2022/06/10
2022年上半期Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、優里の「ベテルギウス」が首位を獲得した。
2021年11月4日にリリースされた「ベテルギウス」は、10月14日に放送開始されたドラマ『SUPER RICH』の主題歌。優里にとって初となる地上波ドラマの主題歌で、ドラマ初回放送の前日となる10月13日には<THE FIRST TAKE>のパフォーマンス映像が公開されるなど、楽曲の配信前から話題性を高めていたこともあり、チャートイン初週の11月10日公開分で22位、翌週の11月17日公開分では最初の1週間フル集計を迎えて1位にジャンプアップした。通算首位獲得回数は5回で、上半期の累計再生回数は195,552,223回を記録している。
続く2位はAimer「残響散歌」で、上半期の累計再生回数は189,177,412回を記録し、1位とは約600万回の小差となった。テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編オープニングテーマの同曲は、12月5日にアニメ放送開始、翌日6日に楽曲の先行配信がスタートし、12月15日公開分で初登場首位を獲得、通算首位獲得回数は6回となっている。
人気アニメ作品とのタイアップによるヒットは今年も定石で、King Gnuは『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌「一途」が6位、同エンディングテーマの「逆夢」が8位に入り、2曲をトップ10内に送り込んだ。事前にアナウンスされていた「一途」に続き、映画公開日にサプライズで発表された「逆夢」の起用、そして楽曲配信の同時解禁といった一連の流れは、タイアップのシナジーを最大化させる巧みなプロモーションだったと言えるだろう。
新世代バンドの台頭も目覚ましい。2020年11月にトイズファクトリーからメジャー・デビューしたマカロニえんぴつは、2022年1月にリリースしたメジャー1stフルアルバム『ハッピーエンドへの期待は』の収録曲「なんでもないよ、」が3位に。TikTokの企画『#秋の歌うま』のアンバサダーに起用されたことも後押しして、SNS上では「なんでもないよ、」のカバー動画も多く投稿され、そこから音楽番組でのパフォーマンス披露なども経て、着実にリスナー層を開拓したことが窺える。
また、6月に日本武道館2days公演を控えるSaucy Dogは、2021年8月にリリースしたミニアルバム『レイジ―サンデー』に収録の「シンデレラボーイ」が4位となった。イラストレーターのますだみくが手掛けたミュージック・ビデオが徐々に話題となり、10月頃から右肩上がりにチャートを上昇。1月には『ミュージックステーション』への出演も果たし、2月2日公開分で8位に入り、自身初のトップ10入りを達成した。
コロナ禍以前はフェスと連動したストリーミング・ヒットも多く見られたが、SNS上のバイラルを起点にヒットした若手バンドが、今年のフェス復活の夏を経て、どんなチャート・アクションを見せていくか。このあたりは下半期の注目トピックかもしれない。
Text by Takuto Ueda
◎【2022年上半期Billboard JAPAN Streaming Songs】トップ10
1位「ベテルギウス」優里(195,552,223回再生)
2位「残響散歌」Aimer(189,177,412回再生)
3位「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ(177,160,767回再生)
4位「シンデレラボーイ」Saucy Dog(154,669,774回再生)
5位「ドライフラワー」優里(151,075,517回再生)
6位「一途」King Gnu(148,664,724回再生)
7位「水平線」back number(145,300,468回再生)
8位「逆夢」King Gnu(133,394,767回再生)
9位「Butter」BTS(125,773,205回再生)
10位「W/X/Y」Tani Yuuki(120,337,393回再生)
集計期間:2021年11月29日(月)~2022年5月29日(日)
※()内の数字は集計期間中のストリーミング再生回数となります。
※総合ソング・チャート“HOT 100”のストリーミング指標と動画再生指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、一部サービスにおけるデータを無料ストリーミングと有料ストリーミングで分けて集計し、それぞれ異なる係数を乗じているため、再生回数の合算によるランキングとは異なる場合があります。
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