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2017/06/14 11:00

ケンドリックやトラヴィス・スコット参加、実力派新星シンガーにいる包容力あるデビュー作 / 『Ctrl』SZA(Album Review)

 米ニュージャージー州出身の26歳、ネオソウル界・期待の新星、女性R&BシンガーのSZAが、自身初のフル・アルバム『Ctrl』を2017年6月9日にリリースした。『Ctrl』とは、パソコンのコントロールキーのことで、ジャケット・アートでは、廃棄された古いパソコンの中央にSZAが座り、アルバムのテーマを表現している。

 SZAは、2012年に『See.SZA.Run』、2013年に『S』の2作のミックステープをリリースし、2014年4月にはEP盤『Z』を発売している。本作『Ctrl』は、『Z』から3年の時を経てようやくリリースされた初のフル・アルバムで、今年1月に「ドリュー・バリモア」、4月に人気ラッパーのトラヴィス・スコットが参加した「ラブ・ガロア」、そしてアルバムリリースの1週間前にリリースされた、「ブロークン・クロックス」の3曲が、リード・シングルとして発売されている。

 プロデュースは、ロビン・シックやワーレイ、エステルなどの人気シンガーを手掛けるプロダクション・チーム、ベス・ケプト・シークレットや、2016年はドレイク、リアーナ、ザ・ウィークエンドなどのヒット曲を担当したフランク・デュークス、カリフォルニア出身のラッパー兼プロデューサーのパンチ、現在大ヒット中のケンドリック・ラマー最新作『DAMN.』にも参加しているヒットメイカー、テラス・マーティン等がクレジットされている。また、制作は全曲SZAが担当している。

 90年代R&Bを彷彿させる「ザ・ウィークエンド」、ケンドリック・ラマーが参加したネオソウル・チューン「ダヴズ・イン・ザ・ウィンド」や「ゴー・ジーナ」、ドレイクをそっくり真似たトラップ調の「ブロークン・クロックス」など、どっぷり黒いナンバーが本作の聴きどころで、難解な曲を難なく歌いこなすSZAの歌唱力に圧倒させられる。アコースティック・ギターで弾き語りのように歌う、ミニー・リパートンを意識したような70年代風ソウル「20サムシング」もすばらしい。

 スペイシーな音が飛び交う「エニシング」や、アイザイア・ラッシャッドのミステリアスなラップが光る「プリティー・リトル・バーズ」など、宙に浮くようなサウンドも心地よく、リラックスしながら聴けるのも、本作の魅力。これから迎える夏本番に、レゲエ調の「ガーデン」もぴったりハマるだろう。「ノーマル・ガール」や「プロム」は、アルバムの中でも割とキャッチーなナンバーで、こういったポップに近い曲もクールに仕上げるSZAは、本当に実力のあるシンガーといえるだろう。何より、彼女には26歳とは思えない圧倒的な包容力がある。


Text:本家一成

◎リリース情報
『Ctrl』
SZA
2017/6/23 RELEASE

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