2022/02/28
現地時間2月27日、【第28回全米俳優組合賞】(SAGアワード)が、米カリフォルニア州サンタモニカのバーカー・ハンガーにて開催され、米TNTと米TBSで放送された。
映画部門の<主演男優賞>に輝いたのは、『ドリームプラン』でテニス界を代表する姉妹ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの父親でコーチを演じたウィル・スミスとなった。昨年は映画『マ・レイニーのブラックボトム』の故チャドウィック・ボーズマンが同賞を受賞しており、2年連続で黒人俳優がこのカテゴリーに輝くのは授賞式史上初となる。スミスは、現地時間3月27日に開催される【アカデミー賞】の有力候補とされている。
ろう者や耳の不自由な俳優が多数出演している映画『コーダ あいのうた』は、<アンサンブル賞>に輝き、本作からはトロイ・コッツアーが<助演男優賞>も受賞した。ろう俳優として個人で【全米俳優組合賞】を受賞するのは彼が初めてで、同じくノミネートも初となった。
映画『コーダ あいのうた』は、【アカデミー賞】で<作品賞>の候補にあがっているが、【全米俳優組合賞】を受賞したからといって、【アカデミー賞】にも輝くとは限らない。過去5年間に<アンサンブル賞>を受賞した映画で、<作品賞>も獲得した作品は『パラサイト』のみで、『ドリーム』、『スリー・ビルボード』、『ブラックパンサー』、『シカゴ7裁判』はどれも受賞を逃した。
映画部門の<助演女優賞>は、『ウエスト・サイド・ストーリー』でアニータを演じたアリアナ・デボーズが獲得し、【全米俳優組合賞】を受賞した初のラテン系女優となった。先月、彼女は【ゴールデン・グローブ賞】でも<助演女優賞>に輝いており、同部門における【アカデミー賞】最有力候補とされている。なお、1961年の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』でアニータ役だったリタ・モレノは、【ゴールデン・グローブ賞】と【アカデミー賞】で<助演女優賞>をW受賞した。
【全米俳優組合賞】では、映画とTVの両部門が表彰されるため、故アレサ・フランクリンを演じた女優がこれら2部門にてそれぞれノミネートされていた。映画『リスペクト』の主役ジェニファー・ハドソンは映画部門で、そしてTVシリーズ『ジーニアス:アレサ』の主役シンシア・エリヴォはTV部門で<主演女優賞>の候補にあがっていた。どちらも受賞には至らなかったが、二人は同じ年に同じ人物を演じたことでノミネートされた初の俳優となった。
音楽界からは他にも、レディー・ガガ、ジャレッド・レト、セレーナ・ゴメスらがノミネートされていたが、残念ながら受賞は逃した。ガガとレトはいずれも映画『ハウス・オブ・グッチ』でノミネートされており、ゴメスはスティーヴ・マーティンとマーティン・ショートと共演したTVシリーズ『マーダーズ・イン・ビルディング』でTV部門の<アンサンブル賞>の候補となっていた。
映画部門の<主演女優賞>は『タミー・フェイの瞳』でTV伝道師のタミー・フェイ・ベイカーを演じたジェシカ・チャステインが受賞した。彼女が【全米俳優組合賞】を受賞するのは2度目で、過去に映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のキャストの一員としての受賞経験を持っている。
今年はドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』で主演を務めるジェイソン・サダイキスと前述の『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツアーの二人が2冠を果たした。
さらには、ヘレン・ミレンに今年の<功労賞>が授与された。彼女は過去に、映画『ゴスフォード・パーク』で2度、映画『クィーン』で1度【全米俳優組合賞】を受賞している。
◎【第28回全米俳優組合賞】受賞者リスト
【映画部門】
<アンサンブル賞>
『コーダ あいのうた』
<主演女優賞>
『タミー・フェイの瞳』ジェシカ・チャステイン
<主演男優賞>
『ドリームプラン』ウィル・スミス
<助演女優賞>
『ウエスト・サイド・ストーリー』アリアナ・デボーズ
<助演男優賞>
『コーダあいのうた』トロイ・コッツアー
<スタント・アンサンブル賞>
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
【TV部門】
<アンサンブル賞(ドラマ・シリーズ)>
『メディア王 華麗なる一族』
<主演男優賞(ドラマ・シリーズ)>
『イカゲーム』イ・ジョンジェ
<主演女優賞(ドラマ・シリーズ)>
『イカゲーム』チョン・ホヨン
<アンサンブル賞(コメディ・シリーズ)>
『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』
<主演男優賞(コメディ・シリーズ)>
『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』ジェイソン・サダイキス
<主演女優賞(コメディ・シリーズ)>
『ハックス』ジーン・スマート
<主演男優賞(TV映画またはリミテッド・シリーズ)>
『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』マイケル・キートン
<主演女優賞(TV映画またはリミテッド・シリーズ)>
『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実』ケイト・ウィンスレット
<スタント・アンサンブル賞>
『イカゲーム』
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