Billboard JAPAN


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2022/04/20

<コーチェラ2022現地レポ>ザ・ウィークエンド×スウェディッシュ・ハウス・マフィア、ヒット曲満載の砂漠のパーティーを演出

 世界的野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバル】が、新型コロナウイルスの影響による2年連続の中止を経て、米カリフォルニア州インディオにて開催された。

 ヘッドライナーにハリー・スタイルズ、ビリー・アイリッシュ、そして直前で決定したザ・ウィークエンドとスウェディッシュ・ハウス・マフィアを迎えた今年のフェスティバルは、これまで以上に国際的かつ多様性を重視したアーティスト・ラインナップとなった。ここでは、2022年4月15日~17日にかけて実施されたウィークエンド1のBillboard JAPAN特派員によるレポートをお届けする。

 最終日の大トリがスウェディッシュ・ハウス・マフィア×ザ・ウィークエンドと発表された際、2組がどのような形でステージに立つのか、共演をするのか、多くのファンが疑問に思ったと思う。開催前日に発表されたタイムテーブルでも詳細は明らかにならず、確かめるべく午後10時過ぎにコーチェラ・ステージに向かった。金曜日、土曜日のヘッドライナーの出演時間が午後11時半頃であるのに対し、日曜日は約1時間早く設定されているためか、もしくはこの日は風もなく夜でも過ごしやすいこともあってか、ステージ前には続々とファンが集まり、どのアーティストよりも観客が多かったように思えた。

 ステージ・セットはとてもシンプルで、後方のスクリーンに向けて斜め30度ぐらいに傾いた、空洞の丸いオブジェとステージから一段高い所にテーブルが設置されていた。定刻から30分以上遅れてスタートすると、まずはスウェディッシュ・ハウス・マフィアのパフォーマンスが始まった。オブジェと巨大なスクリーンを有効に使った、ミニマルでありながらスケールが大きい演出で、一瞬にして砂漠にダンスフロアを作り上げた。3曲目の「グレイハウンド」では、開演前に呼びかけられていた注意喚起の通り、ストロボ、白い照明、レーザーを多用し、砂漠のパーティーは早くも最初のハイライトを迎えた。

 「最後の【コーチェラ】出演が10年前でした。そして、みなさんのおかげで私たちは再結成しました。感謝します」と観客に挨拶をし、3人で40分間ほど盛り上げたところで、背後にあるオブジェの後ろからザ・ウィークエンドが登場。彼の最新アルバム『ドーン・エフエム』に収録された「サクリファイス」の両者が共演したリミックス・バージョン、そして「ハウ・ドゥー・アイ・メイク・ユー・ラヴ・ミー?」の2曲を4人でパフォーマンスした。

 スウェディッシュ・ハウス・マフィアがステージを降りると、ザ・ウィークエンドは「キャント・フィール・マイ・フェイス」、大ヒット・アルバム『アフター・アワーズ』から「ブラインディング・ライツ」など、代名詞である新旧ヒット曲を連続で投下し、オーディエンスは音楽に身をまかせて踊った。その後、カニエ・ウェストの『ドンダ』に収録されている、彼が参加した「ハリケーン」と続き、もし予定通りカニエがヘッドライナーだったら、彼がスペシャル・ゲストとして登場するという場面もあったのではないかと思わずにはいられなかった。

 フューチャーとコラボした「ロウ・ライフ」の後、ザ・ウィークエンドは「【コーチェラ】、愛してます。わかっていると思いますが、私が必要であれば、いつでも戻ってきます。エイベルです!」と観客とフェスティバルの主催者に向けて挨拶した。セット中盤では、「ハリケーン」と「ロウ・ライフ」以外にも、タイ・ダラー・サインとの「オア・ナー」、同郷のドレイクと共演した「クルー・ラヴ」と自身がフィーチャーされた楽曲を惜しげもなく歌唱した。

 全米・全英1位を獲得した3rdアルバム『スターボーイ』のタイトル曲では、ステージ上のオブジェに照明を当て、躍動感あるリズムを演出した。最新アルバム『ドーン・エフエム』に収録され、ライブ初披露となった「アウト・オブ・タイム」のイントロでは、今回急遽出演した背景には【コーチェラ】との良好な関係性があることを説明した。2012年に初出演し、2015年はヘッドライナーのジャック・ホワイトの後にコーチェラ・ステージのクロージング・アクトを務め、2018年にはヘッドライナーを担当した彼は「【コーチェラ】、どれくらい好きかわかっていますよね。知っていると思いますが、(【コーチェラ】のためだから、)私は引き受けました。今まで私を支えてきてくれたから、私もこのフェスティバルを支えます。届いてますか?」と伝えた。

 「アイ・フィール・イット・カミング」に続き、「セイヴ・ユア・ティアーズ」のサビ部分では、オーディエンスにマイクを向けて合唱するというライブならではの掛け合いもあった。その後、彼は登場した時と同じ位置に戻り、オブジェの上から再びステージに現れたスウェディッシュ・ハウス・マフィアと、コラボ曲「モス・トゥ・ア・フレイム」を共演し、3年ぶりに開催された【コーチェラ】のウィークエンド1の最終日を締めくくった。

 ザ・ウィークエンドらしい豪華なステージ・セットは7月からの北米スタジアム・ツアーまでお預けとなったが、シンプルだからこそ、彼の自信に満ちた、そして余裕さえも感じさせる安定感のあるボーカルを堪能することができた。この一つ前の同じステージでは、3か月後に迫った彼のツアーでスペシャル・ゲストとして出演予定のドージャ・キャットが、エンターテイメント性に富んだショーを堂々と行った。現在の全米エンタメ業界でトップに君臨する二人が【アフター・アワーズ・ティル・ドーン・ツアー】でどのような豪華なショーを繰り広げるのか、期待せずにはいられない贅沢な時間を堪能できた。

The Weeknd Photo: Courtesy of Coachella / Beth Saravo l Swedish House Mafia Photo: Courtesy of Coachella / Demian Becerra

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