ヒット曲「彼女はサイエンス（She Blinded Me With Science）」で知られるトーマス・ドルビーが、同曲のビデオを監督して以来、30年ぶりに制作した初めての正式映画がロサンゼルスの【DIY映画祭】で2つの賞を受賞することになった。

　3月8日にハリウッド・ルーズヴェルト・ホテルで開催される授賞式にて、ドルビーは30分の映画『ジ・インヴィジブル・ライトハウス（The Invisible Lighthouse）』で、最優秀監督賞と最優秀ドキュメンタリー短編賞を受け取る。授賞式で同映画が上映される間、彼はスコアをパフォーマンスする予定だ。

　1年で基本的なCGIとスクリーン合成技術を学びながら撮った『ジ・インヴィジブル・ライトハウス』を、ドルビーは生で披露するため今年、全米の劇場ツアーを計画しているという。

　ドルビーの家に近いサフォークの沿岸にある、閉鎖の差し迫った歴史的な灯台を映している同短編映画。その灯台がある島は不発弾があるため一般には解放されておらず、彼は数回に渡り内緒で侵入しカメラを回したようだ。

　同映画祭のプログラミング・ディレクターであるリチャード・マルティーニは、「トーマス・ドルビーの監督としての最初の作品は、誰もが使用可能な道具を使っての創造に挑むといった、“【DIY映画祭】が目指すもの全て”を持ち合わせている。私たちの設立モットーは、前衛的な映画監督ジャン・コクトーの言葉である“鉛筆や紙と同等の費用で映画が創れたとき、そこには本物の芸術があるだろう”から来ている。ドルビーの映画は、まさにこの信念に沿った完璧な手本だ」と話している。