2022/06/15 11:00
現地時間2022年6月14日、3枚組のアンソロジー・アルバム『Proof』をリリースしたばかりのBTSが、各メンバーがソロ活動に専念できるよう無期限の“活動休止”を発表し、A.R.M.Y.に衝撃を与えた。
メンバー7人が冗談を言いながら飲み物を決めたり、一躍脚光を浴びるようになったことを思い返しながら、互いをからかい合う1時間に及ぶFESTAディナー開始から20分後頃に、今回の発表が行われた。
SUGAが、「これから活動を休止します」と突如話すと、急にシリアスなムードになり、「FESTAをやらない理由、コンテンツを作らない理由を話すべきでしょうか?」と続けた。RMが、「その話題に入るべきか?」と問いかけると、SUGAは「そうです、私たちの方向性を話さないといけません」と答えた。SUGAから話を振られ、RMは2013年の結成以来、過密なスケジュールで活動を続けてきたグループの今後について語り始めた。
彼は、「今日こうして集まってコンテンツを撮影していると、BTSで良かったと思います……もしBTSでなかったら、自分はどうしていただろう?」と問いかけた。「一緒にいるだけで幸せなんだと思わせてくれました。世界に向けてメッセージがあったから、私は音楽を始めて、BTSになりました」と続け、2020年のアルバム『MAP OF THE SOUL: 7』に収録されたシングル「ON」のリリース後、どうするべきかわからなかったと付け加えた。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによってすべてが停止し、BTSが米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得した「Dynamite」、「Butter」、「Permission to Dance」、「Life Goes On」など新曲のレコーディングに集中した際、RMは“グループが確実に変わった”と実感したようだ。
他のメンバーがお祝いのディナーの序盤よりも明らかに真剣な顔で見守る中、RMは、「自分たちが変わったことを受け入れなければならない」と述べた。「私にとって、BTSというグループは、“ON”と“Dynamite”まで自分の手の届くところにあったのですが、“Butter”と“Permission to Dance”以降は、どんなグループかわからなくなりました」と彼は述べた。作詞や作曲をする時は、伝えたいストーリーとメッセージがとても大事だと彼は言うが、「それが今ではなくなってしまったような感じです。今は自分がどのようなストーリーを語ればいいのかわからないのです」と続けた。
27歳のRMは、BTSは他のグループと違う存在だと常に感じていたそうで、K-POPやアイドルというシステムの“問題”は、「成熟する時間を与えてくれないこと。音楽制作を続け、何かをやり続けなければならない」ことだと語った。彼は朝起きてメイクをしてもらいながら、成長するための時間がないように感じたことを振り返った。
「音楽や仕事だけのことではないんです」と彼は付け加え、この10年間で“人として”変化したことも指摘した。「一人で考え、一人の時間を持つことで、その考えが自分らしいものに成熟していくのです……私は物理的にこれ以上成熟できません」と述べた。RMは、もっと世の中に貢献するべきだと現在感じているが、それが何なのかよくわからず、自分が誰なのか、そしてBTSがどうあって欲しいのかを見極める時間が必要だと説明した。
眉をひそめながら、彼は「どういうわけか、ラップ・マシーンになり、音楽をリメイクし、グループのために英語を話すことが私の仕事になりました」と述べた。他のメンバーの一流のパフォーマンス能力を称賛する一方で、RMは「自分の中に閉じこもっている」と感じたようだ。彼はそのマントを脱いで本当の自分を見せたいと思い続けていたが、そのことについて考える時間を先延ばしにしていたそうだ。そしてメンバーが“さらに疲労”する中、BTSはより多くの作品を発表し続けた。
彼は、BTSのメンバーと共にダンスやリハーサルをすることは楽しみであり、再結成する際には素晴らしいパフォーマンスを披露すると約束した。「しかし、今は方向性を失っているので、少し考える時間を取りたいです」と語った。
もちろん、各メンバーはA.R.M.Y.のことを一番に考えており、26歳のJIMINは「何があってもファンのことを考えずにはいられないです。私たちは、ファンの記憶に残るようなアーティストでありたい。今は、それぞれがどんなアーティストとしてファンの記憶に残っていたいかを考え始めている時だと思います。それが、私たちが現在難局をくぐり抜けている理由なんだと思います。自分たちのアイデンティティーを見つけようとしていて、それは極度に疲れる長いプロセスなんです。ファンは私たちを知っているし、私たちは私たちを知っています」と述べた。
29歳のSUGAは、最近“最も難しいこと”は歌詞を書くことだと指摘し、「何か伝えたいことが必要です……無理強いはできない。本当に感じていることを話さなければならないのですが、今は人々の欲求やリスナーを満足させなければならないので、ただそれを絞り出しているだけです……それはとても苦しいことです」と語った。彼の一番大切にしてきた望みは、ヒップホップ以外の“様々なジャンル”に挑戦することだった。なぜなら、もし彼のソロのショーがあったとしても、2時間ずっとラップをするのでは「つまらない……とてもつまらない」と話した。本音を言えば、もっとうまく踊れるようになりたいそうで、「ブルーノ・マーズのように自由に踊って格好良くなりたい」そうだ。
28歳のJ-HOPEは、すでにソロ活動に着手していることを明かしながらも、これがグループの終わりを告げるものではないという希望をA.R.M.Y.に与えた。「今、私たちには変化が必要だと思います」と彼は述べ、「BTSにとって、第二章を開始することが重要です」と続けた。
そこで、RMが個々のミックステープがより正式なアルバムのように扱われることを発表した。グループが“個々の色を見せ始める”中で、J-HOPEが正式にソロ活動を行う最初のメンバーとなる。
今回公開された動画の冒頭には、「台本はありません!演出も一切ありません!すべてARMYの、ARMYによる、ARMYのためのBTSの誠意です」と記載されていた。
BTSの広報担当者は、米ビルボードへの声明の中で、「明確にしておくと、活動中止ではなく、現時点ではいくつかのソロ・プロジェクトを探求するために時間を取り、様々な異なるフォーマットで活動を続ける予定です」と彼らの休止に関して明らかにした。
2019年に入り、グループはスポットライトから1か月間の休息を取ったが、代理人は当時、「デビュー以来、目標に向かって執拗に自分を追い込んできたBTSのメンバーが充電し、ミュージシャンやクリエイターとして新たな姿を示す準備をする機会」と説明していた。
また、彼らは2021年末に“長期休暇”を取ったが、彼らのマネジメント会社が声明で述べたように、「再びインスピレーションを得て、クリエイティブなエネルギーを充電するため」のものだった。これまでにメンバー全員がソロ・プロジェクトをリリースしており、今回の動画で7人ともソロ・プロジェクトをレコーディング中であると述べていた。そして来月の【ロラパルーザ】でのソロ・パフォーマンスが決定しているJ-HOPEが、ソロ活動を行う最初のメンバーになるようだ。
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