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2022/03/01

【米ビルボード・ソング・チャート】映画『ミラベルと魔法だらけの家』から「秘密のブルーノ」5週目の首位、ゲイルTOP3入り

 『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックから、カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャストによる「秘密のブルーノ」が5週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週、ディズニー・アニメーション、実写映画の楽曲としては、ブライアン・アダムス、ロッド・スチュワート&スティングの「オール・フォー・ラブ」(1994年)が記録した3週を上回り、首位最長記録の単独トップに立った「秘密のブルーノ」。今週その記録を5週目に更新したことで、「オール・フォー・ラブ」とピーボ・ブライソン&レジーナ・ベルの「ホール・ニュー・ワールド」(1993年) が記録した1週の合計4週も超えるという快挙を達成した。

 認知度の高さからすると意外ではあるが、ディズニー・アニメーション、実写映画のサウンドトラックから首位を獲得したタイトルはその3曲のみで、TOP10にランクインした楽曲も以下の計8曲しかない。

1位「秘密のブルーノ」(2022年 / 5週)『ミラベルと魔法だらけの家』
1位 ブライアン・アダムス、ロッド・スチュワート&スティング「オール・フォー・ラブ」(1994年 / 3週)『三銃士』
1位 ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル「ホール・ニュー・ワールド」(1993年 / 1週) 『アラジン』
4位 マイリー・サイラス「ザ・クライム」 (2009年) 『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』
4位 ザック・エフロン&ヴァネッサ・ハジェンズ「自由をつかめ」(2006年)『ハイスクール・ミュージカル』
4位 エルトン・ジョン「愛を感じて」(1994年)『ライオン・キング』
4位 ヴァネッサ・ウィリアムス「風の色」(1995年) 『ポカホンタス』
5位 イディナ・メンゼル「レット・イット・ゴー」(2014年) 『アナと雪の女王』

 「秘密のブルーノ」は、今週2,990万回(7%減少)を記録してストリーミング・ソング・チャートでも8週目の首位を獲得。売り上げも前週から12%減少の6,600に落ちてはいるが、全体数が低いためデジタル・ソング・セールス・チャートでは11位から5位にTOP10復帰している。一方、エアプレイは23%増加の790万回に上昇していて、ジャンル別のアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでは26位から24位に上昇。ポップ・エアプレイ・チャートでは32位をキープした。

 先週2位に最高位を更新したグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は、今週も同位をキープ。 ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでは、それぞれ23週目に首位獲得週を更新している。

 奇遇にも、1位の「秘密のブルーノ」はリン=マニュエル・ミランダが、「ヒート・ウェイヴス」はフロントマンのデイヴ・ベイリーがそれぞれ単独で書いた曲で、ソングライターのクレジットが一人のみの曲が1位、2位を独占したのは、マッチボックス・トゥエンティの「ベント」(ロブ・トーマス作)と、ヴァーティカル・ホライズンの「エヴリシング・ユー・ウォント」(マット・スキャンネル作)がランクインした2000年7月29日付以来、約22年ぶりとなった。

 また、同様のケースで2週以上1位と2位を独占したのは、トニ・ブラクストンの「アンブレイク・マイ・ハート」(ダイアン・ウォーレン作)と、R.ケリーの「アイ・ビリーブ・アイ・キャン・フライ」(R.ケリー作)が1996年12月21日付から1997年1月11日付まで4週連続でランクインして以来約25年ぶりで、その前にはリサ・ローブの「ステイ」(ローブ作)、ボーイズIIメンの「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(ベイビーフェイス作)、ルーサー・ヴァンドロス&マライア・キャリーの「エンドレス・ラブ」(ライオネル・リッチー作)が、1994年に7週という記録を打ち立てている。

 上位2曲は変動なかったが、3位には先週の4位からゲイルの「abcdefu」が上昇し、最高位更新とアメリカでは初のTOP3入りを果たしている。同時に、ポップ・エアプレイ・チャートでも自身初のNo.1に輝いた。同曲を収録したデビューEP 『ア・スタディー・オブ・ヒューマン・エクスペリエンス・ボリューム・ワン』が3月18日にリリースされる予定で、今後は本作のプロモーション効果による上昇も見込める。

 先週3位にランクインしていたアデルの「イージー・オン・ミー」は4位にダウンしたが、週間7,150万回(4%減少)を記録してエアプレイ・チャートでは14週目の首位をキープした。エアプレイ・チャートでの首位が14週を上回ったのは、2020年4月から10月に通算26週を記録したザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」以来で、集計が始まった1990年12月から9曲目のタイトルとなる。

 続いて5位には、 先週の6位からコダック・ブラックの「スーパー・グレムリン」が再浮上。R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、それぞれ6週目の首位を獲得した。ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」は5位から6位にランクダウンしたが、ジャスティン・ビーバーのソロ曲「ゴースト」は8位から7位に最高位を更新している。

 ジャスティンに続き、今週はエド・シーランも8位に「シヴァーズ」、9位に「バッド・ハビッツ」の2曲を同時ランクインさせた。「バッド・ハビッツ」は、2月8日に開催された【ブリット・アワード】でブリング・ミー・ザ・ホライズンと披露したスタジオ音源が2月17日にリリースされ、ポイントが上昇。先週の14位から跳ね上がりTOP10に返り咲いた。

 「バッド・ハビッツ」のようなパフォーマンスやリリース効果はないが、エルトン・ジョン&デュア・リパの「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」も先週の12位から10位に再びTOP10入りしている。エルトン・ジョンは、これで初めてTOP10入りした「僕の歌は君の歌」(1971年1月23日付)から今週までの期間を51年1か月1週に更新し、ホリデー・ソングを除くブランク最長記録を拡大させた。

 「コールド・ハート」は、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートで20週目、ダンス/ミックス・ショー・エアプレイ・チャートでは歴代6番目に長い14週目の首位をマークし、今週はアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでも1位を獲得した。アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでの首位獲得は、エルトン・ジョンにとって初、デュア・リパが3曲目のタイトルとなる。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月4日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「秘密のブルーノ」カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャスト
2位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
3位「abcdefu」ゲイル
4位「イージー・オン・ミー」アデル
5位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
6位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
7位「ゴースト」ジャスティン・ビーバー
8位「シヴァーズ」エド・シーラン
9位「バッド・ハビッツ」エド・シーラン
10位「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」エルトン・ジョン&デュア・リパ

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