2022/03/02 15:00
2022年2月26日、【billboard classics 玉置浩二 35th ANNIVERSARY LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2022“Arcadia -理想郷-”】の初日公演が東京国際フォーラム ホールAで開催された。
2015年に始まり、2021年に一つの集大成を迎えた玉置×billboard classicsのオーケストラ公演。前ツアーでは、副題“КАПЕЛЬ(カペーリ:雪解けの雫)”が表すように、雪解けの雫が希望の大河を大地に紡ぐ、という軌跡を体現するかのような実り豊かなステージで、6年間に渡るシリーズを締めくくった。
シリーズ7年目に入った2022年は、玉置にとって安全地帯のボーカリストとしてデビューしてから40周年、ソロデビュー35周年にあたるアニバーサリーイヤー。その序章となる今回の新オーケストラツアーは、新たに「LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT」と銘打たれ、副題“Arcadia(理想郷)”には、”理想郷を目指し、明日への道を切り拓く“という願いがこめられ、新たな境地を予感させる。
拍手とともに、東京フィルハーモニー交響楽団、指揮の大友直人が登場し、「歓喜の歌」でコンサートの幕が開ける。2016年に玉置が“平和への祈り”をテーマに作曲した本公演オリジナルの管弦楽曲であり、オーケストラ公演のプロローグに相応しい象徴的な1曲だ。
そして場内を埋め尽くした5000人の盛大な拍手に迎えられて、いよいよ玉置がステージに姿を見せる。その第一声を響かせたのは、オーケストラ公演では初披露となる「カリント工場の煙突の上に」。モノローグ調から、サビへ向けて広がりをみせるその歌声は、奥行きや厚みにいっそう磨きをかけた感がある。またその後も、新たなオーケストラ楽曲を次々と披露。時に優しく、時にエモーショナルに歌い上げ、聴衆の心に訴える。
「恋の予感」は、2015年の公演以来のフルバージョンで歌唱。かつ、前回とは異なる新たなアレンジが施され、流麗なオーケストラの音色とともに彩られる甘美な世界観に、思わず酔いしれる。
一方、メドレー「MR.LONELY~All I Do~サーチライト」では、迫力あるフェイクを交え、感情をストレートに表現する場面も。“歌いたい”という心からの叫びにも似た、情感溢れるボーカリゼーションはまさに圧巻だ。
後半の第二部は、ヴォーン・ウィリアムズ作曲「グリーンスリーブス幻想曲」の豊かな旋律でスタート。美しいバラード曲「行かないで」では、ファルセットと地声を行き来しながら、“儚さと情熱”を紡ぐような切々とした歌声にぐっと引き込まれる。
安全地帯メドレー「ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら」では、曲ごとに変化していくテンポ感や声のトーンを堪能。中でも「悲しみにさよなら」では、〈愛を世界中のために〉と歌詞を変え、〈ひとりじゃないさ〉と会場中の観客を見渡しながら歌う姿に、ひときわ熱い拍手が沸き上がる。
そして、オーケストラ編曲でありながら疾走感とエッジの効いた「JUNK LAND」から一気にクライマックスへ。優美なオーケストラとスケール感のあるボーカルによる「夏の終りのハーモニー」のラストには、オフマイクで鮮明な生声を場内の隅々にまで届け、オーディエンスを魅了した。
アンコールは、ベートーヴェン作曲の交響曲第6番「田園」冒頭から自身の楽曲「田園」へとつながる曲構成で、心弾むようなリズムに客席からは待ちかねたかのように手拍子が沸き上がる。さらに、歌詞を変えて歌われた〈愛はここにある 東京にある〉の一節で、会場はいっそうヒートアップ。演奏を終えると、スタンディングオベーションが巻き起こり、最高の讃美が玉置と演奏者たちに送られた。万雷の拍手が鳴り響く中、大友と何度も肘タッチを交わし、お互いを称え合っていた玉置。その表情はとても晴れやかだった。
喜び、悲しみ、苦しみ、楽しさ……あらゆる感情を託した歌声が、聴き手に深く沁み込み、心を揺さぶる。それが希望の星として輝きを放ち、明日への道しるべになる。神々しくも温かな力を宿す玉置の歌は、まさに希望の光である――。そんな“ボーカリスト・玉置浩二”の存在感を強く印象づけた初日のステージ。そして今、ここから理想郷への旅が始まる。
本ツアーは、先日追加発表された5月15日札幌公演を含め、6月11・12日の河口湖ステラシアターでの最終公演まで、全14公演を予定。さらには、夏に玉置浩二の新たな全国ツアー、秋には安全地帯のコンサート開催(詳細は後日発表)も決定している。
また昨日には、5月20日公開の映画『大河への道』の主題歌「星路」(みち)を書き下ろしたことも発表され、夏には、安全地帯40周年、玉置浩二ソロ35周年を記念して、ファン投票によるそれぞれのベストアルバムのリリースも決定。安全地帯、玉置浩二の新たな一年に注目したい。
Text by水白 京
Photo by Eri Iwata
◎公演情報
【billboard classics玉置浩二35th ANNIVERSARY LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2022 “Arcadia -理想郷-” 】
ツアー全日程・会場
(1)2月26日(土)東京・東京国際フォーラム ホールA ※完売 ※終了
(2)3月2日(水)大阪・フェスティバルホール ※完売
(3)3月3日(木)大阪・フェスティバルホール ※完売
(4)3月24日(木)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru ※完売
(5)4月8日(金)熊本・熊本城ホール メインホール ※完売
(6)4月12日(火)愛知・愛知県芸術劇場大ホール ※完売
(7)4月23日(土)東京・東京文化会館 大ホール ※完売
(8)4月24日(日)東京・東京文化会館 大ホール ※完売
(9)5月10日(火)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール ※完売
(10)5月15日(日)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
(11)5月28日(土)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール ※完売
(12)5月29日(日)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール ※完売
(13)6月11日(土) 山梨・河口湖ステラシアター
(14)6月12日(日) 山梨・河口湖ステラシアター
指揮・管弦楽
(1)【指揮】大友直人 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
(2)(3)【指揮】田中祐子 【管弦楽】大阪交響楽団
(4)(10)【指揮】円光寺雅彦 【管弦楽】札幌交響楽団
(5)【指揮】栁澤寿男 【管弦楽】九州交響楽団
(6)【指揮】栁澤寿男 【管弦楽】京都フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ
(7)(8)【指揮】大友直人【管弦楽】東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ
(9)【指揮】円光寺雅彦 【管弦楽】九州交響楽団
(11)(12)【指揮】湯浅卓雄 【管弦楽】日本センチュリー交響楽団
(13)(14)【指揮】大友直人 【管弦楽】群馬交響楽団
チケット価格:13,000円(全席指定・tax in.)
※特製ブックレット付 ※未就学児入場不可
※収容率は政府の方針、感染状況等により判断いたします。なお収容率100%で実施する場合、前後左右を空けずにお座りいただくことになりますので予めご了承ください。
※チケット購入の際は必ず、公演ページ記載の注意事項をご確認の上、チケットをお求め下さい。
主催:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)
【札幌】北海道新聞社、道新スポーツ、エフエム北海道、道新文化事業社
【河口湖】河口湖ステラシアター、山梨日日新聞社、山梨放送
企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)
特別協賛:【河口湖】株式会社阪急交通社
協賛:【大阪】大和ハウス工業株式会社
後援:米国ビルボード、【熊本】TKUテレビ熊本、【福岡】九州朝日放送
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◎リリース情報
『愛の戦友』
2022年2月25日(金)発売
COCA-17941 1,650円 (tax in.)
◆安全地帯、玉置浩二のアニバーサリーイヤーを飾るアルバムのリリースが今夏に決定。
このアルバムの収録曲は本日からスタートしたリクエスト投票をもとに選曲される。
安全地帯は241曲、玉置浩二は194曲が投票の対象曲となっており、それぞれ3曲までを選べるようになっている。投票は3月25日(金)23:59まで特設サイトにて受付が行われ、投票の結果やアルバムの詳細は後日発表される。
https://www.110107.com/A40_T35/
◆5月20日(金)公開 映画『大河への道』主題歌「星路」(みち)を書き下ろし
立川志の輔原作、中井貴一、松山ケンイチ、北川景子らの一人二役で贈る<歴史発見>エンタテインメント
https://movies.shochiku.co.jp/taiga/
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