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2021/06/09

今年の【ユーロヴィジョン】を制した平均年齢20歳のイタリア発ロック・バンド=マネスキンに注目

 アバ、セリーヌ・ディオンを生んだヨーロッパ最大の音楽の祭典【ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021】で、先日見事優勝を飾ったイタリアのロック・バンド、マネスキン。優勝をきっかけに同大会で披露し、メンバーが作詞・作曲を手掛けた「ジッティ・エ・ブオーニ」(Zitti E Buoni/訳:黙ってイイ子にしてな)が、現在世界中の音楽シーンでブレイク中だ。 
 
 毎年約2億人が視聴すると言われる【ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021】でイタリアのアーティストが優勝するのは31年ぶりの快挙で、優勝後わずか1日で「ジッティ・エ・ブオーニ」はSpotifyで400万回近くストリーミングされるなど、イタリアの楽曲として史上最多の再生回数を記録した。

 その勢いはイタリアだけにとどまらず、ヨーロッパ各国、アメリカ、そして日本にも広がり、すでに13か国のSpotify「トップ50」チャートで1位、同「トップ50グローバル」で9位を始め、各国のバイラルチャートで急上昇を果たしている。ここ日本でも「ジッティ・エ・ブオーニ」と「アイ・ワナ・ビー・ユア・スレイヴ」の2曲が、6月1日付のSpotify「バイラルトップ50-JAPAN」のTOP10にランクインし(「ジッティ・エ・ブオーニ」2位、「アイ・ワナ・ビー・ユア・スレイヴ」7位)、邦楽が大半を占める中で異例のチャート・アクションを見せている。またアメリカでも「アイ・ワナ・ビー・ユア・スレイヴ」が、6月6日付の同「バイラルトップ50-USA」で1位(「ジッティ・エ・ブオーニ」4位)を獲得するなど、全世界で目下大注目のバンドとなっているのだ。 
 
 マネスキンは20~22歳のダミアーノ・デイヴィッド(vo)、ヴィクトリア・デ・アンジェリス(b)、トーマス・ラッジ(g)、イーサン・トルキオ(ds) から成るイタリアはローマ出身の4人組バンド。デンマーク語で「月光」を意味するバンド名は、デンマーク人とのハーフであるヴィクトリアがメンバーに頼まれていくつか提案した単語の中で、一瞬のうちに彼らを魅了したのが“マネスキン”だったという。メンバーは小学校低学年からの知り合いで、一緒に音楽をやるようになったのは2015年から。彼らのサウンドはロック、ラップ、ヒップホップ、レゲエ、ファンクの要素を多彩に織り交ぜ、フロントマン・ダミアーノのソウルフルな声によりまとめられていることが特徴だ。また、華やかなロック・スター然としたステージ衣装も目を引く。 
 
 今回世界的に注目を浴びることになった彼らだが、母国イタリアでは2018年にリリースした初のスタジオ・アルバム『イル・バッロ・デッラ・ヴィータ』で早くも成功している。イタリアのアルバム・チャートで初登場1位、トータル再生数は1億7000万回以上を数え、アルバムはダブル・プラチナ(10万枚以上)を獲得した。さらに、ヨーロッパ・ツアー全80公演中66公演が完売し、計14万人以上を動員した。そして今年3月にセカンド・アルバム『テアトロ・ディーラ Vol.I』をリリース。既に1億1,300万回以上再生され、前作同様イタリアのアルバム・チャートで初登場1位、アナログ盤ベストセラー・チャートでも1位を獲得したのち、Spotify「トップ10グローバル・アルバム・デビュー」チャートで6位に到達した。同月彼らはイタリアで最も権威ある音楽祭“サンレモ音楽祭”に参戦、【ユーロヴィジョン】前哨戦ともなった同大会でも「ジッティ・エ・ブオーニ」で優勝を果たしており、わずか2か月半の間で2冠を獲得するという快挙を成し遂げた。 
 
 今後彼らは続作『テアトロ・ディーラ Vol.II』を年内にリリースする予定だ。また12月に初のアリーナ・ツアーを行ない、2022年春に長期ツアーに出ることも発表している。新たなロック・スターが不在の昨今、ロック復活の狼煙を上げて世界を席巻し始めた彼らに要注目だ。 

◎リリース情報
アルバム『テアトロ・ディーラ Vol.I』
配信中
https://SonyMusicJapan.lnk.to/ManeskinTeatrodIraVol1