2022/05/09
フューチャーの新作『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』は、2020年5月30日付でNo.1デビューを飾った『ハイ・オフ・ライフ』から2年ぶり、9枚目のスタジオ・アルバムで、3rdアルバム『DS2』(2015年)から7作連続、ドレイクとのコラボレーション・アルバム『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』(2015年)を含めると、通算8作目の首位を獲得した。
初動ユニットは222,000で、そのうち214,000がアルバム・ストリーミング(SEA)と全体の9割弱を占めた。初週のストリーミング数は2億8,375万回を記録している。なお、本作は発売日の4月29日に16曲でリリースされ、集計期間途中の5月2日に6曲を追加したデラックス・エディションとして拡張されている。そのほか、アルバム・セールスが6,500、トラックによるユニット(TEA)は1,500を獲得した。
週間ユニット数としては、2021年12月11日付でアデルの『30』が2週目の首位を獲得した際の288,000ユニット以来、約5か月間の最高値で、現時点で今年最大の記録を更新した。R&B/ヒップホップ・アルバムとしては、2021年9月25日付でドレイクの『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』が同2週目の1位を獲得した際の236,000ユニット以来、約7か月間の最高記録で、過去12か月でこの記録を上回ったのは、その『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』が初登場した2021年9月18日付の613,000ユニット、カニエ・ウェスト(イェー)の『Donda』が1位に初登場した2021年9月11日付の309,000ユニット、J.コールの 『The Off-Season』が1位を獲得した2021年5月29日付の282,000ユニットのみ。
また、フューチャーの過去1位を獲得したアルバムの週間ユニットも、前述の『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』を除くと222,000を上回ったことはなく、今週『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』で自己最高記録を更新した。なお『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』は1位に初登場した2015年10月10日付で375,000ユニットを獲得している。
『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』には、ドレイクやカニエ・ウェスト、コダック・ブラック、ガンナなど人気ラッパーがゲストとして参加。2月にリリースした先行シングル「Worst Day」もヒットして、アルバムのプロモーションに繋げている。
続いて2位には、ザ・ウィークエンドの『ドーンFM』が先週の35位からジャンプアップして、2月以来約3か月ぶりのTOP10入りを果たした。今週急上昇したのは、集計期間初日の4月29日にアナログ盤(LP)、カセットテープ、ボックス・セットがリリースされたからで、今週獲得した57,000ユニット(241%増加)のうち、44,000(2,282%増加)がセールス、44,000のうち34,000枚をアナログ盤の売上が占めている。R&Bアルバムにカテゴライズされる作品としては、集計がはじまった1991年以来アナログ盤による最大の週間セールスを更新し、今週のトップ・セールスにも輝いた。一方、アルバム・ストリーミングは13,000(1,772万回)にとどまっている。
先週2位だったモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』 (50,000ユニット / 3%減少)は3位にダウン。続いて4位には、米テキサス州出身の女性カントリー・シンガー=ミランダ・ランバートの新作『Palomino』が初登場し、自身7作目のTOP10入りを果たした。初動ユニットは36,000で、そのうちアルバム・セールスが24,000、アルバム・ストリーミングが11,000(1,435万回)、トラックごとのユニットは1,000をそれぞれ獲得。現時点での今年リリースされたカントリー・アルバムの最高位、初週最大のユニット数も更新した。
先週4位に上昇したオリヴィア・ロドリゴの『サワー』(34,000ユニット / 6%減少)は今週5位に、3位にランクインしていたリル・ダークの『7220』(33,000ユニット / 15%減少)が6位に、『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラック(32,000ユニット / 7%減少)も5位から7位にそれぞれ順位を下げ、8位には米アラバマ州出身の若手ラッパー=NoCap(ノーキャップ)の『Mr. Crawford』が初登場した。
これまでいくつかのミックステープをリリースしてきたNoCapだが、正式なスタジオ・アルバムは本作『Mr. Crawford』が初で、デビュー作にして自身初のTOP10入りという快挙を達成した。初動ユニットは29,000で、その全てがアルバム・ストリーミングによるものだった。『Mr. Crawford』は今週だけで4,007万回を記録しているが、これまでリリースしたミックステープや楽曲の総ストリーミング数は14.8億回にものぼり、そのうち3億3,200万回が同チャート31位まで上昇した『Steel Human』(2020年)が占めている。
9位は、先週の7位からドレイクの『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(29,000ユニット / 4%減少)が、10位もドージャ・キャットの『プラネット・ハー』(29,000ユニット / 5%減少)が先週の6位からそれぞれダウンしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月13日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』フューチャー
2位『ドーンFM』ザ・ウィークエンド
3位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
4位『Palomino』ミランダ・ランバート
5位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
6位『7220』リル・ダーク
7位『ミラベルと魔法だらけの家』サウンドトラック
8位『Mr. Crawford』NoCap
9位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
10位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
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