2018/03/14 22:00
グラミー賞10冠に輝くジョン・レジェンド。約3年半ぶりに行われた来日公演のライブレポートが到着した。
最新作『Darkness And Light』を提げたツアーがようやく日本上陸。今やアリーナ・クラスの会場でコンサートをやることが普通となったジョン・レジェンドだけに、中規模のライヴ・ハウスでの来日公演は貴重だろう。
ステージは、上手(かみて)にパーカッションとギター、下手(しもて)にドラムスとベース、キーボード、中央にジョンが弾くグランドピアノを配備。3管編成のホーン隊と、振りもバッチリ決まったレトロでスタイリッシュな3人の女性コーラス隊は曲によって上手から下手に移動したり、前後したりする。「Penthouse Floor」をはじめとする最新作のナンバーを軸に、「Ordinary People”“Green Light」といった過去のヒットや映画『ラ・ラ・ランド』『美女と野獣』などのサントラ提供曲、アカペラで歌ったビーチ・ボーイズ「God Only Knows」など話題のカヴァーを挿んだセットリストはベスト・オブ・ベスト的なもの。バックスクリーンに万華鏡風のサイケな図柄やワシントン大行進のデモ映像などを映しながら、ジョンは時にピアノ弾き語りで、ある時はピアノの上に立って、レコーディング音源と寸分の狂いもない、それでいてライヴらしい活気溢れる、燃えるようなヴォーカルで力強く誠実に歌い上げていく。とにかく圧倒的な声量。MCは少なめでも歌さえあれば十分と思わせる説得力だ。
ジル・スコットやビラルに関わるフィラデルフィアの腕利きを擁した演奏陣によるゆったりとしながらも研ぎ澄まされたバックの音も、最新作でアラバマ・シェイクス人脈と絡んで見つめ直したジョンのソウルなルーツを生々しく引き出す。特に、愛娘の出産立ち会い時に流していたというカーティス・メイフィールド“Superfly”はファルセットも含めてファンキーな原曲を忠実に再現したカヴァーで、70年代前半のニュー・ソウルに通じるライヴ後半のムードを象徴していた。
「All Of Me」で客席に合唱を促し、映画主題歌「Glory」を歌い終えてキング牧師が乗り移ったかのような高潔な表情でステージを去るまで、愛と平和を謳った2時間近く。グラミー賞やアカデミー賞のステージで大役を任される人らしい風格と自信に満ち溢れた快演だった。
Text: 林 剛
Photo: Masanori Naruse
◎公演情報
2018年3月12日(月)・13日(火) EX THEATER ROPPONGI <終了>
◎リリース情報
アルバム『ダークネス・アンド・ライト』
AVAILABLE NOW
<国内盤>CD
SICP-5140 2,400円(tax in.)
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