2013/03/02 09:00
“グラミー熱冷めやらぬ”先週のチャートアクションから、大きな変動はない3月9日付のビルボード全米アルバムチャート。
マムフォード&サンズの『バベル』が首位をキープして、シングル・ヒットの効果もありブルーノ・マーズの『アンオーソドックスジュークボックス』が2位まで浮上。グラミー出演アーティストのナンバーも多数収録された『ナウ45』が8位から4位へとアップして、5位にはルミニアーズ、7位にはそのグラミー盤『2013グラミー・ノミニーズ』、8位にファン、9位は再びトップ10内に返り咲きしたリアーナの『アポロジェティック』、10位は既に今年の年間ナンバーワン候補である、テイラー・スウィフトの『レッド』が続く。
そして、そのグラミー効果を受けて今週最もポイントを伸ばしたのが、先週の20位から6位にランクアップしたアラバマ・シェイクスの『ボーイズ・アンド・ガールズ』。最優秀新人部門他3部門にノミネートされたアラバマ出身のバンドで、新人ながらも音楽評論家等の評価は軒並み高く、ゴールデン・グローブ賞のノミネーションで主要4部門にノミネートされている映画『世界にひとつのプレイブック』で起用された「オールウェイズ・オールライト」が今回注目を集めるキッカケに至ったのだろう。サウンドは60年代のカントリーっぽいものもあれば、モータウンのようなポップン・ソウルもあり、アル・グレーン風味のサザン・ソウルっぽい泥臭さもある。ブルー・アイド・ソウルというよりは、もっとどっぷり浸かっているようなファンキーさを持ち合わせた、本格派、実力派、古典派の音楽ルーツ。まさに、グラミーで審査する音楽ツウが好きそうなアーティストだ。今週以降も、しばらくは上位長期滞在が見込まれるアルバムだろう。
3位のジョシュ・グローバン以外は全て、グラミー賞の影響を受けてヒット中のアーティストで網羅した、今週のアルバム・トップ10。その効果はトップ10以下のセールスにも大きく反映しているようで、2011年、2012年と2年連続で年間ナンバーワンに輝いたアデルの『21』が未だ、グラミーの影響を受けて14位まで上昇していたり、24位には3月6日に日本デビューを果たすハンター・ヘイズのデビュー盤が、そしてマムフォード&サンズのデビュー作『サイ・ノー・モア』が31位にランクインと、ジワジワとポイントを伸ばし続けている。3月いっぱいは、まだグラミー効果がアルバムチャートに大きく反映してくるだろう。
初登場人気ナンバーワンは、20位にデビューしたバックチェリーの『コンフェッションズ』。契約の問題でプロモーションが思うように行えなかったり、リリースが遅れたりと少々心配なスタートを切った今作だが、彼らの定着ファンがこれだけいる、ということをしっかり証明してみせた。パっと聴いた感じでは若干癖があり、すんなり入ってくる、とは言い難いが、こちらもアラバマ・シェイクス同様に評論家等からの評価が高い作品に仕上がっていて、聴いていくうちに味の出てくる作品だ。
次週はシングル・チャートに続いてアルバムチャートでも、ブルーノ・マーズが再び首位に返り咲くか、マムフォード&サンズがキープするかに注目したい。
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