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2021/09/14 13:45

【米ビルボード・ソング・チャート】ドレイク9曲がTOP10初登場の史上初快挙、最新AL収録曲全てTOP40入り

 ドレイクの新作『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』から「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 2021年最大の初動ユニット613,000を記録して、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で通算10作目No.1デビューを飾った『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』。アルバム(Billboard 200)、シングル(Hot 100)の両チャートで同じ週に初登場1位を獲得したのは、 昨年2回達成したテイラー・スウィフト(2020年8月8日、12月26日)、BTS(2020年12月5日)、ジャスティン・ビーバー(2021年4月3日)に続く4組目の快挙で、アルバムに収録された21曲中TOP10に9曲、TOP40に21曲が初登場するという史上初の記録も達成した。

 TOP10にランクインしたタイトルの()内には、週間ストリーミング/週間エアプレイ/週間セールスをそれぞれ記載している。

1位「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」(6,730万回/770万回/7,000ダウンロード)
2位「Girls Wants Girls feat.リル・ベイビー」(5,740万回/150万回/3,000ダウンロード)
3位「Fair Trade feat.トラヴィス・スコット」(5,380万回/240万回/5,800ダウンロード)
4位「Champagne Poetry」(4,830万回/297,000回/1,900ダウンロード)
5位「Knife Talk feat.21サヴェージ&プロジェクト・パット」(4,590万回/141,000回/3,300ダウンロード)
7位「In the Bible feat.リル・ダーク&ギヴィオン」(4,140万回/489,000回/800ダウンロード)
8位「Papi's Home」(3,990万回/663,000回/1,800ダウンロード)
9位「TSU」(3,980万回/120万回/1,500ダウンロード)
10位「Love All feat.ジェイ・Z」(3,910万回/250万回/3,200ダウンロード)
11位「No Friends in the Industry」
12位「N 2 Deep feat.フューチャー」
14位「Pipe Down」
16位「7am on Bridle Path」
18位「Race My Mind」
22位「IMY2 feat.キッド・カディ」
24位「Yebba's Heartbreak feat.イエバ」
25位「You Only Live Twice feat.リル・ウェイン&リック・ロス」
26位「Fountains feat. Tems」
27位「Get Along Better feat.タイ・ダラー・サイン」
32位「Fucking Fans」
35位「The Remorse」

 TOP5を同じアーティストが独占したのは、1964年4月4日付チャートでビートルズが達成して以来57年ぶり、2度目の快挙。なお、4位にランクインしている「Champagne Poetry」には、そのビートルズの楽曲「ミッシェル」(1965年)がサンプリング・ソースとして使われている。

1964年4月4日付チャートTOP5
1位「キャント・バイ・ミー・ラヴ」
2位「ツイスト・アンド・シャウト」
3位「シー・ラヴズ・ユー」
4位「抱きしめたい」
5位「プリーズ・プリーズ・ミー」

 上記のビートルズが達成した5曲はいずれも下位から上昇したタイトルで、5曲すべてをTOP5に初登場させたのはドレイクが史上初。今年の3月20日付チャートでは、1位に「What’s Next」、2位に「Wants and Needs feat.リル・ベイビー」、3位に「Lemon Pepper Freestyle feat.リック・ロス」を送り込み、TOP3全てを初登場曲で独占する史上初の記録も打ち出している。

 ドレイクは、2018年7月14日付チャートで前作『スコーピオン』から10曲中7曲をTOP10に初登場させたが、今週その記録を自身が塗り替えた。同じアルバムから7曲以上がTOP10入りしたのは、その『スコーピオン』以来3年ぶりで、その他には同7曲をランクインさせたマイケル・ジャクソン『スリラー』(1982年から84年)、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』(1984年から85年)、ジャネット・ジャクソンの『リズム・ネイション1814』(1989年から91年)の3作がある。

 TOP40に21曲以上を同時(同週)ランクインさせたのはドレイクだけで、2018年7月14日付チャートで同21曲を記録した前作『スコーピオン』に続く2度目の快挙。今週21曲を追加したことで、TOP40にランクインした楽曲を歴代最多の143曲に更新した。同時に、100位内にランクインさせた楽曲としても通算258曲に歴代最多記録を更新。そのうち2021年にランクインしたのは33曲で、年間の最多ランクイン数37曲をもつリル・ダークに続く歴代2番目の記録に達した。残り約3か月で4曲をランクインさせれば、歴代トップに並ぶ。

 Hot 100のランクイン数記録は、2位が207曲でグリー・キャスト、3位は本作にも参加しているリル・ウェインで176曲、4位はテイラー・スウィフトの137曲、5位は先週アルバム『Donda』を1位にランクインさせたカニエ・ウェストで、ドレイクは2位以下と50曲以上引き離してトップを維持している。

 同週でのランクイン数としても、最多27曲を送り込んだ前述の2018年7月14日付チャート、翌7月21日の24曲、ミックステープ『モア・ライフ』が初登場した2017年4月8日付チャートの同24曲、翌4月15日付チャートの21曲に続く歴代5番目の記録を達成した。

 今週TOP10に9曲をランクインさせたことで、TOP10入りしたタイトルを54曲に更新。TOP10のランクイン数も歴代最多を誇るドレイクは、2位のマドンナがもつ38曲をさらに引き離した。

 アルバムに参加したゲストでは、ジェイ・Zが22曲目に記録を更新し、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4年代でTOP10入りする快挙を達成している。その他、リル・ベイビーが8曲、トラヴィス・スコットが10曲、21サヴェージが5曲、リル・ダークとギヴィオンはそれぞれ2曲目にTOP10のランクイン数をそれぞれ更新した。5位の「Knife Talk」にフィーチャーされたプロジェクト・パットにとっては初のTOP10入りとなる。

 「Way 2 Sexy」が1位に初登場したことで、ドレイクはさらに首位獲得総数を9曲に、首位獲得総週を52週にそれぞれ更新した。首位獲得数はエルトン・ジョン、ビー・ジーズ、ポール・マッカートニー、アッシャー、ケイティ・ペリーと並ぶ9位タイに、カナダ人アーティストとしては8曲で並んでいたジャスティン・ビーバーを上回る歴代トップに立った。首位獲得総週は、マライア・キャリー(84週)、リアーナ(60週)、ビートルズ(59週)に続く4番目の記録で、男性ソロ・アーティストとしては歴代最長となる。

ドレイク首位獲得曲
2010年 リアーナ「ホワッツ・マイ・ネームfeat.ドレイク」(1週)
2016年 リアーナ「ワークfeat.ドレイク」(9週)
2016年 「ワン・ダンスfeat.ウィズキッド&カイラ」(10週) 
2018年 「ゴッズ・プラン」(11週)※初登場1位
2018年 「ナイス・フォー・ホワット」(8週)※初登場1位
2018年 「イン・マイ・フィーリング」(10週)
2020年 「トゥージー・スライド」(1週)※初登場1位
2021年 「What’s Next」(1週)※初登場1位
2021年 「Way 2 Sexy feat.フューチャー&ヤング・サグ」(1週)※初登場1位

 1位に初登場したタイトルは「What’s Next」に次ぐ通算5曲目で、この記録も同5曲をもつアリアナ・グランデと並ぶ歴代最多記録となる。

 意外ではあるが、ゲストのフューチャーにとっては初の首位獲得で、通算4曲目のTO10入り。その4曲のうち、昨年8週間2位を記録した「ライフ・イズ・グッド」と、リル・ウェインの「ラヴ・ミー feat.ドレイク&フューチャー」(2013年)の3曲はドレイクとのコラボレーションで、もう1曲は最高5位を記録した「マスク・オフ」(2017年)だった。

 ヤング・サグは、ゲストとして参加したカミラ・カベロの「ハバナfeat.ヤング・サグ」(2018年)と、トラヴィス・スコットの「フランチャイズfeat.ヤング・サグ&M.I.A.」(2020年)に続く3曲目の首位獲得で、5曲目のTOP10入りを果たしている。

 「Way 2 Sexy」にサンプリングされたライト・セッド・フレッドの「アイム・トゥ・セクシー」(1991年)は、原曲が1992年2月に3週間、この曲を使用したテイラー・スウィフトの「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」が2017年に同3週をそれぞれ記録し、間接的ではあるが3回目の首位を獲得したことになる。

 「Way 2 Sexy」は、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでもそれぞれ1位に初登場し、首位獲得記録をどちらも歴代最多の23曲に更新した。ストリーミング・ソング・チャートでは11曲目の首位獲得で、ヤング・サグは2曲目、フューチャーはHot 100に続き自身初のNo.1タイトルを獲得。2021年の週間ストリーミングとしては、1月23日付チャートでオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」が記録した7,610万回に次ぐ2番目に高い記録となる。

 ドレイクの登場によりHot 100ではTOP10圏外に一旦ランクダウンしたが、エアプレイ・チャートはエド・シーランの「バッド・ハビッツ」が2週目、デジタル・ソング・セールス・チャートはBTSの「Butter」が15週目の首位をそれぞれキープしている。

 今週のTOP10で唯一別アーティストがランクインしたのは、2位から6位にダウンしたザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」で、ドレイクとジャスティン・ビーバーのカナダ勢が独占した。なお、ザ・キッド・ラロイはオーストラリア出身のアーティスト。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月17日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Way 2 Sexy」ドレイクfeat.フューチャー&ヤング・サグ
2位「Girls Wants Girls」ドレイクfeat.リル・ベイビー
3位「Fair Trade」ドレイクfeat.トラヴィス・スコット
4位「Champagne Poetry」ドレイク
5位「Knife Talk」ドレイクfeat.21サヴェージ&プロジェクト・パット
6位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
7位「In the Bible」ドレイクfeat.リル・ダーク&ギヴィオン
8位「Papi's Home」ドレイク
9位「TSU」ドレイク
10位「Love All」ドレイクfeat.ジェイ・Z

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