2022/06/01
ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が4週ぶりに返り咲き、通算4週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
4月16日付で1位に初登場した「アズ・イット・ワズ」は、4月30日、5月7日付で3週首位を記録した後、5月14日から28日付までの3週間2位をキープして、今週1位に復帰した。前週から5%増加の7,370万回を記録して、エアプレイ・チャートとポップ・エアプレイ・チャートではそれぞれ3週目の首位をキープしている。
同曲を収録した新作『ハリーズ・ハウス』が集計期間初日の5月20日にリリースされたことで、再生数が前週から58%増加の3,560万回に跳ね上がり、ストリーミング・ソング・チャートでも10位から1位に上昇。初登場した4月16日付以来7週ぶり、2週目の首位を獲得した。週間再生数も、初週の4,380万回に次ぐ2番目に高い記録を打ち出している。
その『ハリーズ・ハウス』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で今年最大の週間ユニット521,500を記録して1位に初登場した。ワン・ダイレクションの作品を除くソロとしてのアルバムは、デビュー作『ハリー・スタイルズ』(2017年)、2nd『ファイン・ライン』(2019年)、そして本作の3作すべてが首位を獲得している。
『ハリーズ・ハウス』のリリース効果を受け、今週は4位に「レイト・ナイト・トーキング」、8位に「ミュージック・フォー・ア・スシ・レストラン」、9位に「マチルダ」が初登場し、「アズ・イット・ワズ」を含む4曲がTOP10にランクインした。イギリス出身のアーティストでは、1964年にザ・ビートルズがTOP5を2週連続で独占するという大記録を達成しているが、ソロ・アーティストとして同じ週に4曲以上をTOP10入りさせたのは、ハリーが史上初となる。
その他に4曲以上を同時にランクインさせたアーティストは以下の10組で、うち8組はストリーミング・データを集計に加えるようになった2014年以降にその記録を達成している。
9曲 ドレイク
5曲 ジュース・ワールド
5曲 ザ・ビートルズ
4曲 ハリー・スタイルズ
4曲 ケンドリック・ラマー
4曲 バッド・バニー
4曲 フューチャー
4曲 J.コール
4曲 ポスト・マローン
4曲 リル・ウェイン
4曲 T-ペイン
4曲 50セント
アルバムの発売週はストリーミングが急増するため、ここ数年ではシングル・カットをしていない曲も上位にランクインするようになった。昨今はその傾向が強まり、先月は新作の発売週にフューチャー(5月14日)、バッド・バニー(5月21日)、ケンドリック・ラマー(5月28日)がそれぞれ4曲をTOP10入りさせている。
今年初頭から4月9日付までにTOP10にランクインしたのは26曲で、そのうち2022年にリリースしたタイトルはわずか2曲だけだったが、4曲同時ランクインが続いたことで、4月16日付から今週までのわずか8週で20曲の新曲がTOP10にエントリーした。その4組の他には、ジャック・ハーロウ、リゾ、モーガン・ウォレンが2022年にリリースした曲をランクインさせている。
今週3曲がTOP10に初登場したことで、ハリーはTOP10にランクインしたタイトル数を7曲に更新し、ワン・ダイレクションとしての記録をソロで上回った。その3曲の週間再生数は、「レイト・ナイト・トーキング」が2,700万回、「ミュージック・フォー・ア・スシ・レストラン」が2,080万回、「マチルダ」が2,040万回をそれぞれ記録して、ストリーミング・チャートでは3位、4位、5位にそれぞれ初登場した。エアプレイ・チャート(総合)にはまだランクインしていないが、「レイト・ナイト・トーキング」は初週610万回を記録してポップ・エアプレイ・チャートで35位にデビューしている。
「アズ・イット・ワズ」の上昇により、先週1位だったジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」は2位にダウンしたが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、初登場から6週連続で1位をキープしている。エアプレイ・チャートでは、前週から14%増加の6,800万回を記録して3位から2位に最高位を更新。その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerも、6週連続で獲得した。
3位は、先週の4位からフューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」が再浮上。4位に前述の「レイト・ナイト・トーキング」を挟み、5位は先週9位にランクインしていたリゾの「アバウト・ダム・タイム」が上昇し、「トゥルース・ハーツ」(2019年 / 1位)、「グッド・アズ・ヘル」(2019年 / 3位)、「ルーマーズ with カーディ・B」(2021年4位)に続く4曲目のTOP5入りを果たした。
「アバウト・ダム・タイム」は、エアプレイが25%増加の3,530万回に上昇したことで今週大きく順位を上げた。そのほか、R&Bソング・チャートでは2週目の首位を獲得。デジタル・ソング・セールス・チャートでは「トゥルース・ハーツ」、「グッド・アズ・ヘル」に続く3曲目のNo.1に輝いた。
先週TOP10に初登場したケンドリック・ラマーの「N95」、「Die Hard with ブラスト&アマンダ・ライファー」、「Silent Hill with コダック・ブラック」、「United in Grief」が圏外にランクダウンしたことで、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が12位から6位、ラトーの「ビッグ・エナジー」も10位から7位にそれぞれ再浮上した。「ヒート・ウェイヴス」は、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ36週目の首位を獲得している。
10位には、バッド・バニーの「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」が先週の14位から上昇し、初登場した2週前の同位に復帰した。ラテン・ソング・チャートでは2週目の首位をキープしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月3日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
2位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
3位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
4位「レイト・ナイト・トーキング」ハリー・スタイルズ
5位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
6位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
7位「ビッグ・エナジー」ラトー
8位「ミュージック・フォー・ア・スシ・レストラン」ハリー・スタイルズ
9位「マチルダ」ハリー・スタイルズ
10位「Me Porto Bonito」バッド・バニー with チェンチョ・コルレオーネ
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