・ベイビーが2曲目、DJキャレドは3曲目にNo.1タイトルを更新した。
なお、同曲にはビージーズのNo.1ヒット「ステイン・アライヴ」(1978年 / 4週)がサンプリングされているが、カバーを含む使用曲としては、1996年に62位、97年に45位まで上昇したN-トランス&ワイクリフ・ジョンによる同名曲を大きく上回り、最高位を更新している。
「ステイン・アライヴ」を制作したのはメンバーのバリー・ギブ、ロビン・ギブ、モーリス・ギブ3兄弟だが、バリーと故ロビンにとっては、2001年12月に最高10位を記録したデスティニーズ・チャイルドのカバー曲「エモーション」以来、約21年ぶりのTOP10入りとなる。この曲は、バリーとロビンが制作し、サマンサ・サングに提供したもので、オリジナルは1978年に最高3位を記録している。一方、故モーリスは3人で制作したビージーズ名義のシングル「ワン」(1989年 / 7位)以来、約33年ぶりのTOP10入りを果たした。
チャートにもどり、先週7位に初のTOP10入りを果たしたスティーブ・レイシーの「バッド・ハビット」は、今週6位に上昇して最高位を更新。7位は、フューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」が先週の5位からダウン、ニッキー・ユーア&デイジーの「サンルーフ」は先週の9位から8位に上昇し、2週連続でAirplay Gainerを獲得した(6,230万回 / 13%増加)。9位は、ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」が先週の6位から順位を下げている。
続いて今週10位には、ベニー・ブランコ、BTSのJIN、JIMIN、V、JUNG KOOK、スヌープ・ドッグによるコラボレーション・シングル「Bad Decisions」がデビュー。 ベニー・ブランコは2019年に最高9位を記録したホールジー&カリードとのコラボ曲「イーストサイド」に続く2曲目、BTS(グループとして)が10曲目、 スヌープ・ドッグは通算12曲目に、それぞれTOP10入りしたタイトルを更新した。なお、韓国のアーティストでTOP10に10曲以上を送り込んだのはBTSが初の快挙。
スヌープ・ドッグは、これで1990年代(2曲)、2000年代(6曲)、2010年代(3曲)、そして同曲で2020年代でもTOP10入りを果たし、マライア・キャリー、ジェイ・Zに次ぐ過去40年間でランクインした3組目のアーティストとなった。なお、ビヨンセも90年代から20年代までの4年代でTOP10入りしているが、90年代はデスティニーズ・チャイルド名義でのランクインだった。
スヌープが最後にTOP10入りしたのは、2012年3月に最高7位を記録したウィズ・カリファとのコラボ曲「ヤング、ワイルド&フリー feat. ブルーノ・マーズ」で、リード曲としては約10年ぶりのランクインとなる。なお、初めてTOP10入りしたのは1994年1月に8位まで上昇した「ホワッツ・マイネーム?」で、最後にランクインしたのは、2014年6月に5位を記録したジェイソン・デルーロの「ウィグル feat. スヌープ・ドッグ」だった。
その「ホワッツ・マイネーム?」が初めてTOP10にランクインした1993年12月25日付から、今週2022年8月20日付までの期間は28年7か月で、ラッパーにカテゴライズされるアーティストでは、ジェイ・Zの24年5か月3週間(1997年3月29日~2021年9月18日付)を上回る最長記録を更新した。
「Bad Decisions」の初週記録は、ストリーミングが1,010万回、エアプレイが310万回、セールスが66,000で、セールス・チャートでは1位に初登場している。同チャートでの首位獲得はベニー・ブランコにとって初のタイトルで、BTSはグループ/デュオ最多の11曲目、スヌープ・ドッグは5曲目にそれぞれ記録を更新した。なお、セールス66,000の内訳、45,000がデジタル・ダウンロード、16,000がCD、5,000がカセットテープだった。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月19日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ブレイク・マイ・ソウル」ビヨンセ
2位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
3位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
4位「神秘の丘」ケイト・ブッシュ
5位「ステイング・アライブ」DJキャレド feat. ドレイク&リル・ベイビー
6位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
7位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
8位「サンルーフ」ニッキー・ユーア&デイジー
9位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
10位「Bad Decisions」ベニー・ブランコ、BTS&スヌープ・ドッグ
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