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2022/04/02

金属音を取り入れた音楽にも注目、『TITANE/チタン』を盛り上げる劇中音楽

 2021年度開催の【第74回カンヌ国際映画祭】でパルムドール(最高賞)に輝いたジュリア・デュクルノー監督の『TITANE/チタン』が全国上映中だ。

 幼い頃の交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシアは、それ以来、車に対して異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。遂に自ら犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、孤独に生きる彼に引き取られたアレクシアは、ヴァンサンと奇妙な共同生活をスタート。だが、彼女は自分の体にある重大な秘密を抱えていた……。

 本作の音楽を担当したのは、ブランドン・クローネンバーグ監督の『ポゼッサー』(2022)の音楽を担当し、デュクルノー監督の長編1作目『RAW~少女のめざめ~』(2016)でも監督とタッグを組んだジム・ウィリアムズ。

 『TITANE/チタン』の音楽について監督は「彼には、パーカッションとベルを使うように頼みました。特にベルを。なぜかって? それは、音楽に絶対、金属音を取り入れてほしかったからです。音楽には、美しいメロディーがありながら金属性の響きもほしかったんです」と語っている。物語の重要なシーンで多数の音楽が使われているが、ここではストーリーを盛り上げる劇中曲を3つ紹介。監督とウィリアムズがこだわったチタンをイメージするような音楽が本編でどのように使われているのかは、ぜひ劇場でチェック。

★「She’s Not There」(1964)
英ロックバンドのゾンビーズによる本曲は、本作の予告編にも使用。本編ではヴァンサンとアレクシアの転機となるようなシーンで登場する。

★「Light House」(2014)
米ロックバンドのフューチャー・アイランズが歌う楽曲。消防士たちのクラブイベントの場面で使われており、クラブで踊る若者達のイメージと映像がとてもマッチする。この曲に合わせてヴァンサンとアレクシアが一緒にダンスをすることで二人の心が交わるきっかけとなる。

★「Wayfaring Stranger」(1858)
アメリカで古くから知られるフォークソングの一つで、多くのアーティストにカバーされてきた。オープニングに登場し、終盤にも曲調を変えて印象的なシーンに使われている。“Wayfaring Stranger”は日本語に訳すと“さすらいの旅人”という意味で、行き場がなくなったアレクシアの運命を物語るようにも聞こえる。


◎公開情報
『TITANE/チタン』(R15+)
全国公開中
監督:ジュリア・デュクルノー
出演:ヴァンサン・ランドン、アガト・ルセルほか
配給:ギャガ
(C) KAZAK PRODUCTIONS FRAKAS PRODUCTIONS ARTE FRANCE CINEMA VOO 2020

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