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SuG×BiS異端児対談インタビュー
6月25日 東京キネマ倶楽部にて【異端児フェス】なるライブイベントの開催が決定。ヴィジュアル系シーンの常識を覆し続けるSuGと、アイドルシーンで衝撃的な活動を続けるBiSによる、驚愕のツーマンライブが実現する。
1年間の活動休止を経て復活したばかりのSuGと、7月8日に横浜アリーナでのワンマンライブで解散するBiS。一見、真逆のベクトルへ進んでいるように見える2組だが、どちらもジャンルの枠を破壊しながら我が道をひた走り、飽和状態と化した音楽シーンでセンセーショナルなアクションを連発してきた。
そんな2組が激突したら何が生まれてしまうのか。ツーマンライブ直前、邂逅を果たした2組の対談を公開。SuG武瑠(vo)×BiS渡辺淳之介(mg)対談、SuG×BiS全メンバー異端児会議の2本立てでお届けする。
SuG武瑠(vo)×BiS渡辺淳之介(mg)対談
BiSは解散しちゃんですけど、次はヴィジュアル系やってみたい
--この度は、私が企画/ブッキングを担当させて頂きました【異端児フェス】でツーマンライブを行うSuG×BiSの異端児対談ということで、まずは双方の頭脳である武瑠(vo)くんと渡辺淳之介(mg)の組み合わせでお話を聞いていきたいと思います。渡辺さん、どうですか? 武瑠くんを前にして。
渡辺淳之介:いや、本当に……今、写真撮られながら話してますけど、並びたくなかった。
--(笑)
渡辺淳之介:公表されている身長とかが僕と一緒だったりして、これは本当に勝ち目が全くないな、みたいな。
武瑠:いえいえ。プロのパワーをたくさん結集させてるんで……
渡辺淳之介:ツラいです!
--武瑠くんは、BiSを裏で操っている渡辺さんの存在は知ってました?
武瑠:多分、最初に平賀さんに取材してもらったときに言ってた気がするんですよ。解散が決まってるとか、ある程度の絵が見えた上で作っていってるって聞いて「面白いな」って思って。そのとき、ちょうど来年出そうと思ってるアルバムのことを考えているときで、今の世代のアイドルってこういう裏で操ってる人というか、後ろに悪の秘密結社があって(笑)それにアイドルが操られている印象があったんですよね。で、アルバム用にクローンの話とかを考えていたので、アイドルって全員クローンかもしれないなって。
--それをSuGの作品に反映させようと?
武瑠:そう。例えば、ファンがアイドルのひとりを好きすぎてさらっちゃって、クローンと入れ替えて、本当のアイドルは自分の家で飼うとか。そういう話を考えたりしてましたね。BiSの話を聞いたとき(笑)。
--実際、似たようなことはしてますよね?
一同:(爆笑)
--実はこのSuG×BiS対談&対バンのきっかけって『不完全Beautyfool Days』発売時のインタビューで。「V系にも異端児いた!フォーマット化されたV系はつまらない、銀杏BOYZが好きとか言ってるし、ちゃんと叩かれたいって言ってる人に会った」って、すぐに渡辺さんに連絡したんですよ。絶対共鳴してくれると思ったから。渡辺さん、覚えてます?
▲不完全Beautyfool Days/SuG(PV FULL)
渡辺淳之介:覚えてます。すごく興奮気味に電話がかかってきて、そのあとに呑んだときに「SuGがヤバイんだ」って延々語ってて(笑)。インタビューのURLとかも送ってきて、読ませてもらったりしてたんですけど。
--で、すぐ対バン組みたかったんですけど、SuGはももクロとの対バンが決まってて。BiSはちょうどももクロ相手に問題起こしていた時期だったんで、とりあえず今はないだろうなって断念したんですよね。
武瑠:何か問題起こしたんですか?
渡辺淳之介:いや、あの……ももクロがアルバムのキャンペーンで選挙カーを走らせていたときがあって、新宿でゲリラライブをやったり、渋谷を回遊したりしてたんですけど、BiSがその選挙カーを目の前で停めたりして、ももクロに「かまってくださーい!」っていうやつをやったら、本気で怒られたっていう(笑)。
--あと、当時はBiS関連の情報をツイートするのに「#momoclo」って付けていたんですよ。
武瑠:アハハ! 酷いですね(笑)。
渡辺淳之介:流行っているものに寄り添っていくのが僕の信念なので……とりあえずあのときは一番ももクロが熱かったので、そこに寄り添っていこうと。
武瑠:今は何が熱いんですか?
渡辺淳之介:今はアイドルがちょっと分からなくなってきちゃって。でもやっぱり勢いのある人たちっているじゃないですか。「こいつら、ここからいきなり駆け上がりそうだな」みたいな。そういう意味では、昔からいろいろ一緒にやってきてはいたんですけど、でんぱ組.incさんが今一番寄り添うべき相手かなって。なので、でんぱ組.incさんが武道館でライブしたとき、九段下の地下鉄下りていったところに「でんぱ組.inc、おつかれさま。BiSは横浜アリーナです」みたいな広告を出したりして。
武瑠:へぇー!
渡辺淳之介:寄り添っていく信念は全然変えてない。解散手前にしても(笑)。その日はBiSもライブあったんですけど、僕は武道館前でビラ配りしてましたし。盛り上がってるシーンって単体ではひとつ頭抜けられないと思ってて、すごく強大なパワーを持っていない限りは、バンドとかも3組ぐらいで仲良くやってて一緒に上がっていったりしてるじゃないですか。だから僕も何かしらに寄り添いたいなっていうのはあるんですよね。
--でもBiSの寄り添い方はえげつなく映ります。
渡辺淳之介:本当は仲良くしたいんですけどね! でも見え方的にはやっぱり。だからでんぱ組.incのメンバーの娘たちからは、多分僕は嫌われてると思う(笑)。メンバーは仲良いんですけど。それこそさっき仰っていた、悪の秘密結社のドンみたいな奴が嫌われてて、それでメンバーは結束を強めるみたいな感じが、今のアイドルにとっては良い構図になってるんだろうなって。
--大人 vs 子供みたいな。
渡辺淳之介:そうですね。大人と子供で言うなら、子供たちがめちゃくちゃ頑張ってて、大人たちがニヤニヤしてるっていう構図。それが今のアイドル界は見えやすくなってる。それこそももクロとかもそうだし、すごく分かりやすくて面白いのかなって。秋元康さんとAKB48もそうだし。
--武瑠くんは元々BiSに対してどんな印象を持っていたんですか?
武瑠:正直、全裸PVしか知らなかったです(笑)。でもよく話は聞いてて「変わったことしてんな」とは思ってて。あと、ヨネちゃん(※米原康正/写真集『月刊BiS× 米原康正+DVD』でおなじみのエディター&フォトグラファー。武瑠とも親交が深い)の事務所でPVを観せてもらったんですよ、ちゃんと。そしたら戸川純さんのカバーとかやってて「すげぇな」と思って(笑)。俺、狂ったように戸川純さんのPVを観ていたときがあって。5,6年前かな? SuGがインディーズ2年目ぐらいのときに病んでて、ずっとYouTubeで毎日毎日戸川純さんを聴いていたときがあって。だからBiSがあのカバーやってて「そんなところにも目をつけてるんだ?」ってビックリしました。
--最近のBiSはメインストリームじゃなく、サブカルチャーの神様的存在と次々仲良くなっていきましたからね。
武瑠:たしかにそこへ一番向かってる人たちのイメージ。
渡辺淳之介:そうして理解しがたい者へと……。戸川純さんとかってもちろん有名なんですけど、どちらかと言うとカルト的で、アングラの神様みたいな人たちじゃないですか。で、面白かったのが、アイドルのファンって知ったかぶりするんですよ。「やべぇ、戸川純のカバーやるんだ」って、前から知ってたみたいな感じなんですけど、おそらく知っておかないとヤバイと思ってウィキペディアで調べてて。最近も元ブラック・フラッグのOFF!っていうバンドと対バンしたんですけど、それも絶対知らなかったんですよ。僕も知らなかったんで。でもみんながみんなで「OFF!ヤバイ」って言ってて。いやいや、そんなに知らないでしょ!みたいな(笑)。
武瑠:あー、なんか分かる気がする。
▲BiS階段 / "好き好き大好き (Special Edit)" Music Video
渡辺淳之介:そこらへんは逆に面白いなと思って突き進んじゃったところはあります。知ったかぶりしてくれることでリバイバルができて、戸川純さんの曲とかをもう一回楽しんでくれるならいいじゃんって。非常階段とBiS階段というユニットをやらせて頂いたんですけど、ノイズがオリコンランキング30位以内に入るっていう奇跡を起こせて(笑)非常階段さんにも喜んでもらえたのは、すっごい良いなって感じました。
--音楽的に有意義なことをしましたよね。アンダーグラウンドの最高に面白いものをアイドル経由でオーバーへと届けていく作業。
武瑠:たしかにフレーズとして聴いたことがあっても、非常階段の曲をしっかり聴いたりする機会ってないですからね。高校生のときにヴィレッジヴァンガードで立ち読みした本に載ってた、みたいな(笑)。
渡辺淳之介:ハハハ! そこと組むのが楽しかったんですよね。SuGもヴィジュアル系シーンにいながらヴィジュアル系ではないところを意識してるじゃないですか。曲もいわゆるヴィジュアル系じゃないし、新しい価値を作ろうとしてる。ヴィジュアル系とアイドルって市場的にはすごく似てて、ファン層は違っても構図はすごく似てると思うんですけど、SuGはおそらくそこじゃないところを狙ってるんだろうなって。それを2008年ぐらいからずっと変わらずやってるイメージ。アイドルより壊しにくいシーンだと思うんですけど、それでも壊しにかかってる。
武瑠:ただ「壊そう、壊そう」って思ってても、もう何周もして分からなくなってて、正直。多分、今、どのヴィジュアル系バンドのインタビューを読んでも「ヴィジュアル系だけじゃない魅力があるんですよ、僕たちは」みたいなことをほぼ言ってると思うんですよ(笑)。もっと外と戦いたいし。でも実際に外と対バンしている人は一握りしかいないんで。まぁ正確にはしてもらえないんですけど。
渡辺淳之介:あ、してもらえないんですか?
武瑠:してもらえないです。その壁にはもう何度も何度もぶち当たりました、俺らも。今でもいろいろありますけど、ヴィジュアル系だったら出れない媒体があったりとか、対バンできない人たちがいたりとかする。でも逆にシステム化したらすごく簡単なんですよ。語弊があるかもしれないけど、みんなが喜ぶ曲って分かるんで。普通に理論的に音楽は作れたりするじゃないですか。このリズムが乗りやすくて、とか。そこを突き詰めていったらすげぇ売れるかもしれないけど、俺らはそうじゃないことをやりたい。だけど、外に対バンしてくれる人がいない。それはずーっと悩んでて、何年も。
--ヴィジュアル系シーンからデビューしたバンドの難関ですよね。
武瑠:でも、平賀さんもそうですけど「もっともっといろんなところに行ける可能性はあるから手を貸すよ」って言ってくれる人がだんだん増えてきて、自分たちも手応えを感じて。でも今の地盤だと本腰入れて勝負をかけれないと思ったんで、一回活動休止をしたんです。それで準備を整えてから復活した。なので、ここに至るまで“仲良いバンドがいない問題”にずっと悩まされてるんですよ、SuGは。「これだ!」みたいなバンドがいないんですよね。「一緒にカップリングツアー廻ろう」ってなるバンドがいないから、本当に腹を決めないといけない、孤高の戦いみたいなところへ入っていくんだろうなと思って。
渡辺淳之介:今、話聞いてて思ったんですけど、やっぱりアイドルより窮屈なのかもしれないですよね。BiSも「アイドルだから対バンできない」みたいなことはあったんですよ。サマソニやロッキンからは門前払い以下の感じ。でもだんだん変わっていって、サマソニもロッキンも出れるようになった。「あれ、お客さんが集まるぞ」みたいな感じで。それはももクロが壊してくれたと思うんですけど、その一番最初のムーヴメントがヴィジュアル系はまだなのかもしれない。
武瑠:だと思います。正確には15年前ぐらいに一回あって、その後に来なくなっちゃった。
渡辺淳之介:でも、BiSは7/8に横浜アリーナで解散しちゃんですけど、次はヴィジュアル系やってみたいなって思いました。
武瑠:すごく特殊なんで面白いかもしれない。
渡辺淳之介:ただ、噂レベルですけど、めっちゃ上下関係が厳しいとか、規律があるとか、すごく聞くんですよね。
武瑠:そんなことないですけどね。むしろ、みんな、素直で優しいなっって思う。
--それって武瑠くんだからじゃない(笑)?
武瑠:いや、みんな、優しいんですよ。だから会いたくないですもん、先輩に。優しいから「ちょっと、自分なんかにそんな優しくしないでください」って思っちゃうんで。まぁ勘違いしたくないのが一番なんですけど。「こんな人と話してる」とか「こんな人に優しくされてる」って思って、1%でも2%でもどっか安心したり勘違いするのが嫌なんで。だから尊敬する先輩にはなるべく会わないようにしてるんです。ちょっと挨拶したらすぐ帰る。
--渡辺さんは全く逆ですよ。最近、NIGOさんと仲良くなって浮かれている自分を楽しんでる。
▲BiS / nerve directed by NIGO(2.5D × VICE)
武瑠:(笑)。俺、素直に楽しめなくてダメなんですよ! 自分自身勘違いしたくないし、何にも成し遂げていないのに、調子乗っちゃってる人たちの輪とかがあるんで、そこに入りたくないって思っちゃうんですよね。「こんな先輩と知り合いの俺、すげぇだろ?」みたいな。マジどうでもいいんだけど!って思っちゃう。なんか嫌なんですよね、その感じになるのが。
渡辺淳之介:めっちゃストイックですね。
武瑠:ストイックじゃないんですよ。ただ素直に喜べない。子供のときからずっとそうで、みんながワーイ!ってなっているときにワーイ!ってなれないのがコンプレックスでもあって。まぁそれが原動力にもなってるから良いっちゃ良いんですけど。で、先輩と常に一緒にいることが原動力になる人もいるんで、それはそれでいいと思うんですけど、自分はそこに入るとマイナスになっちゃうなって。もっと自分が自信をもって、後輩だからっていう訳じゃなくて、普通に作品を認めてもらえるまで関わりたくない。年齢とか関係なく、先輩とか関係なく、ちゃんと「SuGの武瑠はこうだ」って少なくとも認識してもらった上じゃないと関われないなって思う。清春さんは「カバー、どう?」みたいなオファーを頂いたんで、「あ、やっと行けるぞ」と思ってお話させてもらいましたけど。そういう風にクリアーしていきたい。
--僕からすると【異端児フェス】に呼んでるぐらいなんで、SuG×BiSは業界屈指の異端児で、今の話を聞いてても武瑠くんは異端児になるべくしてなったと思うんですけど、2組ともそこに至る理由や道筋は似て非なるものなのかもしれませんね。
武瑠:でもBiSさんを見てると、異端児って言っていいのか?って思うぐらい異端過ぎて!
一同:(笑)
リリース情報
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
SuG武瑠(vo)×BiS渡辺淳之介(mg)対談
サブカル全盛の昨今「じゃあ、ロックスター目指したい!」
渡辺淳之介:BiSはデビューした瞬間から、これは本人たちも思ってるかもしれないですけど、小学校のときって好きな女の子がいるとめっちゃイジメたりとかするじゃないですか。あの感覚で「石を投げてでもこっち向いてもらわなきゃ」みたいな。それがすっごい強かったんですよね。特に初期の、全裸のPV出した時期ぐらいは。あれでぶわって「あれ、なんか見たことある。ニュースで」みたいな感じで広がっちゃったんで。
武瑠:ニュース、凄かったですもんね。とりあえずそのフレーズだけ知ってまししたもん(笑)。「どういうこと!?」ってなるじゃないですか、やっぱ。
渡辺淳之介:だったんで、そっからやっぱりエスカレートしちゃった部分はあるのかなって。しかもちょっと気持ちよかったんですよね。「アイドルなのに」みたいなフレーズが本人たちも多分気持ちよくて、普通のアイドルとは違うところで勝負するんだ!みたいな意識が芽生えたのかな。で、今は解散に向けてラストイヤーみたいな感じなんですけど、そこからは「異端であろう」ということよりは「きちんとしよう」みたいになってきてはいます。前までずっと口パクだったんですけど、アイドルだからっていうので。それを全部生歌でやり始めたりとか、なんだかんだで最終的には「きちんとしよう」ってなってる。1年前ぐらいまでは、傷つけてでも、嫌われてでも「とりあえずこっち向いてくれ」みたいな感覚だったんですけど。だから完全に捨て身だった。
武瑠:その「興味ないより嫌われたほうがマシ」っていうのは分かります。俺もずっと言ってたんで。でもそれから2年ぐらい経ってまた変わったんですけど、今ってアーティストもアーティスト然とするんじゃなくて、みんなと近い絵を描いて一緒に成長していくのが主流になってて。で、音楽にお金を使う人はもう少数派じゃないですか。だから自分が小学生のときに見てたバンドやアーティスト、超どメインで「売れセン」とか言われてた人たちが、逆に今「サブカル」みたいになっちゃって、サブカルとメインが入れ替わっちゃった感をめっちゃ感じてて。この前、テレビでフェス観てたら6バンドぐらい出てて、ボーカルがみんなボブだったんですよ。
渡辺淳之介:ハハハハ!
武瑠:衝撃を受けて!「あー、もうそういうことね!」って。一周してサブカルがオシャレでメジャーになってる、みたいな。片っ端からボブ! エレカシの宮本さんだけがボブじゃなかった。
一同:(笑)
武瑠:一番最後にボブじゃない人出てきたー!って思ったんですけど、他はビックリするぐらいボブで。ボブ、スキニー、コンバースみたいな。それがサブカル感でよかった!みたいなところから、時間が経って逆に全員そこを狙うようになった……狙ってんのか分かんないですけど、そこしかウケなくなって、逆にあっちのジャンルはあっちのジャンルでそれがどメジャー。サブカル風どメジャーみたいになって。だから入れ替わってる感はすごく感じてて、俺はひねくれ者だから、逆にツラい方向に行きたくなっちゃうから「じゃあ、ロックスター目指したい!」って思いました。
--おー!
武瑠:そんなにいないんだったら! それを最近はすげぇ思ってます。
--気質なんでしょうね。分かりやすく大衆にウケてるほうへ行きたくないと、どうしても思ってしまう。それはBiSもそうだと思うんですが。
武瑠:ただ、そもそも好きだった90年代の感じ。そこに行けるかもしれないんだなっていうのは、逆に希望でもあります。遠慮せずに自分が好きだったもの、ルーツとかを全部出して、無理に嫌われようとする必要もないし、それでこれから勝負しようと思う。多分、大人が思ってる売れセンってもうサブカルだと思うんで。じゃあ、ロックスター目指せばいいかなって。一周して意思が一緒になるんであれば、それでいいんじゃないかなって。
--BiSは最終的にどうしたかったんですか?
渡辺淳之介:僕の最終目標的には、BiSがジャンルを作れると思ってたんですけど、ちょっとそこには至らなかったなって思う部分があって。それは武瑠さんの話じゃないですけど、嫌われることだけじゃダメだったんだろうなっていうのが……別に全然失敗したとは思ってないですし、とにかくやってきた結果を解散ライブでは観せたいなと思ってるんですけど、どうしても超えられない壁がそこにはあったんですよね。言ってしまうと、おじちゃんたちに認めてもらえなかった。なんて言ったらいいのかなぁ?
武瑠:まぁ言いたいことは分かります。
--偉い人たち。
渡辺淳之介:偉い人たち(笑)。売れる為にやった嫌われるようなアプローチが、どうしても消せない過去として残っちゃって……
武瑠:違う結社のボスたちに嫌われちゃって。
--さらにデカい存在に踏み潰されちゃって。
一同:(笑)
渡辺淳之介:「嫌われてもいいから振り向かれたい」と思ってやったことが理由でダメになってしまう。
--その為にやってたのに!
渡辺淳之介:そうそう!
武瑠:難しいなー。
渡辺淳之介:完全にパラドックスしちゃったっていう。
武瑠:たしかに(笑)。
渡辺淳之介:それは反省しましたね。当時は見えてなかったから、そのときはガムシャラに「これがいい!」と思ってやっていたことが「あ、裏目に出ちゃったんだ」っていうのはすごくショックだったし、上を見るにはもっと狡猾にやらなきゃいけないのかなって。だからガムシャラだけじゃなくて……まぁでも何も知らなかったので。ワンマンライブ50人から始めて、それが100人になって、どんどんデカいところを見ていくのが初めてだったので、全員が。やってる人たちが。でも(現時点では掲載NG/以後公開できるかどうかも未定)。
--全裸で樹海を走っちゃいけなんだと。
渡辺淳之介:全裸で樹海を走っちゃいけない!
一同:(笑)
--それでもBiSは横浜アリーナのステージに立ちます。チケットが10000枚ぐらい余ってるそうですが。
武瑠:何枚売れるんですか? 横浜アリーナって。
--14000枚ぐらい。
武瑠:横アリって武道館の倍ぐらいですもんね。みんな、そんなに変わらないと思ってるけど。
--武瑠くんが今のBiSのスタッフだったらどうします?
武瑠:えー、何するかなぁ? とりあえずソフト・オン・デマンド行くかな。
一同:(爆笑)
武瑠:「なんかないッスかね?」って。DMMとかにも行って。200枚買ってくれたら、その人だけに映像届くとか(笑)。もしくは会場にR-18ゾーンとか作って、囲いとか作って、そこでしかないパフォーマンスしますとか。
--そこでエロいパフォーマンスします(笑)。
武瑠:そうそう!
渡辺淳之介:たしかに今、ブロックで観れるから……
--ちょっとやろうとしちゃってんじゃん。
渡辺淳之介:黒幕かなんか用意して。
武瑠:「無理でしょ」って言わないのがやっぱり凄いですよね(笑)。
--100万円チケット。
渡辺淳之介:ハハハハ!
武瑠:中国のクラブみたい! 面白いな、それ。まぁでも逆にそういう戦い方もあるなって思いますよ。おじちゃんにはウケないかもしれないけど、若い人だけのシェアが10倍あればいいっていう。パンクとかまさにそうだったじゃないですか。俺もこんな髪型にしている時点で絶対に『志村どうぶつ園』出れないだろうなって!
--武瑠くん、『志村どうぶつ園』NGなんですね(笑)。
武瑠:わかんないけど(笑)。タトゥーとかもあるし。でもそれは戒めでもあって。「じゃあ、ソロプロジェクトの名前は浮気者にしよう」とか。『志村どうぶつ園』も出れないし、洗剤のCMも出れないけど、もういいやって。それはそれで先輩が築いた道で、自分はもうそこに続くのは無理だから。それをやろうって言われていた時期もあったんですよ。バラエティとかにも出て、もうちょっと男のアイドルみたいな路線でやろうよって。でも自分はそれに向いていないので。
渡辺淳之介:ウチもCM出れないです(笑)。
武瑠:おじちゃんたちに嫌われてるから(笑)。
--まぁそこまで嫌われたらひとつの勝利ですけどね。
武瑠:たしかに。そこは個人的にもすごく悩んでるところですね。例えば、好きな服を着て出れる場所がない。「髪が明るいから出せません」とか。「バカじゃねーの!?」と思うんですけど。本当にくだらない。
渡辺淳之介:BiSも「この娘たち、大丈夫なんですか?」って聞かれたりとかするんですけど、「じゃあ、オファーしないで」って思うじゃないですか! オファーしておいて「大丈夫ですよね?」とか言ってて。いやいや、大丈夫じゃなかったらやらないでしょ!って。BiSは髪の色とかは言われたことないですけど、「脱いだりしないですよね?」とか。
武瑠:江頭扱い(笑)。西村ひよこっていう友達がいて、きゃりーぱみゅぱみゅとDJやってるんですけど、その人はいつも脱ぐんですよ。テンション上がって。で、とあるイベントに出たとき「脱がないでね」って言われてたんだけど、本人はフリだと思って本番で当然脱ぐ訳ですよ。だって、いつもやってるから。そしたら出禁になっちゃって、菓子折り持って謝りに行ったみたいなんですけど、そもそも「じゃあ、オファーしないでよ」って話じゃないですか!
--「私、それが売りでここまで来たんですけど!」っていう(笑)
武瑠:それはさすがにちょっと可哀想でしたもん。みんなに「あんなとこで脱ぐのはない」って怒られてて。バンドのメンバーとかにも怒られてたんですよ。怒ってる意味が分からなくて! いつも脱ぐ人なんだから連れてっちゃダメでしょ!っていう。
一同:(笑)
武瑠:話変わりますけど、ヴィジュアル系シーンでプロデュースしてみたいバンドっています?
渡辺淳之介:最近だったら、単純にBiSファンを公言してくれているNoGoD。気になりますね。あの……ブサイクじゃないですか。
武瑠:アハハハ! それは本人も言ってますからね。ネタです。たしかに団長(vo)はBiS好きそうだなぁ。
渡辺淳之介:で、団長さんが初めて僕に挨拶してくれたんですよ。でもノーメイクだったんで誰か分からなかったんですけど、「団長です」って言われて「は?」ってなっちゃって。しかもお互いスイサイダルの帽子かぶってて(笑)。「NoGoDです」って言われて分かったんですけど、こんな顔なんだ!と思って。あの感じというか、僕、多分、ちょっと格好悪いぐらいのものが好きなのかもしれない。あと、単純に曲が格好良いなと思ったのは、もうヴィジュアル系じゃないかもしれないですけど、lynch.。
武瑠:lynch.はもうずっと格好良いですね。ヴィジュアル系出身の人たちなんですけど、逆にああいう人たちをみんな「ヴィジュアル系」って言っていったほうがいいのかな。イメージが変わるから。いろんな媒体に出ていって思うのは“ダサい=ヴィジュアル系”っていうのが物凄く圧し掛かってくる。だけど、そのダサいを極めると売れますっていうノリがあって。そういう風に捉えられているのが現実だっていうことをまず理解しないといけない。自分たちだけで「格好良い」って言ってても、ぶっちゃけ外は格好良いと思ってない。「じゃあ、外に出ていかなくてもいいじゃん」って思う人は出なくてもいいけど、だったら「僕たちにはヴィジュアル系だけでない可能性が……」とか自分たちで言うのやめたらって思うし。言っている以上は、本当にもう戦っていかなきゃいけない。
渡辺淳之介:そこって捻じ曲げなきゃいけないところですよね。今のアイドルってそうなんですよ。昔は“アイドルヲタク=超ダサい人たち”っていう感覚だったのが、今やめっちゃオシャレな人たちが「俺、アイドル好きなんだよね。ももクロから始まってさ、最近はでんぱ組聴いてる」みたいな。その雰囲気が凄くて。昔はヴィジュアル系とパブリックイメージは一緒だったんですけど、今は格好良いイメージになってる。
武瑠:そういうのも押さえちゃってる系、凄いでしょ?みたいな。ファッション的に使われたりする空気感がありますよね。
渡辺淳之介:だから多分、アイドルを本当は好きじゃない奴がノリで聴いてる。
武瑠:でも実際に売れてて、その謎のオシャレ感があるのって最強な構図ですよ。増えていくしかない。そこはしょこたん(中川翔子)がめっちゃ貢献してる気がするんですよ。本流の大元のところで。なんか、そういうのを押さえてるギャップ萌え女子みたいなのって、かなりフォロワー多いと思う。しょこたん、そろそろ歴史の教科書に載ってもいいんじゃないかなって。
一同:(笑)
--まぁでも実際にパイオニアですからね。
武瑠:本当に彼女は流れを変えましたよね。あの空気感、すごいなって。そのあとにこぞって女の子が続きましたもんね。そういうキャラを作る女の子が。そっからなんとなく「オシャレなんじゃねーの?」みたいな空気感が出てきたんだと思う。
--では、最後の質問になります。この2人で何かするとしたらどんなことをしてみたいですか?
武瑠:えー、なんだろう? あ、俺が一番やりたいのは、本当に率直に思ったのは、交際クラブをやりたいですね。
--交際クラブ?
武瑠:デートクラブをやりたい。
渡辺淳之介:ハハハハ!
武瑠:普通のデートクラブじゃ味わえない系のキャラ濃い人たちを集めて「こいつとは、こういうことができますよ」みたいな。
渡辺淳之介:たしかにそれが一番儲かりそうだし、いいっすね。
武瑠:「一緒にフェスとか行けますよ」みたいなプランも用意して、そういうデートに斡旋する(笑)。
渡辺淳之介:でもそれやったらSuGも武道館立てなくなっちゃうんじゃ?
一同:(爆笑)
リリース情報
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
BiS:プー・ルイ(リーダー兼ヨゴレ担当)のぞしゃん(マイペース担当)ウイぽん(太鼓持ち担当)サキ様(ハンサム担当)テンテン(殺し屋担当)コショージ(味付け担当)
SuG×BiS全メンバー異端児会議
アイドル界とヴィジュアル系界の異端児、奇跡の邂逅
--さて、今日は11人の異端児にこうして集まって頂いた訳ですが、なかなか見ることのない凄い絵ですね(笑)。アイドルと対談ってあります?
武瑠:BABYMETALとはありますけど、こうやって全員揃っての対談は初めて。
shinpei:こういう形はないよね。
プー・ルイ:関わっちゃいけない感じですもんね。アイドルとヴィジュアル系って。
--本来ありえない組み合わせですからね。
masato:誰もが触れなかった感じの(笑)。
--まずは初対面ということで自己紹介から行きましょうか。では、BiSの皆さんからひとりずつ。
プー・ルイ:はーい! プープープープーおならプー! BiSのリーダー兼ヨゴレ担当、プーちゃんことプー・ルイでーす。
shinpei:この距離でやってもらうことないから、なんか凄いですね(笑)。
ウイぽん:はい! 三度の飯よりBiSが好きー。よいしょよいしょのウイぽんぽーん。BiSの太鼓持ち担当、ウイぽんことファーストサマーウイカです。
サキ様:惑わされるなー。目覚めるのだー。
BiS一同:サキシードかめーん!
サキ様:はい、BiSのハンサム担当、サキ様ことカミヤサキです。よろしくお願いしまーす。
のぞしゃん:はい! きりたんぽうめーよ。みんな秋田のことなめたら!
BiS一同:のんのんのーん!
のぞしゃん:BiSのマイペース担当、のぞしゃんことヒラノノゾミです。よろしくお願いしまーす。
yuji:秋田出身なの!?
のぞしゃん:はい、秋田出身です。
yuji:へぇー。
一同:(笑)
武瑠:一回止めるとやりづらくなるから!
masato:ここ、流れ止めちゃダメ!
コショージ:はい! しょうゆ? さとう? やっぱりコショージ! ヘクシュッ。BiSの味つけ担当、メグモンことコショージメグミです(笑)。
Chiyu:ちょっと笑っちゃってんじゃん(笑)!
テンテン:はい。噂が一人歩きしてるみたいだねー。
BiS一同:あなたはー?
テンテン:テーンテーン。はい、BiSの殺し屋担当、テンテンことテンテンコです。
yuji:殺し屋?
テンテン:そうです。
yuji:えー! 初めて会った、殺し屋と!
--なかなか会う機会ないですからね(笑)。では、SuGの皆さんも自己紹介を。
yuji:はい! ギターのyujiでーす!
masato:普通だ!
--勢いだけ乗っかりましたね。文面にしたら何も面白くない(笑)。
shinpei:これ、どうすればいいのかな!?
Chiyu:はーい! SuGの関西人担当、ベースのChiyuです! よろしくお願いしまーす(笑)!
masato:はい! SuGの王子様担当、ギターのmasatoでーす。
一同:おー!!
yuji:自分で言ったよ!!
masato:この流れはもう乗るしかないじゃん!
shinpei:はい、SuGの……えー、エロ担当です。
一同:(笑)
shinpei:だって、もうそう言うしかないじゃん。
Chiyu:まぁね、そこ行くしかないよね。
プー・ルイ:エロ担当?
shinpei:エロ担当。
プー・ルイ:名前は?
shinpei:shinpeiです(笑)。
--じゃあ、武瑠くん、お願いします。
武瑠:はい。SuGのそういうのやらない担当、武瑠です。
--上手く逃げましたね(笑)。yujiさんはたしかアイドル好きでしたよね。BiSのことは知ってました?
▲BiS / "IDOL is DEAD" Music Video (Special Edit)
yuji:話題になってたから聴こうと思って聴いたんですけど、あのー……『IDOL IS DEAD』を初めて聴いて、めっちゃツーバスで、なんかシャウトしてるから怖くて!すぐ聴くのやめました!
一同:(笑)
プー・ルイ:なんでー!? それ、1曲目ですからね!
yuji:そっから聴いてないです(笑)。
--じゃあ、BiSのことはあんまりよく知らない?
yuji:そうっすね。
プー・ルイ:残念!
--一番好きなアイドルは?
yuji:ハロコンは毎回行ってます。
プー・ルイ:誰が好きなんですか?
yuji:スマイレージが好きだったんですけど、ゆうかりん(前田憂佳)が抜けちゃったから……。
--あー、ちゃんとハロヲタしてますね。サキちゃんは今回のSuG×BiSツーマンを誰より喜んでいました。実際にこうして会ってみていかがですか? 。
サキ様:緊張して……さっきの自己紹介、ほとんど目をつぶってました。
一同:(笑)
サキ様:でも嬉しいです!
プー・ルイ:普段汚いオタクしか見てないので緊張しちゃいますよね。
武瑠:さすがのコメント(笑)。
--サキちゃん、武瑠くんのダンス見て「上手すぎる」って落ち込んでましたよね。「これは勝てない」って。
サキ様:ダンスが上手すぎて……ダンスを教えてください!
武瑠:俺、編集で上手く見えてるだけだから!100%そっちのほうが踊れるよ。SuG始めてからMVの為に習ったぐらいなんで。
サキ様:えー!?「sweeToxic」のMVを観させて頂いたんですけど、いきなりダンスから始まるじゃないですか。それで「めっちゃダンス上手い」と思ってビックリして。
プー・ルイ:それで観るの、やめたの?
--「怖い!」って(笑)? 先ほど武瑠くんには聞いたんですけど、BiSってどんな印象だったんですか?
yuji:俺、めっちゃ駅弁のイメージ。『ゴッドタン』の。(※BiSは『ゴッドタン』でハグ会のデモンストレーションを敢行。テンテンは駅弁スタイルのハグを劇団ひとりにしかけたところ、容赦なく腰を振られて返り討ちにあった)
--あんまり良いイメージじゃないですね(笑)。
テンテン:やりますかっ!?
一同:(笑)
shinpei:でもあれはめちゃくちゃインパクトでかかったですよね。BiSさんと対談するんでいろいろ拝見してみたんですけど、あれを観て「すげぇな!」って。さっきもその話題で盛り上がってたんですけど。
masato:でも制限なさ過ぎて怖くなった、こっちは。攻めてるなーって。
--武瑠くんは全裸PVで知って、後にヨネちゃん(カメラマン:米原康正)からいろいろ観せてもらったんですよね。
武瑠:ヨネちゃんの事務所でPVを観て、戸川純のカバーで「すごいカバーしてんなぁ!」って驚いて。
テンテン:私、戸川純さん、大好き!
武瑠:俺は大好きではない(笑)。完全に俄かです。よくいる奴。そういうカルトっぽい要素も一応聴いとく、みたいな。
--でもその世界観でSuGの作品を作ったんですよね。
武瑠:そうですね。「HYSTERIC HONEY」っていう昔の曲なんですけど。戸川純の「愛してるって言わなきゃ殺す」みたいなやつを作りたいなと思って。
--先日の武瑠くんの生誕祭でも話してましたよね。BiSがどんなグループかファンに説明する際に。
武瑠:無反応でしたけどね(笑)。『幽遊白書』の引用までして説明したのに!
ウイぽん:え、どうやって説明したんですか?
武瑠:『幽遊白書』に出てくるんですよ、フレーズだけが。仙水が樹を殺そうとしたときに「ヒットスタジオに戸川純がでるから明日まで生きたい」っていうセリフが出てきて、それで「戸川純って誰だろ?」って調べて知ったっていう。それで戸川純がどんな人か話して、それをカバーしてるのがBiSみたいな話をしたんだけど、何一つ伝わらなかった(笑)。
--その生誕祭、武瑠くんがファンに「負けないでね、BiSに」って煽っている姿も印象的でした。
武瑠:ハハハハ! どんな話のくだりで言ったんでしたっけ?
--「BiSはライブもモッシュやらダイブやら半端ない。超激しい!」みたいな説明をしたら、SuGファンが軽く引いて(笑)。
ウイぽん:SuGさんのファンの方は静かなんですか?
--そんなことはないですけど。
武瑠:まぁでもBiSのファンよりは静かだと思う(笑)。
ウイぽん:女性ファンのほうが激しいイメージが。激しさがまた違うのか。
武瑠:フィジカルがやっぱり。
ウイぽん:でもこっちはオタクなんでひょろひょろですよ(笑)。
武瑠:「負けないでね、BiSに」って言ったのは、最近はヴィジュアル系のイベントに出てもアウェー感が半端なくて。ももクロとかBABYMETALとかと対バンしたときのほうがホーム感がある。だからアイドルファンはすげぇ盛り上がるから「負けないでね」って言ったんですけど、「はーい……」みたいな。負けそうな気しかしねーわ!って(笑)。
Chiyu:不安しかない(笑)。
プー・ルイ:可愛い。
--ただ、BiSはヴィジュアル系シーンで活躍してるバンドと対バンするのは今回が初なので、BiSはBiSでどうなるか分からないところもあります。
のぞしゃん:初めてです! やりたかったんですよね、ずっと! 異種格闘がしたかったから「そういう対バンをさせてください」とは言ってきたんですけど、ヴィジュアル系の方とはやったことがなかったので。
--お互いのファンについての話も伺わせて頂きたいんですが、ちなみに武瑠くんはちゃんとファンに冷たいんです。
一同:(爆笑)
プー・ルイ:でもそういうのが良いんじゃないですか? 女子的には。
ウイぽん:みんなドMだから?
武瑠:でも本当にみんなショック受ける。意外とデリケート。
shinpei:インストアイベントとかで握手会があったりすると、何かを断られてガッカリした女の子がこっちに流れてくるんですよ(笑)。
武瑠:それは変なことを言ってくるから!
プー・ルイ:一番変なことは何されました?
武瑠:「先っぽだけ入れてくれませんか?」って。
BiS一同:うわぁー!!
masato:あったねー。
Chiyu:福岡で。
プー・ルイ:でも遠慮したんじゃない?
ウイぽん:そこまで言うなら「全部入れてくれ」でいいのにね。
一同:(笑)
プー・ルイ:恥じらいだよ、女子としての。
リリース情報
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SuG×BiS全メンバー異端児会議
SuG×困ったファン問題に殺し屋介入!?
「私がどっちにつくかだ!」
--女性も言うんですね、そのセリフ。
Chiyu:結構ガチやったもんな、アイツ。
プー・ルイ:アイツ(笑)。
Chiyu:忘れもしない。真顔で「先っちょだけでいいんで」って。
shinpei:ガチテンションなの?
ウイぽん:じゃあ、そこで股を開かなきゃダメですよね。入れてほしかったら、開いてから来いっていう。
masato:そこまでしたら出禁になっちゃうから(笑)。
プー・ルイ:出禁覚悟で。膝ぐらいまでパンツ下ろしてから頼む。
ウイぽん:それだったら指ぐらい入れてくれるかもしれない。
Chiyu:BiSは下ネタ強い!
武瑠:ペンライトぐらいなら。
Chiyu:おまえも乗っかんなよ(笑)!
武瑠:ペンライト面白いかなと思って。色変わるやつがいい。
masato:それ、物販で売ればいい。
--ハイレベルな下ネタ対談になってきましたが……逆に研究員で一番ヤバかった人はどんな人ですか?
武瑠:そっちのほうが絶対ヤバいでしょ?
プー・ルイ:下ネタはあんまり言われないです。私たちは性的に見られてないから。お金払ってチェキ撮りに来てるのに「写真撮ってくれ」って言われて、写真撮ってあげて……。
SuG一同:え?
プー・ルイ:だから私は映ってないんですよ。
masato:お金を払って「自分の写真を撮ってくれ」ってこと?
プー・ルイ:「俺のこと撮ってよ」って。で、その写真を「あげる」って渡されるんです。
--それは高等なアレかもしれない。
shinpei:マニアックだね。
masato:俺に向けてファインダーを覗いてくれたんだっていう。
shinpei:で、俺の写真をいつも持ち歩いてくれっていう。
プー・ルイ:すぐ捨てんのにね。
一同:(笑)
shinpei:俺らはそこまでぶっこめないわ(笑)。
武瑠:そういうことはステージとかでも言うんですか?
プー・ルイ:結構S発言とか。
--BiSも結構ファンに暴言吐いたりしますね。のぞしゃんが一番危ない。
のぞしゃん:えっ!?
プー・ルイ:ツイッターで悪口とか書きますから、ファンの。
のぞしゃん:ちょっと昔はさらし上げをしてました。「この野郎」と思ったらさらしてました。
武瑠:この自由感、超羨ましいです(笑)! 本当に信じられないくらい失礼な人もいるし、俺もボーカルじゃなかったら絶対やってますよ(笑)! でもボーカルはマズいなと思って。それこそ武道館できなくなっちゃう。
プー・ルイ:だからだ。BiSが武道館できないの、のぞしゃんのせいだ。
のぞしゃん:えーっ! 私のせいなの!?
ウイぽん:コラコラコラ。
武瑠:いやいや、多分、全員のせいだと思う。
一同:(笑)
プー・ルイ:嘘ぉー!?
--全員共犯。でもBiSは不謹慎ありきのグループですもんね。○○○さんが捕まった日に全員○○○さんのお面かぶってステージ出てきましたからね。
masato:それは結構攻めてますね。
ウイぽん:ひとつ間違えてます。のぞしゃんだけ○○○でした。
武瑠:ひとりだけ○○○はヤバイわ(笑)!
--あれは誰のアイデアだったの?
テンテン:みんな! まず朝のニュース見て「来たー!」みたいな。
プー・ルイ:今日の1曲目はアレだねって。
コショージ:みんなで会った瞬間に言いましたよね!
テンテン:「朝のニュース、見た?」って。
サキ様:「やるでしょー!」って。
ウイぽん:そのときに「お面でもかぶればいいんじゃないかなぁ」って。
プー・ルイ:その前から1曲目はその方々のカバーって決めてたんですよ。そしたらニュースで流れてきたから「来た!」って思いました。
サキ様:お客さんはちょっと引いてました。
masato:お客さんのほうが気遣うっていう(笑)。
武瑠:怖いもんねーな。
プー・ルイ:もう解散するんで。
masato:それ、無敵だよね(笑)。
--僕、SuG×BiSっていうカードと同じぐらい、研究員×SuGファンっていうカードにも注目してるんですよ。で、さらに注目しているのが、テンコとshinpeiくん、身長どっちが高いのかっていう。
shinpei:いやいやいや、さすがに俺のほうが高いでしょ(笑)!
--彼はライブ中、スーツケースでしたっけ?
BiS一同:え?
shinpei:いろいろ……ちっちゃい箱とか入って。結構「これは入れねーだろ?」ってところに入ったままステージに置いてもらって……
ウイぽん:エスパー伊東さん的な?
shinpei:まぁそういう感じです。
コショージ:イジメられてるんですか?
shinpei:イジメられてはいない。
一同:(笑)
Chiyu:自ら望んで入ってる(笑)。
shinpei:だけど、リハでは入っている時間が短かったのに、本番はメンバーが外で話し込んでて酸欠になるっていう。
コショージ:やっぱりイジメだ。
テンテン:それ、やりたいです!
shinpei:身長いくつですか?
テンテン:142cm。
yuji:へぇー、そんなにちっちゃいんだ?
shinpei:俺も小さいけど、16cmは差ありますからね。
武瑠:理想のカップルぐらいの背丈。
テンテン:怖い、怖い、怖い! そういうこと書くと怖いから!
プー・ルイ:いーよ。潰されろ。
武瑠:こっちのファンが怖いってこと?
テンテン:……うん。
プー・ルイ:殺し屋なのに弱い。
--殺し屋だから大丈夫だよ。
テンテン:そっか、殺せばいいか(笑)。
武瑠:多分、そんなに怒らない。もうそういうので怒る人はいなくなっちゃった。昔はいましたけどね。
Chiyu:特に俺のファン。
masato:若干タチが悪い人もいますね(笑)。
ウイぽん:どういうタチの悪さなんですか?
Chiyu:さっきもツイッターで俺のファンに標的にされてた(笑)
shinpei:そう! 毎日「死ね」とか「殺す」とか送ってくる奴がいて。
ウイぽん:なんで? メンバーなのに?
shinpei:メンバー同士なのにそういうのがあって、一時期まーたん(masato)に移ってて一安心してたのに、また俺に戻ってきた(笑)。それでファン同士がケンカになるっていう。
プー・ルイ:そう考えると、研究員は普通だわ。
shinpei:まぁ今は本当にごく一部だけど。
yuji:でも依頼したら殺してくれるんでしょ?
テンテン:アハハハ!
--これ公開されたらテンテンが標的になっちゃうよ(笑)。
テンテン:怖ーい!!
ウイぽん:でも逆にそのファンの方から「メンバーを殺してくれ」って依頼があるかもしれないよ?
テンテン:私がどっちにつくかだ!
一同:(笑)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
SuG×BiS全メンバー異端児会議
SuG×BiSツーマン
サークルモッシュからのワンナイトラブ!?
--BiSサイドはSuGにどんな印象を持っていたんですか?
ウイぽん:SuGさんが表紙になってる雑誌を本屋で見たとき、手に取ったんですけど一回置いて、違うコーナーまわってからもう一回見ました。
武瑠:どういうこと?
ウイぽん:現実を直視できなかったから。
--なんで?
ウイぽん:いや…………綺麗だったから(笑)。「え、こんな綺麗な人類がいたんだ?」って。最近、オタしか見てなかったから!
プー・ルイ:平賀さんがずっと「格好良い」って言ってて。あんまりそんなこと言ったりしないから、ずっと気にはなってて。
テンテン:前にインタビューしてもらったときに「SuGと対バン決まったから」って聞いて、平賀さんが推してるってことは変な人たちなんだろうなって。
SuG一同:(笑)
サキ様:あと、ライブのノリが近いんだよって聞いてました。「nerve」みたいに左右へ大移動したり。
--お客さんのノリに共通点があるんですよね。民族大移動的なこともそうだし、ヘドバンもそうだし、奇声の出し方も近いなって……。
武瑠:奇声(笑)。
ウイぽん:どんな?
--ひとえにバンギャと言っても推してるメンバーによってタイプが違って、黄色い声援を送っている人がいると思ったら、延々とデス声で叫んでる人もいて。まぁそれは主にChiyuくんのファンなんだけど……
Chiyu:俺のファンだけ「チユ゙ゥ゙~!」って重いの。
BiS一同:(笑)
yuji:ウケたねー!よかったねー!
サキ様:のぞしゃんもそんな声で叫びますよ!
のぞしゃん:フフフフ!
Chiyu:同じタイプだ(笑)。
プー・ルイ:早くSuGファンの方たちと会いたい。
--研究員とSuGファンが一緒になるのは楽しみですよね。
プー・ルイ:バトルしてほしいですね。ケンカとかじゃなくどっちがより楽しんで盛り上がれるか!
ウイぽん:ライブが楽しいって言われるアーティストは、ファンの人も面白いからね~。会いたい!
プー・ルイ:私たちが一緒に出たらファンも入り混じりますよね? ファンも入り混じりさせたい!
武瑠:たしかに結構シャイだから……
プー・ルイ:お互いの目当てだけを観て終わっちゃうとつまんないから、もっとグシャグシャになってほしい。研究員がSuGファンをリフトしてもいいし。
shinpei:たしかにそこまでやれたら一番イイですね。
--じゃあ、一緒にステージ立っちゃいますか?
ウイぽん:コラボしたい!
のぞしゃん:したい、したい!
武瑠:何の曲だったらいけるかな?
ウイぽん:SuGの皆さんはダイブしないんですか?
shinpei:禁止のことが多いかな。
武瑠:お客さんが女の子だから支えきれない。
ウイぽん:じゃあ、BiSの曲で飛びますか?
プー・ルイ:そのとき、最前に研究員が集まってればいいけどね。
shinpei:譲るかなぁ~? 結構位置を死守する娘が多いので「絶対入れねぇ!」みたいな(笑)。
masato:ぐちゃぐちゃになっても入ってくると「割り込まれた!」みたいな感じになるから。
Chiyu:特に俺のファンね。
BiS一同:チユ゙ゥ゙~! チユ゙ゥ゙~!
一同:(笑)
--全員Chiyuファン。
Chiyu:言いたいだけや(笑)。
武瑠:最後にお互い1曲ずつやってグシャグシャにしちゃいますか。例えば、ウチが「Rolling!!」でサークルモッシュ起こして。
ウイぽん:だったら、BiSは「レリビ」で。
--延々とサークルモッシュ(笑)。では、最後に6/25【異端児フェス】に向けての意気込みをよろしくお願いします。
プー・ルイ:がんばるぞー! ウチは男性ファンが多くて、SuGさんは女性ファンが多いと思うので、ワンナイトの感じになったらいいんじゃないですかね。
テンテン:夜の交流。
--しかも場所は東京キネマ倶楽部、鶯谷っていう(笑)。
ウイぽん:わー! 場所、困らなーい。良いロケーションだー。それはそれとして、6/25はSuGのファンの方に「BiSもよかった」って言ってもらえるライブもしたいし、総叩きにも合いたいなと思って。
プー・ルイ:どっちかだよね。
ウイぽん:めちゃくちゃ総叩きにあって「BiS、クソだった」ってなって、いわゆるバンギャ界を荒らして、バンギャの皆さんが「あいつら殺しに行こう」って横アリ(7/8BiS解散ライブ@横浜アリーナ)にのこぎり持って来るみたいな(笑)ライブになるといいなって思います。
サキ様:私は首が取れるぐらいまで暴れたいと思います。ダイブもバーン!と行ってヒャー!ってなるように頑張ります。
プー・ルイ:落ちてほしいな。
サキ様:ね! 飛んで避けられるのもアリだなと思って! 横アリでも飛ぼうと思ってるんで、一回避けられて床にバン!っていうのも経験したほうがいいかなって。
--で、鼻血垂らしながら起き上がって「ニヤっ」て笑うんでしょ?
サキ様:フハハハ!
のぞしゃん:ずっとやりたかった異種格闘なんで、楽しみですね。東京キネマ倶楽部っていう場所も行きたかったハコなんで、めちゃくちゃ楽しみです。あと、パピコさんたちから正しいヘドバンを学びたいです。ヘドバンするの好きなので、頑張ります!
コショージ:私は東京キネマ倶楽部の階段のぼりたいです。
--東京キネマ倶楽部はステージ上に階段があって、その上に小さいステージがあるんですよね。そこで暴れたいと?
コショージ:です。そこからダイブします。
武瑠:結構な高さだよ(笑)。
コショージ:じゃあ、リハして。
ウイぽん:リハで死ぬわ!
--テンテンも意気込みを。
テンテン:ジュ゙ン゙~!!
一同:(笑)
--テンテン、SuGにジュンってメンバーいないから。Chiyuだから。
テンテン:アハハハ!
ウイぽん:今の、田中邦衛さんのほうですよね?
--え、最後に田中邦衛のモノマネやったの?
ウイぽん:北海道出身なんでね。
武瑠:ものすげぇフォロー(笑)。えーっと、こうして今日BiSと対談してみて「同じ温度になりたくねぇな」と思いました(笑)。ストレートにSuGらしいライブをしたいと思います。これ、巻き込まれたら持っていかれるわ! 異端過ぎて! ここまで怖いもんなしの人たちとやることないから。
--大絶賛ですよ?
プー・ルイ:わーい。
shinpei:ウチらもヴィジュアル系ではわりとNGとかないほうだと思うんですけど、対談にしても何にしても。でもBiSとは今日喋っておいてよかったなって。わりとNGなところまで突っ込んでるなと。だから6/25は負けないように頑張ります。今日の対談ですげぇ楽しみになりました。
--箱、入りますか?
shinpei:またっすか?
--テンテンと2人で。
武瑠:ひとり出てきたと思ったらもうひとりいる(笑)。
ウイぽん:出てくるときはハダカで出てきてください。
武瑠:ふたりともハダカ!……って、こういうところ流れちゃいけないから!
masato:とりあえず対談して思ったのは、冷静に一回ライブを観たいです。あ、でも一回僕だけBiSとは会ってるんですよね?
--下北沢シェルター店長の送別イベントで。そのときのメンバーはほとんど脱退しちゃいましたけど。
サキ様:初期メンバーはプー・ルイとのぞしゃんだけで。
ウイぽん:それ以外はみんな中途採用です。
一同:(笑)
--歴代11人いて5人脱退してる。
masato:激しさを物語ってる。
プー・ルイ:すぐ辞めちゃう。
masato:バイトリーダーみたい(笑)。
Chiyu:6/25も自分ら的にやることは変わらないんで、お互いのファンが楽しめるような交流になればいいなとは思います。ももクロとかとやったときは俺らのファンが最初萎縮したりしていたので、そうせずに純粋に楽しんでもらえたらいいなって思います。
--最後にyujiさん、お願いします。
yuji:良い思い出にしたい。
一同:(笑)
武瑠:もう終わったかのような。
プー・ルイ:もうBiSのこと怖くなくなりましたかね? 今日で。
yuji:あー……そうですね。全然……
プー・ルイ:全然ダメじゃないですか(笑)!
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
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