2025/12/09 11:00
今週(2025年12月13日付)の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”は、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が約1年ぶりに返り咲き、歴代最長記録となる通算19週目の首位を獲得した。TOP10には、同曲を含む7曲のホリデー・ソングがランクイン。ワム!の「ラスト・クリスマス」は6位から2位に上昇して、これまでの最高位を更新している。
1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。発売25年目の2019年12月21日付で遂に通算19曲目の首位に輝いた。首位獲得曲数としては、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録で、女性アーティストとしては最多記録を保持している。
2019年以降の首位獲得週は以下のとおりで、2019年から2025年まで7シーズン連続で1位を獲得した。これまで数年にわたり首位を獲得した曲は、1960年と1962年に達成したチャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」と「恋人たちのクリスマス」の2曲しかない。
・2019年12月21日付(1週目)
・2019年12月28日付(2週目)
・2020年1月4日付(3週目)
・2020年12月19日付(4週目)
・2021年1月2日付(5週目)
・2021年12月25日付(6週目)
・2022年1月1日付(7週目)
・2022年1月8日付(8週目)
・2022年12月17日付(9週目)
・2022年12月24日付(10週目)
・2022年12月31日付(11週目)
・2023年1月7日付(12週目)
・2023年12月23日付(13週目)
・2023年12月30日付(14週目)
・2024年12月14日付(15週目)
・2024年12月21日付(16週目)
・2024年12月28日付(17週目)
・2025年1月4日付(18週目)
・2025年12月13日付(19週目)
「恋人たちのクリスマス」が初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週(2025年12月13日付)までの期間は、6年に到達するまで残り1週間に迫る記録となっている。また、この記録によりマライア・キャリーは1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの異なる年代すべてで首位を獲得した初のアーティストにもなった。
「恋人たちのクリスマス」は、今週の集計期間(2025年11月28日~12月4日)に公式ストリーミング再生数が3,370万回(前週比52%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数が2,240万回(前週比37%増加)、セールスは3,000(前週比86%増加)を記録した。
ストリーミング・ソング・チャートでも先週の3位から1位に上昇して、自己最長記録となる通算23週目の首位を獲得。エアプレイ・チャートでは前週の40位から今週21位に上昇(最高位は7位)、デジタル・ソング・セールス・チャートでは19位から4位にTOP5復帰した(最高位は1位/6週間)。
ソング・チャート“Hot 100”の集計が始まった1958年8月4日付以降、首位を獲得したタイトルは1,184曲で、そのうち19週間以上首位を獲得したタイトルはリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」、シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」、そして「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、現時点ではこの3曲が歴代最長タイ記録となる。
・19週間:マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019~2025年)
・19週間:シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」 (2024年)
・19週間:リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
・16週間:モーガン・ウォーレン「ラスト・ナイト」 (2023年)
・16週間:ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年)
・16週間:マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~1996年)
・15週間:ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年)
15週間以上首位を獲得した上記の7曲は、全てルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得したタイトルで、それ以前よりも長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。その中でも、マライア・キャリーは2曲のタイトルをもつ唯一のアーティストとなった。
これまでホリデー・ソングとして首位を獲得したのは、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、デヴィッド・セヴィル&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」、2023年のシーズンに3週間1位を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンドザ・クリスマス・ツリー」、今週で通算19週目に記録を伸ばした「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、引き続き「恋人たちのクリスマス」が最長記録を保持している。
マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から、今週(2025年12月13日付)までの期間を35年4か月2週間に更新。この記録を上回るのがブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」で、1960年7月18日付から2024年1月6日付まで63年5か月3週間という記録を打ち立てている。
今週「恋人たちのクリスマス」が1位に返り咲いたことで、マライアは首位獲得総週を通算98週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。
・98週間:マライア・キャリー
・60週間:リアーナ
・59週間:ザ・ビートルズ
・56週間:ドレイク
・50週間:ボーイズIIメン
「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週1位にランクインして、首位獲得週を通算68週目に更新。同チャートの集計が始まったのは2011年からで、チャート総週76週間のうち68週を「恋人たちのクリスマス」が独占している。また、ビルボードが発表した史上最高のホリデー・ソング100曲“Greatest of All Time Holiday 100 Songs”のリストでもトップにランクインした。
「恋人たちのクリスマス」に続き、今週はTOP4をホリデー・ソングが独占。ワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年リリース)は、前週の6位から今週2位に上昇して、昨シーズン記録した3位を上回り最高位を更新した。今週の集計期間には、公式ストリーミング再生数が3,320万回(前週比63%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数が1,820万回(前週比14%増加)、セールスは2,000(前週比76%増加)を記録している。
2016年に逝去した故ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーで構成されたワム!名義の曲としては、これまで以下の7曲がTOP10入りしていて、1985年6月8日付のチャートで「恋のかけひき」(最高位は1位/2週間)が2位にランクインして以来の最高位獲得となる。
()は最高位獲得年
・「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」(1984年/最高1位・3週間)
・「ケアレス・ウィスパー」(1985年/最高1位・3週間)
・「恋のかけひき」(1985年/最高1位・2週間)
・「ラスト・クリスマス」(2025年/最高2位)※更新中
・「フリーダム」(1985年/最高3位)
・「アイム・ユア・マン」(1986年/最高3位)
・「エッジ・オヴ・ヘヴン」(1986年/最高10位)
メンバーのジョージ・マイケルは、ソロ・アーティストとして1996年までに通算15曲のTOP10ヒットを記録していて、ソロ名義で最後にTOP2にランクインしたのは、エルトン・ジョンとのデュエット曲「僕の瞳に小さな太陽」が1位を獲得した1992年2月1日付まで遡る。
先述にあるブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1958年リリース)は、先週の7位から今週3位にTOP3復帰を果たした。公式ストリーミング再生数は3,080万回(前週比60%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数が2,050万回(前週比34%増加)、セールスは2,000(前週比69%増加)に上昇している。
故ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年リリース/最高3位)は、8位から4位に上昇。公式ストリーミング再生数は3,050万回(前週比71%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数が2,000万回(前週比26%増加)、セールスは1,000(前週比70%増加)を記録した。
今週はTOP4以下にも3曲のホリデー・ソングが再登場して、TOP10のうち7曲をホリデー・ソングが独占している。アリアナ・グランデの「サンタ・テル・ミー」(2014年リリース/最高5位)は前週の13位から8位に上昇、公式ストリーミング再生数は2,480万回(前週比61%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数は770万回(前週比17%増加)に数字を伸ばした。
1946年に初めて録音された故ナット・キング・コールの「ザ・クリスマス・ソング」は、前週の18位から現時点での最高位となる9位に上昇。公式ストリーミング再生数は2,260万回(前週比70%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数は1,650万回(前週比33%増加)を記録している。
もう1曲ランクインしたのは、先週の17位から10位にTOP10入りした故アンディ・ウィリアムスの「モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年リリース/最高5位)で、公式ストリーミング再生数は2,070万回(前週比70%増加)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数は1,870万回(前週比20%増加)を記録した。
ホリデー・ソングが新たに3曲TOP10入りしたことで、Netflixのアニメーション映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラックから大ヒットを記録しているHUNTR/X(ハントリックス)の「Golden」は、先週の2位から5位にランクダウン。同曲は、8月から8週間(非連続)にわたり首位を獲得した。
先週(12月6日付)のチャートで自己最長記録となる8週目の首位を獲得したテイラー・スウィフトの「ザ・フェイト・オブ・オフィーリア」は6位に、6月から8月まで非連続で10週間首位を獲得したアレックス・ウォーレンの「オーディナリー」も、3位から7位に順位を下げた。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月11日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ラスト・クリスマス」ワム!
3位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
4位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
5位「Golden」HUNTR/X
6位「ザ・フェイト・オブ・オフィーリア」テイラー・スウィフト
7位「オーディナリー」アレックス・ウォーレン
8位「サンタ・テル・ミー」アリアナ・グランデ
9位「ザ・クリスマス・ソング」ナット・キング・コール
10位「モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウィリアムス
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