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2021/11/09 18:00

さくら“シエル”伊舎堂「メタルファンを増やしたい」聖飢魔II創始者・ダミアン浜田陛下のD.H.C.加入に至る生い立ちインタビュー公開

 聖飢魔IIの創始者である大魔王・ダミアン浜田陛下が再び人間界に顕現。選ばれし6人の改臟人間と結成したヘヴィメタルバンド・Damian Hamada's Creaturesのデビューから1年……11月10日に第IIIの大聖典『魔界美術館』がリリースされ、D.H.C.初ワンマンライブ【Damian Hamada's Creatures 1st Live 魔界小学校入学式典 ~ Devilish Hell Ceremony ~】(ダミアン浜田陛下22年ぶりの降臨!)が11月28日 KT Zepp Yokohamaにて開催されることになった。

 これらを記念し、幼い頃からハードロック/ヘヴィメタルを敬愛し、ダミアン浜田や聖飢魔IIのことを崇めていところ、まさかのD.H.C.への電撃加入が決まり、このバンドをフロントマンとして牽引していくことになった女性ボーカリスト・さくら“シエル”伊舎堂への単独インタビューを敢行した。前述の新作や初ワンマンライブについてはもちろん、彼女がD.H.C.に加入するまでの物語についても語ってもらった。ぜひご覧頂きたい。

◎さくら“シエル”伊舎堂(Damian Hamada's Creatures)インタビュー

<聖飢魔II創始者からの誘い「教室を飛び出して大号泣」>

--D.H.C.デビュー当時のインタビュー(https://bit.ly/31vkyd6)から1年ぶり。前回はダミアン浜田陛下と語って頂きましたが、今回はさくら“シエル”伊舎堂単独インタビューという形で色々掘り下げさせて下さい。あれから1年経ってD.H.C.は自分の中でどんな存在になっていますか?

さくら“シエル”伊舎堂:1年経っても自分が陛下のバンドのメンバーになれたことを半分信じられていないというか(笑)まだ「これは夢なんじゃないか」と思うことがあるんですけど、SNSなどで「第IIIの大聖典『魔界美術館』楽しみにしていますね」とか「ライブ行きますね」とかファンの方に仰って頂くと「あ、D.H.C.のメンバーとして認めて頂けたんだな」と思うこともあって、ようやく「自分はD.H.C.のボーカルだ」と自覚できるようになったところもあります。

--D.H.C.への加入は、さくらさんにとってとんでもないプレッシャーでもあったんですか?

さくら“シエル”伊舎堂:そうですね。すごく嬉しい気持ちと同時に「大丈夫なの? 私で」という気持ちも当時は大きかったです。D.H.C.のボーカリストという大仕事が私なんかに務まるのかどうか、正直めちゃくちゃ不安でした。

--D.H.C.にはどのような形で誘われたんですか?

さくら“シエル”伊舎堂:1本のメールがある日届いたんですが、まずそこには「聖飢魔IIの創始者・ダミアン浜田陛下が大聖典(アルバム)を出す」と書いてあって。前回のインタビュー(https://bit.ly/31vkyd6)でも語らせて頂きましたけど、私は聖飢魔IIが元々好きだったから「すごい! アルバム出すんだ! 聴きたい!」と純粋にファンとして喜んでいたんですけど、その文章の下に「ボーカルをお願いしたい」と書いてあったんですよね。それで「え、ボーカルをお願いしたい? 何を言っているんだろう?」と最初は理解できなくて(笑)、何度か読み返して「私がボーカルなの!?」って本当にビックリしました。新手のドッキリかと思いましたね。それぐらい衝撃的だったし、学校の授業中だったから「先生! トイレ行ってきます!」って教室を飛び出して大号泣してしまいました。

--それから陛下とお会いするわけですよね。初めての出逢いはどんなシチュエーションだったんでしょう?

さくら“シエル”伊舎堂:陛下に初めてお会いした日がレコーディングの初日だったんですよ。だから「レコーディング頑張らなきゃ! ヤバい!」という気持ちと「私、ついに陛下に会うんだ! ヤバい!」という気持ちでずっとざわざわしている状態だったんですけど、初めてのD.H.C.のレコーディングに苦戦しながら歌っていたら「今から陛下に会いに行くよ」とスタッフさんに言われて「え、本当に今から陛下に会うの?」みたいな。だって、私は10年ぐらいずっと陛下が作ったバンドと楽曲が好きで聴いていたので、心の準備なんて出来ないじゃないですか。だから「陛下、そこの会議室にいるよ」って言われましても(笑)。で、会議室の扉を開けたら本当にそこに陛下がいて「陛下って実在したんだ!」みたいな。

<メタル界デビューに至るまでの物語──始まりはクワイア>

--憧れの陛下との邂逅を果たされたんですね。

さくら“シエル”伊舎堂:その日は緊張している状態がずっと続いている感じだったんですけど、しあわせでいっぱいな気持ちになりました。陛下は本当に丁寧な方で、メンバー一人ひとりに「参加してくれて本当にありがとう」とお礼も言って下さって、なんて素敵な方なんだろうと思いましたね。

--その日からD.H.C.メンバーとしての人生が始まった訳ですけど、幼い頃からハードロック/ヘヴィメタルに傾倒していたとは言え、そのシーンのど真ん中で「メタルボーカリストとしてデビューします!」という展開は今回が初だったんですよね?

さくら“シエル”伊舎堂:そうですよ! すごくメタルが好きでよく聴いていたけど、自分がボーカリストとして本格的に手を出していいか分からない世界だったんですよね。そしたら「メタルを歌ってほしいです」と。しかもダミアン浜田陛下の新バンドで。ずっと「いつかやってみたい」と思っていたことではあったんですけど、こんなにも完璧な状態でやれる日が来るとは思っていなかったので、本当に自分は恵まれているなと思いました。

--そのメタル界デビューに至るまでの生い立ちも掘り下げさせて頂きたいのですが、さくらさんの音楽ストーリーって3歳で参加した沖縄の教会のクワイアから始まったんですよね。

さくら“シエル”伊舎堂:ウチの近所に教会があったんですよ。その教会には外国人の子供たちもたくさんいたんですけど、当時の私はインターナショナルスクールに通っていたこともあって、その子供たちと遊びたかったんですよね。それで親にお願いして連れて行ってもらったら、小さい子たちがみんなで歌っていて、そこに混ぜてもらったら楽しかったんです。子供だったから本当にそんな単純な理由なんですけど(笑)、それで教会に通ってクワイアで歌うようになりました。

--もうその時点で歌うことは大好きだったんですね。

さくら“シエル”伊舎堂:大好きでしたね。家でもテレビで子供向け番組が流れていたらずっと一緒に歌っているし、そこで流れていた曲を番組が終わってもずっと歌っているし。ただ、私、その頃はめちゃくちゃ音痴だったんですよ。素でハモっている感じ。本人は主旋律を歌っている気満々なんですけど、ずっとズレていたんですよね。しかもそれを自信満々に歌っているもんだから、クワイアの中でいちばん声がデカくて(笑)。ただ、そのクワイアの先生は私がどんなに音を外していても「自信を持って大きな声で歌いなさい。楽しいんだったらそれでいいのよ」と言って下さって、だからそのまま楽しく歌い続けていたら、自然とまわりのみんなと同じ音程が取れるようになっていって、気付いたら音痴は治っていたんです。

<沖縄の伝説的ハードロックバンド・紫との出逢い>

--ロックへの目覚めはそのあとになるんですかね?

さくら“シエル”伊舎堂:そうですね。沖縄ってロックが盛んなんですけど、5歳の夏に【ピースフルラブ・ロックフェスティバル】(※毎年7月に沖縄で開催される大規模フェス)を観に行く機会があったんです。通っていた書道教室の先生が出演者のお母さんだったので。そこに紫(※むらさき。1970年に結成された沖縄県出身の伝説的ハードロックバンド)が出ていたんですよ。それで子供ながらに「この人たち、かっこいい」と思い、その日のうちに宮永英一さん、通称Chibiさん(※紫やコンディション・グリーンなどのドラマー)に何故か会っちゃって「おじさん、かっこよかったね」って無邪気に言っちゃったらしいんです(笑)。そしたら「今日演奏したのはディープ・パープルのこの曲だから、お母さんにCD屋さんで買ってもらいなさい」と。そこから私のハードロック/ヘヴィメタルとのストーリーは始まりました。

--さくらさんの年代でロックに目覚めるきっかけが紫って凄いですね。しかもChibiさんからディープ・パープルを教えてもらったという。良い出会いでしたね。

さくら“シエル”伊舎堂:本当にそう思います。その出逢いがなかったら今こうして音楽をやっていたかも分からないし。あと、ドラムを始めるきっかけも【ピースフルラブ・ロックフェスティバル】だったんですよ。

--沖縄のロックの歴史の正統な継承者じゃないですか。

さくら“シエル”伊舎堂:実際「いつか沖縄のロックを継承できるように頑張りなさい」って仰って頂いています。紫を観て育って、コザのライブハウスで修行していたので。あと、ドラムを始めたきっかけはChibiさんの存在も大きいんですけど、ORANGE RANGEのライブを観た影響もあるんですよ。ドラムセットって大きいし、フェスとかだと台座の上に乗っかっているからドラマーってちょっと高い位置に居るじゃないですか。で、曲のイントロでボーカル陣がその台座に乗っかって、そこから歌い出すと同時に飛び降りたりしますよね。5歳児の私はORANGE RANGEのそのパフォーマンスを観て、ドラムを指さして「あの人がいちばんえらくてすごい人だ! おかあさん、私もあれやる!」って言い出したんです(笑)。本当に不純な動機で申し訳ないんですけど! それからChibiさんを観て「あ、ドラムは歌いながら叩かなきゃいけないんだ!」と勘違いをするんです(笑)。

--それで歌とドラムの両方をやることになったんですね(笑)。

さくら“シエル”伊舎堂:ただ、いきなり両方やるのは無理だし、その時点ですでに歌は好きでよく歌っていたから、ドラムを習いに行くことにしたんです。ちょうど近所に、BEGINやディアマンテスのドラムを担当されている當間嗣篤さんがドラム教室を開いていたので、そこから本格的にドラムも叩き始めるようになりました。

<悪魔の力 手に入れた この魂さえ 奪われても 砕かれても 悔いはしない>

--そうして歌とドラムで本格的に音楽活動をスタートし、14歳のときには人気オーディション番組【X FACTOR OKINAWA JAPAN】でディープ・パープル、AC/DC、ジャーニーなどの名曲を歌い「Princess of Rock」と絶賛されるほどの存在になっていきます。

さくら“シエル”伊舎堂:【X FACTOR OKINAWA JAPAN】は私の音楽人生において本当に大きかったですね。テレビで放送されたから反響もすごく大きくて、SNSのフォロワーも目に見えて増えていくのが分かりましたし、どこに行っても私を知っている人がいるんですよ。近所のスーパーで買い物しているだけで「見たよ! 格好良かったよ!」って言ってもらえたり。あと、私は幼い頃からディープ・パープルとかAC/DCとかジャーニーとかハードロック/ヘヴィメタルばかり聴いていたので、教室で嵐やEXILEの話題で盛り上がっている友達の輪に入れなかったんですけど(笑)、私の歌を聴いた同年代の女の子から「今まで聴いたことがない曲だったし、触れたことのないジャンルだったけど、さくらちゃんが歌っているのを聴いてCD借りてみました」とか「YouTubeで他の曲も調べてみたら格好良くてハマりました」とか言ってもらえるようになって、それはいちばん嬉しかったです。

--D.H.C.においてもその役割を担いたい想いは強いんじゃないですか?

さくら“シエル”伊舎堂:例えば「メタル怖い」とか「うるさい音楽でしょ。聴かない」みたいなイメージを持っていた人たちにもD.H.C.の音楽を聴いてほしいし、実際にこれまでハードロック/ヘヴィメタルを聴かなかった人がD.H.C.で好きになってくれたケースも増えているんですよ。そういう反響を目や耳にする度に嬉しい気持ちになります。今まで「いや、いいよ」と食わず嫌いで聴かないジャンルだったかもしれないけど、自分がD.H.C.で歌わせて頂けるようになったことで「試しに聴いてみたんだけど、メタルってめちゃくちゃ面白いね」と言ってもらえたりすることは、私がD.H.C.で歌っていく上での大きな力になっていますね。「ここまで音楽を続けてきて良かったな」と思う瞬間でもありますし。なので、これからもどんどんD.H.C.のファンやメタルファンを増やしていけるように頑張りたいです!

--第IIIの大聖典『魔界美術館』もまたそんなD.H.C.信者を増大するきっかけになると思うんですけど、今作の制作にはどんな気持ちで臨まれたのでしょう?

さくら“シエル”伊舎堂:『旧約魔界聖書 第I章』『旧約魔界聖書 第II章』以上のプレッシャーがありました。今回の『魔界美術館』は陛下がかつて完成させてリリースしいる楽曲群なんですよ。なので、陛下の信者の皆さんは聴いたことがある楽曲たちなんです。それらをさくらの歌で、D.H.C.の音で改造してもう1回聴いてもらうイメージだったので、ハードルがめちゃくちゃ高かったんですよね。絶対に比較されるので。それが確定している状況下でどうやったら「D.H.C.のバージョンも好きになったよ、さくら“シエル”伊舎堂が歌っているバージョンも好きだよ」と言ってもらえるのか。そこはずっと悩み続けましたね。でも、その甲斐もあってか、自分でも何回もニヤニヤしながら聴き返してしまうぐらい最高の大聖典になったと思います。あと、リード曲の「嵐が丘」に関しては、最後のサビに「悪魔の力 手に入れた この魂さえ 奪われても 砕かれても 悔いはしない」という歌詞があるんですけど、これはまさに自分のことだなと思って!「私もこういう気持ちなんだよ!」と自分の人生を重ねながらすごく入り込んで歌わせて頂きました。

--実際に悪魔の力を手に入れて今があるわけですからね。そして、本作『魔界美術館』リリース後には、D.H.C.初ワンマンライブ【Damian Hamada's Creatures 1st Live 魔界小学校入学式典 ~ Devilish Hell Ceremony ~】の開催が控えております。どんな式典にしたいと思っていますか?

さくら“シエル”伊舎堂:タイトルからして最高ですよね! やっと入学できる(笑)!「ずっとライブがしたい、いつか陛下の曲をライブで歌いたい」と言い続けてきたんですけど、やっと実現するんですよ。しかも陛下も出るんですよ! 22年ぶりですよ? 私が生まれた年以来のステージになるんですよ? で、私たちは陛下と並んで演奏するわけですよ。陛下と陛下が創った曲を演奏するんですよ? 私にとっては夢のような話ですし、おそらく私はこの日の為に十数年歌い続けてきたんだろうなと思います。人生でいちばん大事な日になると思いますし、いらっしゃってくれる信者の皆さんにとっても最高の日になることを約束します!

Interviewer:平賀哲雄

◎Damian Hamada's Creatures 『魔界美術館』Promotion Movie
https://www.youtube.com/watch?v=3MyxzwhhQQY

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