2013/04/01
10年以上にわたって聴き手の心を震わせ続けている、唯一無二の女性シンガーソングライター 熊木杏里。3月31日 Zepp DiverCity Tokyoにて【熊木杏里 LIVE TOUR 2013 Close to you ~白い足あと~】最終公演を開催した。
<3月最後の日。明日に向かっていけるような時間に>
この日の公演は、ピアノ、バイオリン、ギターの優しい音色に包まれながら“心のまま生きていく”彼女の生き様によって生み出されたメッセージソング「心のまま」からスタート。誰もがその声と音に高い集中力でもって聴き入る、クラシックコンサートのような空間の中で、冬の終わり、春の始まりに弱った心をじんわりと癒していく言葉たちが、次々と投げ掛けられていく。「今日は3月の最後ということで、4月から皆さんの新しい生活とかも始まっていくと思うんですが、そんな良い日に、明日に向かっていけるような時間にしたいと思っています」
<新垣結衣、Tiaraへ提供した曲や武田鉄矢の名曲を>
その後も“あなたの側に 心の側に”という想いが込められたタイトル【Close to you】に相応しい、心の拠り所に成り得る楽曲ばかりを披露。中盤では、新垣結衣に提供した「扉」、Tiaraに提供した「ゆみはりづき」、そして「翼をください」や恩師・武田鉄矢(海援隊)の「贈る言葉」を自らの“語り”でストーリー仕立てにして届け、その幻想的な世界観で聴き手の涙を誘っていた。が、メンバーから“武田鉄矢のモノマネ”をリクエストされ、それを実行したところあまりにも似てなくて、どよめきを誘う場面も。
<いろいろな出逢いとか別れとかあって。その思い出を大切にしたい>
しかし、稀少なアッパーチューンの連続熱唱で再び感動を巻き起こすと、この日2度目の大合唱が。さらには「いろいろな出逢いとか別れとかあって。その思い出を大切にしたいなと思う。皆さんも思い浮かべながら聞いて下さい」と、大人の女性になった彼女ならではの恋歌「恋のあとがき」、まだラブソングを得意としていなかった頃の彼女が“恋について書きたい”と生み出した「ひみつ」を続けて披露する。かつて家にひきもっていた少女が、いつからか恋の歌をうたうようになり、大人の女性になっていった物語……とも受け取れる、この本編最後のブロックは旅立ちの歌「Love letter ~桜~」で幕を閉じた。
<入籍したこと、新たな生命を宿したこと、音楽を続けていくこと>
そして、アンコール。未発表曲「掌」と「春の風」を一語一句大切に大切に歌い上げると、自身が入籍したこと、その体に新たな生命を宿したこと、これからも音楽を続けていくこと。彼女の人生においてこの上なく重要なことを3つ。緊張しながらもしっかりと報告し、最後に「言葉を届けて」「今日になるから」といった、愛する人々の明日へ光照らす曲をエモーショナルに歌い届けた。
なお、熊木杏里は、自身のブログでも「不安もありますが、これからもシンガーソングライターとして歌い続けて行くことを胸に頑張ります」と、自らの未来について明言している。音楽と“生きる”ことを繋ぎ続けてきた彼女が、家族を持ち、母となり、どんな音楽、歌を届けてくれるのか。ぜひ注目してほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ライブ【熊木杏里 LIVE TOUR 2013 Close to you ~白い足あと~】
03月31日(日)Zepp DiverCity Tokyo SET LIST:
01.心のまま
02.春隣
03.流星
04.シグナル
05.誕生日
06.新しい私になって
07.羽
08.扉
09.ゆみはりづき
10.翼をください
11.贈る言葉
12.モウイチド
13.Flag
14.恋のあとがき
15.ひみつ
16.Love letter ~桜~
En1.掌
En2.春の風
En3.言葉を届けて
WEn1.今日になるから
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