2022/06/10
2022年上半期Billboard JAPAN作曲家チャート“TOP Composers”で、Ayaseが1位に輝いた。
本チャートは、総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”の中から作曲家にフォーカスしたランキングだ。こちらは2022年上半期Billboard JAPAN作詞家チャート“TOP Lyricists”の1位から7位までの結果が同じとなった。Ayaseは2021年年間Billboard JAPAN作曲家チャート“TOP Composers”でも5冠を達成して首位を獲得している。今回、各指標では、ダウンロード3位、ストリーミング1位、ラジオ14位、ルックアップ85位、Twitter 17位、動画3位、カラオケ6位となった。Ayaseは上半期にYOASOBIの楽曲以外にも、DJ 松永と共に作曲したCreepy Nuts×Ayase×幾田りら「ばかまじめ」でも注目を浴びている。また、東京スカパラダイスオーケストラ「ツバメ feat. ミドリーズ & 長濱ねる & 東京都立片倉高等学校吹奏楽部」、鬼頭明里「怪物」、鈴木雅之「怪物」、星街すいせい「ミスター」など、多くのアーティストにYOASOBIの楽曲がカバーされることがあった。今や日本を代表する作曲家となったAyaseだが、本チャートの総合ポイントは2021年11月29日公開のチャートから緩やかに減少している。下半期はYOASOBIが【FUJI ROCK FESTIVAL'22】や【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022】など多くのフェスに参加することが決定しており、各指標で順位を回復させ、年間も首位をキープするのか楽しみだ。
2021年年間Billboard JAPAN作曲家チャート8位から3位にランクアップした常田大希は、各指標では、CDセールス10位、ダウンロード1位、ストリーミング5位、ラジオ4位、ルックアップ4位、Twitter 8位、動画1位、カラオケ12位と全て安定した順位を獲得している。常田大希が作曲した中でも、興行収入137億円を突破し、5か月ほど公開された『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌である「一途」と「逆夢」が総合ソング・チャートでそれぞれ3位と6位となり、ロングヒットを記録した。2曲が世間に広まるまでの流れを見ていくと、2021年12月10日に「一途」の先行配信とミュージック・ビデオ公開、12月24日にサプライズで「逆夢」の先行配信と映画公開、12月29日に両作品収録のCDシングル発売、そして1月5日に「逆夢」ミュージック・ビデオが公開された。さらに音楽番組に出演など、映画に沿った段階的なプロモーションを施行して話題に。「一途」はアッパーなロックに対して、「逆夢」はミドルバラードとなっており、相反する楽曲で作品に色彩を加えたことも支持された理由だろう。そういったこともあり、上半期でピークを迎えた2022年1月5日公開のチャートでは総合ポイントが前週から1.8倍となっている。また、映画がヒットしている中、発表された最新曲「カメレオン」(総合18位)も大きくポイントを稼いだ。ほとんどの指標で安定の順位を獲得した常田大希。下半期は現在毎週10位前後を獲得しているカラオケが鍵になりそうだ。
上半期で大きく躍進を見せたのが8位のSaucy Dogだ。2021年年間Billboard JAPAN作曲家チャートでは69位を獲得していた。情熱的なバンドサウンドが魅力的で、総合ソング・チャートでは「シンデレラボーイ」が7位、「いつか」が52位にチャートイン。本チャートの集計期間内に大きくポイントを増加させる瞬間が数回あり、ここではそのうち特に激しく動いた2週を取り上げる。まず1つ目は前週から1.3倍のポイントを稼ぎ、大きく流れが変わった2021年2月23日公開のチャート。1月中旬に『ミュージックステーション』で「シンデレラボーイ」が披露され、YouTubeやTikTokでカバー動画が増加していった時期でもある。そして、YouTuber・スカイピースの動画に出演したことも後押しとなって、実際にTwitterは前週から1.8倍のポイントを獲得。さらに「いつか」「結」「シンデレラボーイ」「あぁ、もう。」などのポイントも一気に底上げしている。2つ目は前週から1.2倍のポイントを稼いだ4月6日公開のチャート。最新曲「魔法にかけられて」のリリースに加えてメディア露出が増加し、「優しさに溢れた世界で」「君ト餃子」などタイアップソングも生まれていった時期だ。7月はミニアルバム『サニーボトル』のリリースやワンマンライブの開催、フェス出演など、エネルギッシュに活動するSaucy Dog。下半期もこの勢いでどう走り抜けていくのか大いに注目したい。
そして、本チャート64位、CDセールス1位となったのは松隈ケンタだ。2021年末に発表された、WACK所属グループに柏木由紀が参加するプロジェクト「柏木由紀なりのWACK」の楽曲を全て手掛けており、2021年12月8日公開のチャートで自己最高ポイントを獲得。その後は、2021年12月24日に突如解散を発表したBiSHの12か月連続リリースでポイントを稼いだ。現在BiSHに注目も集まっており、リリースタイミングで獲得するポイントは、前年と比較しても全体的に上がっている。
Text by Tatsuya Tanami
◎【2022年上半期Billboard JAPAN TOP Composers】トップ10
1位 Ayase(YOASOBI「群青」「夜に駆ける」「怪物」)
2位 優里(優里「ベテルギウス」「ドライフラワー」「シャッター」)
3位 常田大希(King Gnu「一途」「逆夢」「カメレオン」)
4位 藤原聡(Official髭男dism「Cry Baby」「ミックスナッツ」「Pretender」)
5位 Vaundy(Vaundy「踊り子」「怪獣の花唄」、milet & Aimer & 幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」)
6位 あいみょん(あいみょん「ハート」「マリーゴールド」、DISH//「猫」)
7位 清水依与吏(back number「水平線」「クリスマスソング」「高嶺の花子さん」)
8位 Saucy Dog(Saucy Dog「シンデレラボーイ」「いつか」「あぁ、もう。」)
9位 米津玄師(米津玄師「POP SONG」「M八七」「Lemon」)
10位 飛内将大(Aimer「残響散歌」「コイワズライ」「ONE AND LAST」)
集計期間:2021年11月29日(月)~2022年5月29日(日)
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