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2013/09/30

リアン・ラ・ハヴァス初来日公演、アコースティックでナチュラル・ビューティーなUKの才媛

 アルバム『イズ・ユア・ラヴ・ビッグ・イナフ?』が話題となりBBCの「SOUNDS OF 2012」にもノミネートされたイギリスの女性シンガー・ソングライター リアン・ラ・ハヴァスの初来日公演が9月19日、20日にビルボードライブ東京で開催された。

 オープニング・ナンバーは「ノー・ルーム・フォー・ダウト」。この曲をアコースティック・ギターの弾き語りで歌ったところに、リアン・ラ・ハヴァスの個性がよく表れていた気がする。90年代以降のUKソウルは、プログラミングと生演奏とを巧みに組み合わせることによって、米国のR&Bとは違う風景を描いてきた。最近の新鋭にもその傾向は残っているが、リアンはかなりフォーキーでアコースティック寄り。今回のステージを聴いてその印象が強まったのは僕だけではないだろう。

 バックのバンドは、ギター兼ベース、キーボード兼ベース、ドラムス、女性のバック・ヴォーカル、の4人。リアンは終始、アコースティックもしくはエレクトリックのギターを手に、歌う。バンド・サウンドというよりも、リアンの弾き語りにバンドの4人が彩りを添えていくといった演奏ぶりだ。ライヴの中盤にも、リアンひとりの弾き語りによるパートが用意される。

 「フォーゲット」では会場に合唱を呼びかけ、「オウ・シネマ」にはスティーヴィー・ワンダーの「マスター・ブラスター」が挟み込まれる。決して“静”の響きだけではなく“動”の一面も表現されていく。ファースト・アルバムでのリアンのヴォーカルは穏やかなトーンで聴かせるが、ライヴではパンチの効いた歌声を聴かせる場面もあった。

 先日同じビルボードライブ東京のステージに立ったローラ・マヴーラは、音楽的な教育を受けた人の音楽、という感覚が強い。それに対して、リアンはもっとナチュラル。ヴィジュアルの可愛らしさとフォーキーな音楽性とが相まって、今までにないタイプのシンガー・ソングライターが登場したことを教えてくれたのが、この初来日公演の大きな収穫だ。

 このライヴに行かれなかった人も、まだリアンの曲を聴いたことがないという人も、ぜひ1度、彼女の歌を体験してみてほしい。ラストに歌われたデビュー・アルバムのタイトル曲「イズ・ユア・ラヴ・ビッグ・イナフ?」を聴きながら、僕はそう思わずにいられなくなったのだった。

Text:宮子和眞 / Photo:成瀬正規


◎公演情報
リアン・ラ・ハヴァス来日公演
2013年9月17日(火) ビルボードライブ大阪
2013年9月19日(木)~20日(金) ビルボードライブ東京
http://billboard-live.com

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