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2013/03/19

ゲイリー・クラーク・ジュニア 2時間超の大熱演で日本のロック・ファンを圧倒

 デビュー・アルバム『ブラック・アンド・ブルー』が全米アルバム・チャート初登場6位を記録し、ローリング・ストーンズの50周年記念ライブへのゲスト出演などでも話題のギタリスト ゲイリー・クラーク・ジュニアが3月18日、代官山UNITにて一夜限りの初来日公演を行った。

 定刻19時半。“21世紀のジミ・ヘンドリックス”との呼び声も高い新世代のギター・ヒーローをいち早く目撃すべく詰めかけた満員のオーディエンスの前に、トレードマークの真っ赤なエピフォン・カジノを携えたゲイリー・クラーク・ジュニアがバンドメンバーと共に姿を現す。「ホエン・マイ・トレイン・プルズ・イン」のずっしりとしたイントロが会場に響き渡り、ショーはオープニングを迎える。アルバム収録音源では8分弱の同曲を約14分に渡り大熱演、いきなりこれでもかと言う程ギターを歪ませ“挨拶代り”というには強烈すぎる先制パンチを食らわせる。アルバム『ブラック・アンド・ブルー』で受けた、正統派ブルース・ギタリストながらややキャッチーといった印象は初っ端で完全に否定された。もちろん良い意味で。

 曲終わりの「Thank You!」と、チューニング中にオーディエンスから掛けられる言葉にわずかに答える以外、ほぼMCなし、時折白のストラトキャスターに持ち変えながら『ブラック・アンド・ブルー』からのナンバーを中心にエモーショナルかつブルージーなギタープレイでオーディエンスを圧倒。中盤、アルバート・キングのカヴァー「Oh Pretty Woman」などもしっかり披露するあたり、ブルース・ギターの“伝承者”として、数々のレジェンド達に愛されるその器量を存分に感じさせた。また、ヴォーカリストという側面においては、R&Rやブルース・ナンバーでのアプローチ以上に、スウィート・ソウル・チューンで披露した甘く繊細なファルセットがより深く印象に刻まれた。

 そしてハイライトは何といってもアルバムでも圧倒的な存在感を放っていたジミ・ヘンドリックスとリトル・ジョニー・テイラーのナンバーを再構築した「サード・ストーン・フロム・ザ・サン/イフ・ユー・ラヴ・ミー・ライク・ユー・セイ」だ。曲の途中、一度ゲイリーはステージから捌けたものの、その間もバンドメンバーによって壮大なグルーヴはうねり続け、主役の再登場と共にドラマチックなエンディングへ。その演奏時間、およそ20分!

 大喝采の中でのアンコール、大トリを飾ったのは疾走感溢れるR&Rナンバー「エイント・メッシン・ラウンド」。シングルカットされた楽曲というだけでも歓喜のフィナーレを飾るのには十分過ぎる中、サビ後にストーンズの「サティスファクション」をブチ込みコール&レスポンスを展開。確かなテクニックと狂気的なまでのエモーションで繰り広げたトータル2時間超の大熱演。フロアに巻き起こった“Gary!Gary!”という歓声が圧倒的男性によるものであることが何より“ギター・ヒーロー”の証明ではないだろうか。すでに今夏のフジロックで再来日が決定しているゲイリー・クラーク・ジュニア。そのダイナミックでエモーショナルなギターが雄大な大地に響き渡り、自然と共鳴する瞬間が今から楽しみでならない。


◎リリース情報
ゲイリー・クラーク・ジュニア
『ブラック・アンド・ブルー』
2013/03/06 RELEASE
WPCR-14855/6  2,680円(tax in.)

◎ゲイリー・クラーク・ジュニア オフィシャルサイト
(ワーナーミュージック・ジャパン)
http://wmg.jp/artist/garyclarkjr/

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