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2022/02/04 15:20

様々な国で愛される歌とは、ジャンフランコ・ロージ監督『国境の夜想曲』特別映像

 ジャンフランコ・ロージ監督の最新作『国境の夜想曲』の特別映像が到着した。

 2月11日からBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国で順次公開される同作は、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』のジャンフランコ・ロージが、3年以上の歳月をかけて、イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯で撮影したドキュメンタリー。

 公開されたのは、エンドロールと本編の途中でも流れる「我が祖国」を使用した映像。作詞を手掛けたイブラヒム・トゥーカンはパレスチナの著名な詩人で、作曲のムハンマド・フリーフィルはレバノンの作曲家であり、現在のシリア国歌の作曲も手掛けている。「我が祖国」はアラブでは広く知られた歌で、1934年にパレスチナで詩が書かれ、パレスチナ民族解放の象徴のように語られてきた。パレスチナはその後いくつかの曲が国歌として制定されたが、人々は「我が祖国」を愛唱しつづけ、パレスチナの実質的国歌とも言われている。

 また、イラクでも1924年にイギリス人将校が作曲した国歌に始まり、いくつもの曲が国歌とされてきたが、2004年のサダム・フセイン政権崩壊後に連合国暫定当局代表が「我が祖国」を国歌と定め、現在に至るが法的な根拠はないとされる。サッカーのワールドカップなどではイラク国歌として選手たちが「我が祖国」を歌っている。シリアとアルジェリアでも、パレスチナを支持するため国歌に準じるものとして扱われていた。

 同作ではヨルダンの歌唱コンテストで優勝したSaja Al-Maghasbaという女性ミュージシャンが2012年に発表したカバーバージョンを使用している。

◎映画情報
『国境の夜想曲』
2022年2月11日(金・祝)、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
監督・撮影・音響:ジャンフランコ・ロージ
配給:ビターズ・エンド
上映時間:104分

(C) 21 UNO FILM / STEMAL ENTERTAINMENT / LES FILMS D’ICI / ARTE FRANCE CINEMA / Notturno NATION FILMS GмвH / MIZZI STOCK ENTERTAINMENT GвR

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