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「あの当時のひたむきさと純朴さを再現するのは不可能だ」―アークティック・モンキーズ 最新インタビュー
これまでに発表したアルバム全5作品が全英チャート連続1位獲得し、インディー・レーベルによるリリースとしては英国音楽史上初の快挙を達成、8月開催の【SUMMER SONIC】にて2度目のヘッドライナーを務めるなど、ここ日本でも高い人気を誇るアークティック・モンキーズ。2013年リリースの最新作『AM』では、米ビルボード・アルバム・チャートにて自身最高の6位、アルバムからのシングル「Do I Wanna Know?」はBilboard Hot100に初ランクインし、晴れてアメリカでもブレイクを果たした。そんなアークティック・モンキーズのフロントマンがアレックス・ターナー語るアメリカでのブレイクへの道のり。
50セントの「In Da Club」のように
車中で映えるようなアルバムを作りたかった
▲ 「Why'd You Only Call Me When You're High?」 MV
??最新作『AM』は、アルバム、シングルともに全米にて最高記録を更新し、最新シングル「Snap Out of It」もバズってます。今作が、ここまで好記録を残すと思っていましたか?
アレックス・ターナー:ノー。興奮してるよ―これまでアルバムに対してこんなにも反響があるのははjだから―でもどんな風に受け止められるかなんて見当もつかない。俺たちをアメリカへクロスオーヴァーさせたアルバムと評されてるけど、地元で演奏しても観客が一番いい反応をするのは、このアルバムの曲だというのは変わらない。
??これまで何年間もイギリスでは1位を記録してきましたが、アメリカでビッグになることはあなたたちにとって意味があることですか?
アレックス:しばらくトライはしてきた。もし物事を進めようと思ってなかったら、何度も戻ってくることは無かったと思う。徐々にビルドアップされてきた感じではある、デビュー・アルバムがイギリスでほどインパクトを残さなかったから。それと…今は“ルールに従ってる”ってわけじゃないけど、あの当時は自分たちが創り上げたものを守ろうとして、プロモーションの機会を与えられても、多くのものに「ノー」と言っていた。後戻りできないような状況を作ってたんじゃないけど、若さゆえの気難しさは、自分たちの得になったとは言い難い。
??初期の2枚のアルバムから現在ライブで演奏している曲は数少ないですが、17歳の頃に書いた曲を歌うのは気が進まないですか?
アレックス:カヴァーをやってるっていう感じは、ある程度する。それが今聴ける一番のカヴァー・バージョンではあるけど。デビュー・アルバムに勢いを与えたのは、アルバムの序盤から自分たちの能力の極限まで演奏してるから。あの当時のひたむきさと純朴さを再現するのは不可能だ。新たな道を探さなければならくて、それを俺たちは見つけた。「I Bet You Look Good on the Dancefloor」の曲があるのはいいことだと思う。いい曲だし―ギターを弄りまわすことをあまり考えなくていいから、気が楽だ。今は少しオープンにやってみてる。でもその当時の曲で、最近演奏してみて、しっくりこないものもある。何故かはよく分からない。曲によっては保存期間に限界があるんだ。
▲ 「Fake Tales Of San Francisco」 (Live at Glastonbury 2013)
??たとえばどの曲?
アレックス:去年のグラストンベリー・フェスティヴァルで、観客全員が盛り上がる特別な瞬間になると思って「Fake Tales of San Francisco」の演奏を試みたら、意外と「どうでもいいや」っていう反応で。その時、物事が少し変わったんだと気づいた。昔の曲を多く演奏する必然はない。でも、「R U Mine」は必ず演奏しなきゃいけない。必要であれば2回でも。
??2012年にあなたがLAへ拠点を移した後に、全米でバンドにとって最大の成功が訪れましたが、それは音楽へ影響を及ぼしましたか?
アレックス:その質問にきちんと答える後知恵が、今の自分にあるかわからない。今の自分たちの音楽が太陽やヤシの木の影響でレイドバックになってるって、デタラメなことを言ってきたけど、俺はそれが本当がどうかわからない。一つ言えるのは、LAでは多くの時間を運転しながら過ごす、だから50セントの「In Da Club」のように車中で映えるようなアルバムを作りたかった。
??昔に比べ、ステージでも自信に溢れていますよね。この変化というのは?
アレックス:ステージ上での振る舞いの大半は、自分がぎこちなく感じてることに由来してる。ステージに上がって、100%自分自身でいられる奴がいれば挑戦してほしいね。前に、いいフロントマンのコツを訊かれたけど、ユーモアのセンスはそのリストの上位にくると思う。とても妙な居場所で、俺自身はその役割をそこまで真剣に受け止めていない。
▲ 「R U Mine」 (Live at BRIT Awards 2014)
??そしてこの後にもまだまだライブが控えていますよね。
アレックス:ロラパルーザは、ヤバイことになると思うね。何年か前に出演したけど、最強に楽しかった。レディングとリーズ・フェスティヴァルも俺たちにとってビッグなショーだ。リーズはキッズの頃に行ってたフェスだし。前にも演奏したことがあるけど、ヘッドライナーを務める心構えはこれまでで一番万端だ。以前より秘策が増えてるから。
??『AM』は、昨年9月にリリースされましたが、新曲作りは行っているのですか?
アレックス:どうかな。曲を書いてない時はないけど、俺は最近あまり書いてない。色々アイディアはあるけど、まだ初期段階。新しいアルバムを作ることは考えてない―俺が思うにしばらくは。それに雑誌から逃れるいい時だと思ってる。この1年間、あらゆるところで露出されてたから、そういったものから少し距離をおくいい機会だ。
Q&A by M. Tye Comer / 2014年6月27日 Billboard.com掲載
"Snap Out Of It" Music Video
AM
2013/09/04 RELEASE
HSE-10137 ¥ 2,608(税込)
Disc01
- 01.DO I WANNA KNOW?
- 02.R U MINE?
- 03.ONE FOR THE ROAD
- 04.ARABELLA
- 05.I WANT IT ALL
- 06.NO.1 PARTY ANTHEM
- 07.MAD SOUNDS
- 08.FIRESIDE
- 09.WHY’D YOU ONLY CALL ME WHEN YOU’RE HIGH?
- 10.SNAP OUT OF IT
- 11.KNEE SOCKS
- 12.I WANNA BE YOURS
- 13.2013 (JAPAN BONUS TRACK)
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