2021/12/26
毎年大阪の冬を熱くするFM802主催のロック大忘年会・【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY】が、昨年の中止を乗り越えて2年ぶりに行われた。
しかも今回は【FM802 ROCK FESTIVAL RADIOCRAZY presents THE GRAND SLAM】と題して、12月25・26・27・28日というイベント史上初の4日連続開催に。 加えて会場も初の京セラドーム大阪となり、例年とはひと味違ったビッグスケールで展開。万全の感染症対策が取られるなか、約1万人が沸いたライブ1日目の模様を出演全10組のショートレポート&フォトで紹介する。
●OKAMOTO'S
記念すべき4デイズの幕開けを飾るのは、初回の2009年から"レディクレ皆勤賞"の彼ら。「Sprite」でゆったりとどっしりとスタートを切って大空間を荘厳な雰囲気にすると、アンセミックなイントロを響かせる「BROTHER」を皮切りに、ラップで弾けさせたりダンスチューンで踊らせたりと、その万能ぶりを存分に発揮。最後は4人を映し出すロックでグッと胸に迫り、トップバッターの大役を果たした。2021年の演奏納めはファンにもメンバーにも思い出深いものになったことだろう。
●Saucy Dog
「結」というエモーショナルな初手でぐっと引き込むと、その後は温かな歌声や軽やかなバンドサウンドで人々を弾ませ、感傷的なメロディは会場をみずみずしさで満たす。一方「ゴーストバスター」で轟く石原の雄叫びには心地いい焦燥感も。MCでは石原がライブスタッフのアルバイトをした時のことを語り、そのまま最終の「東京」へ。MCと地続きの言葉はじわっと心に染み、その表現力と存在を記憶に焼き付けていった。アリーナツアーも控える2022年の3人に期待が高まる!
●ハンブレッターズ
昨年、FM802でヘビーローテーションにもなった「ユースレスマシン」などを爽快感たっぷりに鳴らせば、ドームはまるでキラキラの夏フェスムード。アリーナもスタンドもバウンド&ハンズアップで彼らの青春の響きを堪能する。またそこに落差を付けて放り込むバラードは効果絶大で甘酸っぱさが胸を締め付けるが、スパートはコロナ禍に負けない健やかな姿勢で突き抜けるロックを連続させて沸騰。ラストに選んだ「ライブハウスで会おうぜ」のメッセージは確かに観客に伝わったはずだ。
●ヤバイTシャツ屋さん
リハーサルから笑いも拍手も起こして大サービス。もちろん本編もエンジン全開で、"音のホームラン打っていきますよ!"(こやま)の宣言どおり、CM曲やキラーチューンを織り交ぜて大観衆を狂喜乱舞させるパーティの様相だ。ハイテンションかつ変幻自在に繰り広げる怒涛の"ヤバTワールド"は一瞬の隙もなく、全編を通してさすがのひと言。終演後のざわめきも納得だった。ちなみに今回しばたのベースはクリスマス仕様で"サンタさんのヒゲで作ってきました!"とのことだ。
●くるり
クリスマスソングから「ブレーメン」へとつなげ、始まりは温かでスケール感もある今日ならではの祝祭の時間。そしてそこからは豊かな音像で脳内トリップへと出発し、ひと息ついたらイントロに体が震え出す名曲「ロックンロール」&「ばらの花」へ。色あせることのないタイムレスなロックは観客の目と耳を釘付けにして会場の集中も高まる一方だ。だがそんな熱くなった心はリラクシングなR&Bで解放し、音で大いに酔わせて全6曲を終了。曲数以上の充足感で包み込んでくれた。
●MY FIRST STORY
イベントもいよいよ折り返しへ。サウンドチェックでマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」を歌い上げ、観客をさらりと心酔させると「最高のクリスマスにしようぜ!」とド頭から柔和でかつ芯のあるハイトーンボイス、耳馴染みの良いメロディライン、そして重厚感あるリズムで会場を揺さぶっていく。映画「マトリックス レザレクションズ」日本版インスパイアソングとして発表された新曲「PARADOX」では濃厚な世界観で観客を魅了。広い会場&制限あるなかでも、真摯で前のめりなパフォーマンスを届けてくれた。
●ウルフルズ
大阪のロック大忘年会とくれば、彼らの出演は外せない! 感情揺さぶる名曲ぞろいのセレクトはとにかく感涙もので、お馴染みのギターリフを聴くだけで体は自然と動いてしまう。“ガッツだぜ!!”、“バンザイ”“、何度も大合唱してきたあの言葉たちに今日も元気づけられる。「ええねん」ではゲストコーラスにキュウソネコカミが登場し、関西パワーをお届け。トータス松本は「興奮した!」と語りつつ、来年のメジャーデビュー30周年に懸ける思いを語る。“いい女”ならぬ、“いい男”たちの躍進止まらぬソウルパワー、来年もしかと見届けたい!
●布袋寅泰
世界に誇るロックスター、しかも滅多にフェスには出演しない彼の登場にフロアは静かな緊張感が漂っていた…。それでも、真っ白なスーツに身を包み、ギターを爪弾きながら登場する、たったそれだけで会場の空気が瞬時に変わる! 「バンビーナ」ではご機嫌に腰を揺らしステップを刻み、「ジングルベル」をアレンジで差し込む粋なプレゼントも。その後も悶絶級の名曲が続き、MAN WITH A MISSIONがサプライズで登場した「Give It To The Universe」など、来年で60歳を迎えるとは思えない唯一無二のギターヒーローのプレイに観客は世代を超えて誰もが夢中になって見入っている。「必ず夜は明ける!」と、ラスト「Dreamin’」まで圧巻のパフォーマンスを見せつけ、全7曲を駆け抜けた。
●SUPER BEAVER
ライブ開始直前の、渋谷龍太がじっくりと会場を見渡す姿はこれから始まる彼らのパフォーマンスに全集中させるためのスイッチのようだ。「人として」から始まったステージ、ライブハウスの狭い空間で作り上げるライブもいいが、広いドームの空間に響き渡る音もまた何とも格別だ。「この一年お世話になりましたし、これからもお世話します」、渋谷の熱い思いを吐露するいつもの口上にも熱が入る。ラスト「アイラヴユー」、どんなキャパの会場だって1対1の音楽を鳴らす4人の姿はただただカッコ良いんだけれど、今日ここで観たパフォーマンスも来年にはさらりと更新してくれるはず、そんな確信が持てるステージだった。
●THE ORAL CIGARETTES
閃光煌めくなか、ラストバッターを担った4人の堂々としたBKW!!(番狂わせ)なパフォーマンスに観客は盛大なハンズクラップで彼らの音に応えていく。ドームクラスの会場でも一切の引けを取らないどころか、むしろ余裕の表情で、この瞬間を存分に楽しんでやると言わんばかりの攻撃的なパフォーマンスを繰り出していく。「起死回生STORY」「Dream In Drive」、MY FIRST STORYからHiroがゲストボーカルで参加した「BLACK MEMORY」など、新旧混ぜ込んだ楽曲陣はダイナミックなリズム、鋭利なギターサウンド、爆ぜる瞬間の心地良さ、そのどれもが堪らない! ライブ終盤にはこの一年を支えてくれた人たちに感謝の思いを伝えつつ、「いつか京セラドームでワンマンライブがしたい」という夢を言葉にして伝え、ラスト「Red Crimina」でドでかいホームランを打ち放し、記念すべき初日の幕が閉じた。
なおFM802では2022年1月10日(月・祝)18:00より、今回の【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】のライブ音源のみで構成する9時間の特別番組【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY HIGHLIGHTS】がオンエアされる。
Text by 服田昌子,黒田奈保子
Photo by FM802
◎イベント情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】
開催日:2021年12月25日(土)・26日(日)・27日(月)・28日(火)
会場:京セラドーム大阪
https://radiocrazy.fm/
◎番組情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM HIGHLIGHTS】
●放送日時=2022年1月10日(月・祝)18:00~27:00
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】(12月25日~28日・京セラドーム大阪)【FM802 RADIO CRAZY presents LIVE HOUSE Antenna-GSシリーズ-】(1月4日~6日・Zepp Namba(OSAKA))のライブ音源のみでお送りするスペシャルプログラム。
第1部 18:00-21:00 DJ 浅井博章×加藤真樹子
第2部 21:00-23:48 DJ 落合健太郎×田中乃絵
第3部 24:00-深夜3:00 DJ 土井コマキ×板東さえか
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像