2022/03/22
MONSTA Xのヴォーカリストとして、世界にその歌声を届けてきたキヒョンが、満を持してソロ・デビューする。ここ数年、グループとして、韓国、アジアのみならず、英語詞によるインターナショナル・アルバムを2枚リリースし、グローバルな活動を積極的に行ってきた。そんなキャリアが、ソロ作品に、どのような形となって表現されているのだろうか。これまでにも、韓国ドラマのOST参加や、洋楽カバーをSNSにアップするなど、ヴォーカリストとしての作品をファンの元に届けてきた彼の歌声には、歌のうまさだけでなく、天性のセンスを感じさせる。
MONSTA Xでは、アグレッシヴなサウンドから、メロディが印象的なミディアム・テンポのポップ・ナンバー、R&B、ヒップホップ、バラードまで、幅広いジャンルにチャレンジしてきた。そしてキヒョンが選んだソロ・デビュー曲は、驚くことに、ロック・サウンドだった。 過去にイマジン・ドラゴンズの楽曲をカバーしていることなどから、彼のヴォーカル・スタイルにロックが合うことは周知の事実ではあるが、タイトル曲「VOYAGER」は、キヒョンの歌声とスタイリッシュなロックが、素晴らしいコラボレーションを生み、新境地を開くことになった。
ソロ活動を目前にした3月某日、久しぶりに日本のファンに向けての単独インタビューが実現した。なんと2年振りとなる。今回は、ソロ・シンガーとして、“歌“に対する思いを存分に語ってもらった。画面越しではあったが、その穏やかな表情から、ソロ活動を楽しみにしている様子が伝わってきた。
キヒョン:みなさん、お元気ですか? MONSTA Xのキヒョンです。そして3月15日からはソロ・シンガーとして活動するキヒョンです。
――『VOYAGER』のリリースおめでとうございます。これまでにもソロとして、ドラマのOSTに参加したり、洋楽カバー曲をサイトにアップしてきましたが、このようにキヒョンとして作品をリリースすることにあたっての今の心境は?
キヒョン:これまでにも、ドラマのOSTやカバー曲を僕なりに努力して取り組んできましたが、やはり今回は、完全にソロ歌手、ソロとしての僕自身の歌になるので、すごく努力を重ねてきましたし、今はとてもワクワクした気持ちで楽しみにしています。
――今、ソロをリリースすることになった経緯は?
キヒョン:もちろん、MONSTA Xのスケジュールが優先でしたし、今まで忙しくてタイミング的に難しかったのですが、何よりもソロとして歌うべき素晴らしい楽曲に巡り会えたのが大きいです。「VOYAGER」は、一度聴いだだけで絶対に歌いたい、とすぐに思えた曲なんです。いい時期にいい曲に巡り会えたということです。
――ドラマのOST楽曲は、ドラマのイメージ優先の作品になりますが、多くのOSTに参加依頼があり、ドラマに求められている歌声であることを、これまでどのように受け止めていましたか?
キヒョン:OSTのオファーは、バラードの曲や、可愛いらしく、楽しい曲が多かったんです。MONSTA Xのキヒョンは、パワフルだったり、高音が多かったり、リズミカルな曲が多い反面、OSTではソフトな温かい感じの歌声を聴いてもらえたと思います。今回のソロはロック的な要素があります。OSTでは、ソフトな歌声を楽しんでもらえているんじゃないかなと思っています。
――洋楽カバー曲では、イマジン・ドラゴンズの「ナチュラル」「ビリーヴァー」を歌っていますが、本当に素晴らしかったです。イマジン・ドラゴンズの曲を歌ったのは?
キヒョン:特に、僕が追求している音楽に、一番近い音を演奏しているのがイマジン・ドラゴンズです。聴いていて爽快な気分になるヴォーカルだし、楽曲そのものにも惹かれました。英語詞も僕なりに解釈して歌っているんですが、カバーした当時、僕自身の心境にとても近いものがあって、うまく表現できるのでは、と思ったんです。
――他には、トム・グレナンの「リトル・ビット・オブ・ラヴ」のようなミディアム・テンポのポップソングから、R&B曲など、幅広く歌っていますね。
キヒョン:実際カバーする時は、普段MONSTA Xの時には見せていないような曲をアップしようと考えています。「リトル・ビット・オブ・ラヴ」も聴いた瞬間に惹かれました。だからこれといった理由はないんですけど、自然に歌いたい、と思う曲に惹かれていくんだと思います。
――MONSTA Xとして、インターナショナル・アルバム『All About LUV』『The Dreaming』をリリースしましたが、「このアルバム制作が、ソロに大きな影響を与えたのでは?」と感じましたが、どうでしょうか?
キヒョン:実際、英語で歌ってアルバムを出すということはそんなに難しいことではなかったんです。ただ、今回ソロとしてデビューするにあたって、僕自身が表現できるカラーが増えたことは確かだなと考えています。自分が経験したことを自分自身のものにするには少し時間がかかるとは思うんですが、この2枚のアルバムを作ったことによって、より多彩な表現ができたと思っています。
――それではソロ曲の話に移りますが、まずタイトル曲「VOYAGER」について教えてください。パワフルなロックテイストのサウンドですが、この曲をタイトル曲にしたのは? ソロ第一弾のアイデアは、最初から固まっていたのですか?
キヒョン:今回は、僕にとって初のソロ・デビューですし、初のタイトル曲になります。だからこそ自分自身のカラーがちゃんとベースになっている曲にしたいと思いました。この曲はもともと僕が得意なサウンドでもあるし、好きな曲でもあるので、これを聴いてもらえれば、キヒョンという歌手のカラーを、ハッキリとみなさんにわかってもらえると思ったし、これをスタートとして次に繋げていけると思ったので、躊躇うことなくこの曲に決めました。
――続いて「, (Comma)」ですが、KIHYUNとして歌詞にも携わっていますね!(自分自身の葛藤の中から生まれる光を信じることを歌っている。)
キヒョン:以前、少しだけ作詞作曲に関わったことがあるんですが、このように本格的に関わったのは初めてです。最初は難しさを感じましたが、今まで自分が経験してきたこと、考え、自分の中のストーリーを反映することによって完成することができました。多くの人に聴いてもらいたいし、共感してもらいたいです。そしてみなさんの慰めになったら嬉しいです。
――「RAIN」は、へヴィーなサウンドの中から聞こえる魂の叫びのような歌声ですね。新しいヴォーカル・スタイルだと感じました。
キヒョン:今までも爆発的な感じの曲はありましたが、この曲のようにある意味、暗くて、絶望的な感情をのせた曲のレコーディングにはなかなか慣れていなかったので、事前にしっかり練習しました。実際にレコーディングするときは歌詞に集中して、歌詞が描き出している感情を歌うことでうまくレコーディングができて、僕も満足しています。
――ソロ・ヴォーカリストの魅力が詰め込まれた3曲になっていますが、今後、MONSTA Xのヴォーカリストとして、ソロのヴォーカリストとして、どのような魅力をファンの皆さんに聴かせていきたいと思っていますか?
キヒョン:MONSTSA Xのヴォーカリストとしては、強烈な強いパフォーマンスでも、揺らぐことのないヴォーカルを聴かせていきたい。ソロとしては、どんなジャンルの曲でも自分のものにして、それをしっかり歌いこなせるシンガーになっていきたいと思っています。
――そういえば、今まで伺ったことがなかったのですが、歌手になる前、将来歌っていきたいと思い始めたきっかけは? それはいつで、どんな時でしたか?
キヒョン:兄が先に音楽を始めていたので、自然に音楽に触れ、関心を持つようになりました。そして鼻歌まじりに歌っていました。もしかして僕って歌がうまいのかもと思ったのは(笑)、高校の学園祭で1位になった時だと思います。観客の前で歌うことの喜びを感じて、その時に、こういう職業もいいなと思い始めました。
――写真を撮るのが好き、という話は知られていますが、写真としてのアートの世界には、どんな魅力がありますか?
キヒョン:写真の一番の魅力は、撮ったその時の天気や感情を一瞬に取り込むことができるという点です。だから、後々その写真を見ると、その時の天気や感情といったすべてのことを、また思い出させ、呼び起こしてくれる、力のあるものだと思っています。
――さて、今年は延期になった北米ツアーが5月にスタートしますが、MONSTA Xがグローバルな人気グループになった要因は、どんなところにあると思いますか?
キヒョン:MONSTA Xとして魅力を感じていただいているのは、僕たちがMONSTA Xとしてのカラーを確固として持っているということだと思っています。メンバー同士のケミストリーもそうですし、どんなサウンドでもMONSTA Xのものとして消化して、パフォーマンスすることができるということです。もともと僕たちは、自分たちのものにしていくということをとても大切に考えているので、それができているからだと思っています。
――ソロ作品について、メンバーはどんなことを言ってくれていますか?
キヒョン:最初に聴かせた時は、いろいろな意見や、アドバイスをもらいました。その後レコーディングしたものを聴かせた時は、「とてもいい曲だね」「きっとうまくいくよ」「この曲は一度聴いたら忘れられないね」と言ってくれています。
――『VOYAGER』は、自分の音楽キャリアの中で、どんな存在になりそうですか?
キヒョン:う~ん、そうですね~。今までとは違った、僕自身の音楽的な世界をお見せする第一歩となる作品!!
――最近お気に入りの洋楽曲はありますか?
キヒョン:トム・グレナンの曲は、必ずチェックしています。日本のグループでは、ONE OK ROCKをよく聴いてます。
――最後に、なかなか会えない日本のMONBEBEのみなさんにメッセージを!
キヒョン:本当になかなか会うのが難しい日本のMONBEBEのみなさん。会いたいと思い続けて、もう2年が経ってしまいました。でもこれから先は、ぜひお会いしましょう。今回、ソロ・デビューすることになりました。このソロを聴いていただいて、MONBEBEのみなさんの気分が少しても良くなることを願っています。そしていつか僕のソロでも、日本で公演が出来たらと思っています。どうかそれまで元気でいてください。
Interviewed by 今泉圭姫子
◎リリース情報
『VOYAGER』
2022/3/21 RELEASE
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