2013/04/08
2012年に活動再開、今年3月にベスト盤をリリースしたHermann H. & The Pacemakersが4月6日、東京・恵比寿リキッドルームにて発売記念ワンマンライブを行った。
この日は、バンドの紅一点でありメンバーやファンの間では有名な“雨女”である溝田志穂(Key, Cho)の産休前のラストライブといういこともあり…外は当然、雨(笑)。ライブ中にも“(お腹の子供と)2人分”の力が発揮されたと語られていたが、そんな春の嵐さえ8年ぶりに訪れたこの日を祝福しているかのように思えてくる。
雨の中詰めかけたオーディエンスの期待と熱気がぎゅうぎゅうのフロアに渦巻く中、岡本洋平(Vo. G)の「ロックンロール・シティTOKYOのみなさん、こんばんは。Hermann H. & The Pacemakersです!」という第一声からの必殺チューン「東京湾」で夜の突破口を開くと、立て続けにハイテンションなナンバーを投下していく。平床政治(G)の復帰によりトリプル・ギター体制となったことで、ヘルマンらしい“情熱的に捻くれ曲がった”フレーズ達がより重厚に、攻撃的に奏でられていく。そして、団旗を携えての登場から、踊り、走り、途中退出(休憩?)もありながら“ステージの支配者”と化すウルフは今日もキレキレだっ!
ベスト盤収録ナンバー中心に構成される中で、新曲「mr. memento」も初披露。3本のギターでザクザク刻まれるリズムと80's的アプローチのコーラスが印象的なジャンルレスなナンバーに、岡本が「これが今のオレらだぜ、カッコよかった?」と煽ると、もちろんオーディエンスは大狂乱で答える。とにかく、ステージ上の熱量が凄まじかった、この日のヘルマン。オーディエンスも彼らに食らいつくようにコール&レスポンスをきっちり決めていく。鳴り止まない歓声に後押しされてのWアンコールでは、溝田の産休中にサポートを務める細萱あゆ子(frills, THE BEACHES)にキーボードをスイッチしての「One, Two, Three, Four」。ヘルマンが一番最初に演奏したというこの曲で、溝田はステージ中央でタンバリンを叩き、岡本とウルフは客席へとダイブ、そして溝田が笑顔でドラを打ち鳴らして盛大にフィナーレを飾った。
ファンに向けて幾度となく投げかけられる感謝はもちろん、メンバー復帰後初舞台となった平床に「こっちのおじさん帰ってきました!」という岡本の言葉、そして、その“帰ってきた男”平床がシン・リジィの名曲「The Boys Are Back In Town」を歌ったり…8年という歳月は決して短いものではないが、そんな空白すらポジティヴなエネルギーに変えてしまう勢いが今の彼らにはある。「無能の行方は、こうなりました。」という曲紹介に続いて歌われた「無能の行方」の<まだまだやらかす気ですか この果てなき世界と手を組み>という歌詞が、ライブ後も脳内をループする。変わらない情熱を胸に再び走りだしたヘルマン。いつまでも“久々に再結成したバンド”扱いしてたら、置いて行かれるのは我々のほうかもしれない。
◎ライブ情報
【Hermann H.& The Pacemakers 2013ベスト盤発売記念ワンマンライブ!!!】
2013年4月6日(土)at 恵比寿リキッドルーム
2013年4月12日(金)at Music Club JANUS
【~Hermann H.&The Pacemakers Presents~ 海辺でウルフと踊りましょう vol.1】
2013年5月24日(金)at Club Lizard Yokohama
出演:Czecho No Republic/Hermann H.&The Pacemakers
◎リリース情報
『The Best of Hermann H. & The Pacemakers』
Hermann H. & The Pacemakers
2013/03/06 RELEASE
WPCL-11370 2,800円(tax in.)
More Info:
アーティストオフィシャルHP
http://www.herumaru.com
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