絢香「I believe」「三日月」に頼らず“今の自分”で涙誘う

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2012/08/13

昨年末『NHK紅白歌合戦』等の音楽番組で活動再開し、今年2月にアルバム『The beginning』をリリースした絢香。今作を引っ提げた、復帰後初となるツアーを8月8日横浜アリーナにて締め括った。

＜1曲目から涙を誘う声～「I believe」「三日月」に頼らず＞

　今春より【LIVE TOUR 2012“The beginning”～はじまりのとき～】と題したツアーで、全国各地を横断。日本中のリスナーと再会した絢香だが、最終日も彼女へ“おかえり”を伝えるべくファンはステージ周囲を360度埋め尽くしていた。幻想的なピアノの音色に誘われるように登場した彼女は、大歓声に包まれながら「泣いて泣いて眠った目覚めた次の朝あなたが隣にいた」と、今のシチュエーションとシンクロするフレーズに心を込めて歌い始める。一瞬にして涙を誘う、エモーショナルで包容力の増した声。

　満面の笑みで「ただいまぁ～!!」と叫んだ絢香に、全力で呼応するファン。そして「みんなに会えて最高に嬉しいこの気持ちと、「今日ここに来てくれてありがとう、ライブに参加してくれてありがとう」という想いを、歌に込めて、込めて、ひとりひとりに届けるから、しっかり受け取ってね！」という言葉通り、彼女は「I believe」「三日月」といった過去の代表曲に頼らず、最新アルバム収録曲や新曲「ツヨク想う」など“今、届けたい歌”を精一杯届けていく。

＜アデルの名曲カバー～ファンからの「おかえり」＞

　真城めぐみとのフェイクバトルを経ての後半戦は、2012年『第54回グラミー賞』で主要3部門含む6部門で賞を獲得した歌姫アデルの名曲「Rolling in the Deep」をカバー。本家に肉薄する熱量で響かせたと思えば、さらに「手をつなごう」「おかえり」といった変わらぬ想いが綴られているのであろう楽曲を真心全開で披露し、再び多くの涙を誘っていく。そして本編最後には「はじまりのとき」をなんとマイクレスのアカペラで披露。「泣いた昨日立ち止まった昨日全て明日につながる」と改めて信念を歌ってステージを去ったのだが、この直後、今度は彼女が嬉しい涙を浮かべることになる。

　ステージに突如響き渡る、超満員の観客による大合唱。「おかえり I'm home 一言で満たされる心おかえり sweet home 帰る場所愛をありがとう」―――、感激した絢香は「愛をありがとう！」と歌いながら再登場し、「そんなん嬉しすぎるやんかありがとう！」と告げ、みんなと記念撮影。そして「お休み中、みんなと私を繋げてくれた大事な曲です」と、「みんな空の下」を優しくも力強い声で届け、さらに「この日を、この景色を想って描きました。一緒に歌ってね！」と、最後に「キミヘ」で感謝の想いを改めて届けていく。

＜これからもずっと、ずっと歌い続けるよ！＞

　「キミヘ」の曲間で「みんなに何度も何度も会えるよう、何度も何度もこうやって一緒に幸せな時間を過ごせるよう、これからもずっと、ずっと歌い続けるよ！」と叫んだ絢香。その言葉に嘘がないことは、同ツアーにおける彼女の歌声が証明していた。どこまでも真っ直ぐで、あらゆるものを懸命に信じようとするメッセージの数々、一瞬にして感動を呼び起こせる音楽と歌声が、これからのシーンでどんな現象やストーリーを生み出していくのか。ぜひ注目してほしい。

◎ライブ【LIVE TOUR 2012“The beginning”～はじまりのとき～】
08月08日（水）横浜アリーナ SET LIST：
01.The beginning
02.笑顔のキャンパス
03.Magic Mind
04.アカイソラ
05.そこまで歩いていくよ
06.夢を味方に
07.繋がる心
08.HIKARI
09.空よお願い
10.ツヨク想う（新曲）
11.THIS IS THE TIME
12.Rolling in the Deep
13.手をつなごう
14.おかえり
15.Hello
16.やさしい蒼
17.はじまりのとき
En1.みんな空の下
En2.キミヘ