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Suzu×Saku×新山詩織×山崎あおい“ギタ女”対談
アイドルブームの次のムーヴメントに成り得るか、音楽業界全体が注目している女性シンガーソングライター/ギタ女シーン。ギタ女とひとえに言っても、その音楽スタイルは多種多様で、ポップス/ロック/アイドル/ダンスミュージック等々様々なフィールドにリーチできるシーンへと成熟しつつある。
そんな2014年夏、数多く存在する若手女性シンガーソングライター/ギタ女の中からSuzu×Saku×新山詩織×山崎あおいといった各方向に振り切れたアーティストに集結してもらい、シーンの未来を占う話からちょっと不器用なガールズトークまで、それぞれに人見知りながらも熱く楽しく語ってもらった。
ギタ女から見たアイドルシーン~
ギタ女は次のブームになる?
--皆さん、元々仲良しではあるんですか?
Suzu:みんな、仲間ですね!
一同:(笑)
--まだ4人のことを知らない人の為に自己紹介して頂きたいんですが、まず元気なSuzuさんからお願いします。
Suzu:今年2月にメジャーデビューした、沖縄県出身、19歳、Suzuです。B型!
Saku:渋谷のタワーレコードで働きながら音楽活動をしています。Sakuです。
新山詩織:去年の4月にメジャーデビューしました、新山詩織です。18歳です。埼玉県出身です。
山崎あおい:北海道出身の20歳、山崎あおいです。よろしくお願いします。
--基本的に人見知りの人種である女性シンガーソングライター/ギタ女が4人も集まって対談するってなかなかないと思うんですけど、どんな心持ちで今日のこの対談に臨んでる感じですか?
山崎あおい:緊張してました。今言われたとおりに人見知りで、特に私は思いっきり人見知りのほうなので、同世代の女の子4人が集まるっていうだけで、ちょっと緊張しますね。
新山詩織:私も緊張します。
--この2人は緊張ツートップ感あるよね(笑)。
Saku:私はこの中で一番年上なんですよ。21歳なんですけど、なのでお姉さんだからちゃんとしなきゃ!って思えてきました(笑)。
Suzu:私はこの日を楽しみにしていたんですよ! 同世代のギター弾いてる女の子の仲間がなかなかいなくて、沖縄でストリートライブやっているときは結構年上の人ばっかりだったので、今日は共通する話とか出来たらいいなと思っています。
--“ギタ女”という言葉が世に出てきたことについてはどんな印象を?
Suzu:え、普通でした。
一同:(爆笑)
Suzu:女子でギター弾いている人が増えてきたんだなぁ~って思った。
Saku:作文みたい(笑)。
山崎あおい:私がギターを始めた頃は、ギタ女と呼ばれる人がいて、それに憧れて始めた世代でもあったので、私の中ではずっとギタ女のつもりだったんで、私はギタ女です(笑)。
--4人ともギターを持って歌う女の子ですが、よくここまで被らない音楽をやってるなと思いまして。“ギタ女”と一括りにしても音楽ジャンル的には全く違いますよね。
山崎あおい:それは私もすごく感じていて。ギタ女っていう枠で一緒にライブやる機会とかもあるんですけど、いろんな音楽を楽しめるシーンなんじゃないかなっていつも思っていて。だから女性シンガーソングライターの曲は普通に好きで聴いたりしてます。
新山詩織:同じギタ女と言ってもみんな違うから、人それぞれ楽しめるのが良いと思います。
--だって「あたしを好きだなんて天才かも」なんてSakuにしか絶対歌えないじゃないですか。Suzuちゃんの世界観でもないし、新山詩織が歌い出したら「え、どうした?」ってなるし、山崎あおいは歌い出したら逆に「なんか嫌なことあったのかな?」って心配になる。
一同:(笑)
--4人は他3人のギタ女にどんな印象を持たれていたんですか?
Saku:ひとりひとりカラーが全然違う。同じギターでも、アウトプットがギターなだけで、その表現の仕方は歌詞も歌い方も違うし、それぞれの人間性が出ているなと思いました。
Suzu:そのまま自分を造らずに自分が思いついた音楽をやってるんだなって思いました。飾らないで。
新山詩織:私も全くSuzuさんと同じ印象で、自分のまま歌っている。それは素敵だなと思いました。
山崎あおい:Sakuさんは初対面なんですけど、女性シンガーソングライターの曲ってパーソナルな部分が多いというか、自分のことを歌っていることが多いと思うので、こうして会う前からなんとなく人間性が見えるのが面白くて。で、実際に会ってみると「あ、やっぱりこういう話し方をする方なんだな」みたいな。曲と人の印象が変わらない。
--山崎あおいには“ギタ女”としてだけでなく、純粋に女の子として誰が一番タイプか聞いておきたいんですけど。
山崎あおい:答えるべきですか(笑)? …………みんな可愛い。
一同:(笑)
山崎あおい:可愛らしい女の子は大抵好き。私はアイドルも好きなんですけど、その好きとはまた違うんですよね。やっぱり曲も含めて好きになるので、みんな素敵だなって。
--なんで今の質問をしたかと言うと、Sakuさんの紙資料を見てたら「アイドルファンにもアプローチしていきたい」みたいなことが書いてあったので、アイドルファンである山崎あおいの評価は聞いておいたほうがいいんじゃないかと思いまして。
山崎あおい:ハハハハ!
Saku:辛口だったらどうしよう!
山崎あおい:かなりポイント高いです。
Saku:嬉しいです(笑)。
--「アイドルファンにもアプローチしていきたい」っていうのは、本人の意思でもあったりしたんですか?
▲アップアップガールズ(仮) 『全力!Pump Up!!』 (Up Up Girls kakko KARI[Full Power! Pump Up!!]) (MV)
Saku:私、タワレコの即売でアイドルをいっぱい知るようになったんですよ。それまで全く興味がなかったんですけど、アップアップガールズ(仮)さんとかlyrical schoolさんとか聴くようになって。それでアイドルの盛り上げ方のポテンシャルの高さにすごく感動して「そりゃCDも売れるよね」ってすごく思いましたし、お客さんのグイグイ来る感じもすごく良いから、私はアイドルとも対バンしたいですし、こういうギター女子とも対バンしたいし、バンドとも対バンしたいし、あんまり自分の幅を決めたくない気持ちはあります。
山崎あおい:Sakuさんがアイドルみたいにたくさんイベントをやって、握手会とかもどんどんやってくれたらファンとしても嬉しいと思いますし、そういう新しいアプローチはイチファンとして見たらすごく楽しいんじゃないかなって思いますね。
--それぞれの単独インタビューだとなかなか聞く機会がない人もいるので聞きたいんですけど、今日本の最大シェアを誇るアイドルシーンってどんな風に見ていたりしますか?
Suzu:Suzuはギターを弾いて歌ってるじゃないですか。でもアイドルは踊りながら歌うので、めっちゃ疲れないのかなぁって思う。
一同:(笑)
Suzu:何曲も連続で踊って歌って、お客さんもめっちゃ凄いじゃないですか。最初から最後まで高いテンションでいるから凄いなぁって思う。
--新山詩織にアイドルの話を振るのは、おそらく初めてだと思うんですが……
泣いてもいいんだよ/ももいろクローバーZ(NAITEMO IINDAYO/MOMOIRO CLOVER Z)
新山詩織:あ、でもももクロさんとか好きなので(笑)。とにかくお客さんを盛り上げて、楽しませるっていうのが中心にあるし、いつでも堂々としているな、凄いなって思う。
--山崎さんはもうアイドル好きとして有名ですけれども……
山崎あおい:毎日支えられています。
--ひとりだけファンとしての意見(笑)。ちなみに山崎さんの夢は、自身のPVにぱるる(島崎遥香/AKB48)出演なんですよね?
山崎あおい:はい(笑)。
--今はアイドルブームですが、その次のムーヴメントをどう作るか。各シーンのいろんな人が考えていると思うんですけど、女性シンガーソングライターも“ギタ女”っていうキャッチーなフレーズを生んだりして、確実に次のムーヴメント候補になっていると思うんです。それって肌で感じてます?
Saku:そうですね。これだけギターを弾く女の子が増えていて、でもそれぞれに発信の仕方が違うので、一緒に集まってイベントをやったりしても飽きないというか、面白いことになるんじゃないかなと思います。
新山詩織:それぞれに個性の違う単体のライブをやっている人たちが、イベントなどでたくさん集まったらお客さんも楽しんでもらえると思うし、新しい音楽を好きになるきっかけにもなると思うので、そこはどんどん盛り上がっていけたら良いなと思います。
--今の女性シンガーソングライターやギタ女のシーンってどんな風に映っているんでしょう?
山崎あおい:ギタ女っていう言葉が出てきて、ギタ女のイベントがあったりもするんですけど、アイドルと違うところはそれぞれがちゃんと自分で曲を書いている。ひとりひとりが表現者であるというところなので。ギタ女っていう言葉を入口にしてもらって、それぞれの音楽をサラッと聴くんじゃなくて、ひとりひとりじっくり聴いて、アルバムを全曲楽しんでもらうとか、最終的にはそこに繋がっていってもらえたらいいなと思います。
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リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:山田秀樹
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