Billboard JAPAN


NEWS

2022/08/10

<ライブレポート>aespaが初来日、日本1stショーケースはヒット曲満載

 少女時代やSHINee、NCTらが所属する<SMエンターテインメント>の大型新人グループ、aespaが初来日イベント【aespa JAPAN PREMIUM SHOWCASE 2022 ~SYNK~】を8月6日・7日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催した。本レポートでは、2日目の昼公演の様子をお伝えする。

 2020年11月に韓国でデビューし、ネットを通じて、世界中のK-POPファンを魅了してきたaespaの初来日ということもあり、2日間で4公演ながら、チケット争奪戦が繰り広げられた。会場を見渡すと、立見席で参戦するMY(ファンの愛称)もいた。幸運にも彼女たちを生で見る機会を得られたMYたちは、これまでずっとデバイス越しでしか見ていなかった彼女たちの姿をしかと目に焼き付けたことだろう。

 ファンの高まる感情は開演前からすでにマックスに。開場中に流れていた「Forever」に合わせて、来場者全員にプレゼントされたハンドクラッカーが鳴り響いていた。暗転すると、辺り一面は青紫色のライトスティックの海に。ショーケースはオープニング映像から始まり、<Every day, we get better>というコーラスとともに「aenergy」(※「ae」はaとeのラテン合字が正式表記)で4人が満を持して姿を現すと、ハンドクラッカーが一段と大きく鳴り響く。そして、「Black Mamba」に突入すると、すでにこの日の最高潮に達したかのようなどよめきが発生し、赤く燃え上がる裏側の世界へオーディエンスを導いた。

 息を整えた4人は「Be MY ae! こんにちは、aespaです」と日本のMYに挨拶。「私たちが登場したときから、皆さんの熱い応援が伝わってきて、本当にびっくりしました。拍手と客席いっぱいのペンライトの光を見て、やっと日本のファンの皆さんにお会いできたんだなと実感しました」(WINTER)、「この日が来たことが本当に夢のようです。皆さんにお会いするステージですので、私たちもドキドキと緊張で眠れませんでした。日本で初めてのショーケースをこんなに大きな会場で、皆さんと一緒に迎えることができて嬉しいです」(KARINA)、「特別なステージといろんなaespaの姿を見せたくて、一生懸命準備しました。今日は最後まで盛り上がりましょう(照れ笑い)!」(NINGNING)、「皆さんが私たちを待っていてくれた分、私たちも皆さんに会える日をずっとずっと待っていたんです。(皆さんが)思い切り歓声を上げられず悲しいですが、拍手をペンライトで精一杯、応援お願いします」(GISELLE)と、それぞれ韓国語と日本語で気持ちを表現した。

 6月にリリースした初の全英語曲「Life’s Too Short (English Ver.)」では、スタートナンバーよりテンポダウンしながらも、曲が持つ「誰に何を言われても気にせず、自分の道を信じて楽しむ」ことを伝え、華麗な歌声を披露した「Lucid Dream」では雲の中をふわふわと泳いでいるような感覚に陥った。途中、<I don’t know what else to say, MYしか勝たん>というGISELLEからの告白に、会場にいたMY全員がノックアウトされた。

 ここで映像に変わり、aespaたちが“本当の自分とは”に迫る。4人に向ける言葉の刃やカメラのフラッシュを裏で操作するのはSYNKを邪魔するヘビ(Black Mamba)で、SNSでいいところしか出さない計算された完璧なもう一人の自分と本当の自分のどちらを果たして他者は求めるのかという問いに揺れ動くKARINAだったが、4人が迷わないようにリードする蝶の助けによって、自分を失ってはいけないことに気づく。悪の連鎖を断ち切り、自分を取り戻した4人は格段とレベルアップしたような自信を身につけていた。

 そして、彼女たちの第一章の終わりを告げるかのように大ヒット曲「Next Level」がスタート。鳴り響くビートと低音ラップ、そして存在感のあるダンスに合わせて、ライトやクラッカーも自然とSYNKしていた。そして、これまで見せていたクールな一面と180度違うキュートでハッピーな「YEPPI YEPPI」で、ファンの視線を釘付けにした。

 再びトークコーナーに入ると、今回の公演タイトルでもあるSYNKの意味を改めて説明。SYNKは感情や考えを共有できることを指し、「私たちのことを応援してくれている、ここにいる皆さんの気持ちもSYNKしているかのようにちゃんと伝わっていますよ」と話すWINTERの言葉通り、aespaはこの日に何度もMYたちとSYNKする瞬間を作っていた。

 7月発表の最新アルバム『Girls』をもって、成長と冒険の第一章が終了したaespaだが、次のシーズンではより成長した違う姿を見せることを約束。最新アルバムの収録曲「Illusion」に進む前に「ちょっと待ってくださ~い」と真っ暗のなか、水を求めてあたふたする4人の姿に会場中が笑顔になった。そして、<Oh my gosh! Don’t you know I’m a savage?>のセリフに会場が再びどよめき、ビートに合わせてレーザービームが揺れた「Savage」でハイライトを作り、「Girls」でショーケースを締めくくった。1時間という短い時間ながら、それ以上のインパクトと喜びを与えてくれたaespa。「夢のような時間だった」と話す彼女たちと同様に、MYたちにとっても忘れられない特別な時間となったことだろう。


Text by Mariko Ikitake
Photos by 上飯坂 一, Naoki Yamashita

◎セットリスト
【aespa JAPAN PREMIUM SHOWCASE 2022 ~SYNK~】
※2022年8月7日(日)昼公演
1. aenergy ※aとeのラテン合字が正式表記
2. Black Mamba
3. Life’s Too Short (English ver.)
4. Lucid Dream
5. Next Level
6. YEPPI YEPPI
7. Illusion
8. Savage
9. Girls

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <インタビュー>YUTA(NCT) ミニアルバム『Depth』に込めたソロアーティストとしての挑戦――「たくさんの経験があったから今がある」

  2. 2

    和楽器バンド、活休前最後のツアーが開幕 10年分の感謝をこめた渾身のステージ

  3. 3

    JO1、ワールドツアー開催を発表「ここから世界に羽ばたいていきます」

  4. 4

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  5. 5

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

HOT IMAGES

注目の画像