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 静寂に包まれたステージにmeiyoが登場。第一声「よーしやるぞ」と自らを奮いたたせると、ライブは「KonichiwaTempraSushiNatto」でスタートした。頭から離れないインパクトのあるフレーズを繊細なボイスで届けていく。続けて披露された楽曲は「うろちょろ」だ。間奏、サンプラーでビートを作り上げていく姿もまた見応えがあった。約12年間音楽活動を続けてきたmeiyo。そんな中で4、5年前に作り上げたという「机上の空論」では、ストーリー性溢れるその歌詞をエレキギター一本で表現していく。さっきまでの高揚感溢れるステージとは一転して、しんみりとした空間が流れ始めた瞬間だった。

 「ここのスイッチを押すと大変身?」という歌詞がTikTokでバズを起こしている「クエスチョン」もフル尺で初披露され、コメント欄で賑わいを見せた。なお、本楽曲は12月12日に配信リリースされる。躍動感あふれるサウンドによりステージが再び熱を帯びてきたところで、人気沸騰中の「なにやってもうまくいかない」へ。「僕をここまでのし上げてくれた。大事な曲」と語る程meiyoにとって思い入れのある楽曲のパフォーマンスによって、視聴者のボルテージも上がっていく。

 ラストは「全てのことがいつまであるかわからないものをいつまでも愛し続けてほしいな」という一言から「いつまであるか」が披露された。「なにやってもうまくいかなかった」とこれまでの音楽活動についてを振り返ったmeiyo。そんな苦労や葛藤を乗り換えてきたからこそ描けるストレートで現実味のある歌詞に心を揺れ動かされる。また、哀愁漂うエレキギターの音色もエモーショナルにスタジオ全体に響き渡った。コメント欄には「伝わる」という共感のメッセージが溢れていた。



Text: Tatsuya Tanami
Photo: Masanori Naruse

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