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Especia 『GUSTO』インタビュー
Especiaに1年ぶりのインタビューを敢行したところ、1年前とは全く質感の違う内容になったことを驚いている。冨永悠香(はるかちょ)はリーダーとしての自信を失い、それでも何とかEspeciaを成功させようと必死で、他のメンバーもそんな彼女とどう共に歩いていくべきなのか。6人で、グループで高みを目指していくのに何が必要なのか模索しながら、独自路線でアイドルブーム終焉/BiS先輩解散後の未来を生き抜こうとしている。Especiaはいつも温厚な表情で笑っている。その音楽やライブは常に観客に幸福感を与えるものだ。それを踏まえた上で今回のインタビューはご覧頂きたい。
冨永悠香(はるかちょ/リーダー)単独インタビュー
リーダーとしての苦悩と挫折「私は……引っ張るのはもうムリ」
--最近はどうですか? 楽しい?
冨永悠香:いやぁ~……楽しくないこともあったりしましたね。
--例えば?
冨永悠香:例えば、納得のいくパフォーマンスが出来なかったりとか、ライブのあとは常に悔しかったりとか。
--前回の、1年前のインタビューにはなかった類の話です。
冨永悠香:多分、1年前はただ楽しかっただけなので。でも今は楽しいだけじゃなくなりました。
--今のEspeciaはどんなグループだと感じていますか?
冨永悠香:それは1年前と変わってないかもしれないんですけど、他のグループがやってないことに自信をもってやり続けている感じ。面白いと思ったことを発信し続けてる、大人たちの作った道を歩んでいる感じです。
--デビュー当初はメンバー脱退劇もありましたが、今の6人に落ち着いてからは独自路線で着々とステップアップしている印象を受けます。
冨永悠香:着々と行ってるほうだと思います。やっぱりケンカとか……6人は全然個性が違うんで「あの娘のあそこが嫌だ」みたいなところもありますけど、それはグループをやっていく上で当たり前のことだと思うんで。私は着々と行ってるほうだと思います。あとは、すべて作ってもらった道を進んでる感じなので、それでどう自分らしさを発揮できるかの勝負かなって。
--ちなみにEspeciaの音楽やMVって80年代のオシャレ。それを今の時代に面白がってもらおうと思っている感じだけど、例えば「くるかな」のMVとかってメンバーはどんな風に受け止めてるんだろう?
冨永悠香:面白いです! 話題になりそうって思います。
--あのMV、本当のテレビで朝4:54~流してほしいですよね。制作者のホンマカズキさんもツイッターで熱望してましたけど。「4:54 World Weather New」って最高じゃないですか。
冨永悠香:たしかに。これだけ面白いことしてるから、そういうオファーも来てほしいです。「No1 Sweeper」だったら野菜のCMとか(笑)。
--Especiaが変なことをしてる自覚はあるんですね。
冨永悠香:周りと全然違いますからね(笑)。最初は観てくれるお客さんが少なかったり、「Especia? 知らない」って外に出られたりすることもあったんですけど……。だからステージに出ていくのが怖いんですよ。「絶対、棒立ちで見られるんだろうな」とか思って。でも今は「認められた」と感じることが多くあって。なので、ライブでも「Especiaの道を進もう!」っていう感じになってます。
--例えば、新木場STUDIO COASTでのアイドルイベントでは「海辺のサティ」のループに合わせたVJだけで約8分間。やっとメンバーが出てきたと思ったらファッションショーを始めるという、格好良すぎる演出がありました。ドキドキしたんじゃないですか?
冨永悠香:ドキドキしました。でもこれで印象を残せればと思っていたので。例えば、去年の【TOKYO IDOL FESTIVAL 2013】でも「海辺のサティ」を流してステージ上に全然立たなかったりとか、そういう経験を積み重ねてきているので、今回もファッションショーしたら「なんだ? このグループ!」ってなるだろうなと予想していて。そこの反応は私たちも楽しみにしていました。
--森絵莉加だけランウェイ歩く姿が完全にプロで笑いました。(※森絵莉加は元々モデル)
冨永悠香:そうですね(笑)。元モデルなだけありますよね!
--誰もやってないことをやっていくEspeciaスタイルは、今後も続けていきたいと思ってる?
冨永悠香:それしなかったら注目されないから。特別に歌が上手い訳でもないし、ダンスも上手くないんで。最初はそんなこと考えてなかったですけど、今は「注目されるにはどうしたらいいか」「話題になるにはどうしたらいいか」って考える。ま、私たちの意見が使われることはほとんどなくて、清水さん(マネージャー)が考えてるんですけど、そういう道で自分たちをどう発揮できるかだなって。
--同じ事務所(つばさレコーズ)の先輩アイドル(プー・ルイ/BiSリーダー)も全く同じことをよく言ってました。その席で。
冨永悠香:そうなんですか!? わぁ! 後輩だからかな(笑)。
--では、制作陣のアイデアや創ってくるものに対して信頼を置いている?
冨永悠香:はい!
--清水さんに対してもストレスはない?
冨永悠香:どうだろう? ないかな。でも前より全然喋らなくなりましたね。清水さん、忙しいんで。今はほとんどエランちゃんっていうスタッフの方に現場着いていってもらったりとか。まぁ当たり前のことなんですけどね。ちょっと距離は感じるようになりました(笑)。
--環境が変わったんですね。1年前はまだキャッキャしていたというか、部活っぽさがありましたけど。
冨永悠香:私、このインタビューの為に2年前とか1年前のブログを読んできたんですよ、自分の。「何これ?」って思いました。浮かれすぎてて、本当に部活みたいだって思ったし。でも忘れちゃいけないのは、その頃はひとつひとつのライブがすごく新鮮で、本当にライブの度に楽しんでいて、出れることが嬉しいっていう気持ちがブログを読んでて伝わってきたんですよ。それを今は結構忘れかけているので、初心を取り戻しつつ、今のスタイルのまま行きたいなって思う。
--なんで忘れていっちゃったんだと思います?
冨永悠香:やっぱりステージ上で「今日、ダメだな」って思う日とかも出てくるじゃないですか。それで毎回ライブが怖い時期もあったし、最近は純粋に楽しめていない自分もいるので。
--それはプロ意識が強くなったから? 自分でハードルを高く設定するようになった分、落ち込むことも多くなったりしてる。
冨永悠香:そうです。前はただ歌って踊るのが楽しかったから。でも今はライブの動画とかチェックしてても「あ、ここ、ダメだな」と思うし、現場の空気とかで「今日、ダメだ」って思うことも本当増えてて、そういう日はすごく悔しいし、次が怖くなる。「また次も失敗したらどうしよう?」って。
--なんでそこまで自分を追い込むようになったんですかね?
冨永悠香:常に自分に100点をあげたいじゃないですか、人間って。それが最近は全然できてなくて……これって自己満になるんですかね!? 納得できないライブがすごく多い。私はお客さんの顔色を伺っちゃうんで、本当に楽しそうにしていたら「これでいいんだ!」って思うときもあるし。
--リーダーとしての話も伺っていきたいんですが、この2年間で自分はどんなリーダーになれたと思う?
冨永悠香:私、いまだに自分がリーダーって思えない。
--それは自覚がないってこと?
冨永悠香:自覚はあるんですけど、出来てないなって思います。
--なんで?
冨永悠香:やっぱりメンバーからの信頼ですかね。私についていこうっていうのは、あんまり感じられない。
--「ついてこい!」っていう想いはあるんですか?
冨永悠香:私、普段は妹キャラなんですよ。だから親友とかと遊んでても、その親友が待ち合わせ場所を決めてくれたりするんですけど、Especiaではそんなこと言ってられないじゃないですか。リーダーが妹キャラとか有り得ないし。なので、自分の中でハードル上げて結構ムリしてるんで……自分から信頼できていないのもあるかもしれないですね。
--最近、枕を濡らすことが増えてる?
冨永悠香:結構(笑)。私、涙腺弱いんですぐ泣いちゃうんですよね。
--やっぱり大変?
冨永悠香:アハハ! 大変ですね(笑)。
--どんなところが大変なんですか? リーダーをやっていく上で。
冨永悠香:すべてにおいて「リーダーらしくいなきゃいけない」って思ってしまうんで。それと同時に「中心にいたい」って思ってしまう部分もあるので、そうじゃなかったときとかに「え、なんで?」ってすぐなってしまう。だからストレス感じやすいのかな? でもしょうがないんで。
--「なんでリーダーの私がメインじゃないの?」と思うことがある?
冨永悠香:最初からリーダーで歌割りも多かったんで、あとは下がっていくだけ……っていうか、下がる場合のほうが多いじゃないですか。なので、結構……それがツラいかも。
--今日ここまで話を聞いてみて思ったんですけど、折り合いのつかない悩みをたくさん蓄積してきちゃったんですね。
冨永悠香:自分の気の持ちようだと思うんですけど、自信が全面的にないんで。例えば、どんなリーダーであっても、下がっていくだけだとしても、努力すれば勝ち取れるし、リーダーっぽくもなれると思うので、努力しきれてない自分が一番ダメだなって思います。
--でも「こうしたらいい」って正解を見つけられないまま突っ走っても、それはいつまでも「ツラい、ツラい、ツラい」ってなりますよね?
冨永悠香:たしかにそうですよね。
--まぁ全くキャラの違う若い女の子6人。それをひとつに束ねるのはアイドルじゃなくても大変ですよ。みんな、エゴが強くなる年頃だし。それを踏まえた上でメンバー間の話し合いとかしたらいいんじゃないですか?
冨永悠香:メンバー間で「リーダーとしてどうなんだ?」みたいな話し合いになったことがあったんですけど、なんか、それは全部当たってるんで、やっぱり自分次第だなって思ったし。全員に確認取れてないのに話を進めていっちゃったりとか、全員を見きれてないこともあって、それはダメだったと思うし。……何だろう? 何言ってるか分からなくなってきた(笑)。
--その話し合いって「私がダメだった」ってとりあえず全部受け入れて終わってるんじゃないですか?
冨永悠香:はい、解決はしました!
--それ、解決じゃないですよ(笑)。リーダーが受け入れたフリをしただけじゃないですか。で、無茶して、上手くいかなくて、ゴールが見えず、苦しいだけの今に至る。
冨永悠香:……そうですね。
--自分が目指してるリーダー像ってどんなものなの?
冨永悠香:理想のリーダー像は、メンバーをちゃんと引っ張っていって、何をするにも頼られて、仕事以外、プライベートとかでも仲良くなれるリーダー。でも私は……引っ張るのはもうムリなんで。そういうリーダーとは違うリーダー像を見つけていきたいなって思ってます。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
冨永悠香(はるかちょ/リーダー)単独インタビュー
Especiaするか……消えるか~
リーダーから各メンバーへの伝言
--例のファッションショーをやったイベント。裏ではリーダーが泣きながら怒っていて、それに対して清水さんが怒るという流れもあったそうですけど、そもそもリーダーはなんで泣いていたんでしょう?
冨永悠香:あれはステージに出て行くタイミングとかを話し合った上で決めたんですけど、本番前に飛んじゃって、「今、どこ?何分?」みたいな感じで分からなくなっちゃって、気付いたら出て行くタイミングを過ぎてたんですよ。私、その時点で半泣きで、あれだけ打ち合わせしたのに失敗しちゃったんでイライラしていたんですけど、ステージ出てからもみんな歌詞すら出てこなくて、ぐちぐちゃのライブだったんです。用意されたものはすごく大きかったのに……。ファッションショーなんて普通は出来ないのに清水さんが頭下げてくれて、VJもホンマカズキさんが無理して来てやってくれて、凄い大チャンスをくれた訳なんですけど、それにメンバーが全く応えられなかった。
--それは悔しいね。
冨永悠香:それに対して、自分も悪いのにメンバーのせいみたいにしちゃって。「なんで出来ないん? ぐちゃぐちゃやん!」って。あと、ステージ終わった後に私はもう悔しくて泣きそうだったんですけど、メンバーがすごく笑顔で話してたんですよ。それでめっちゃイラついて、めっちゃキレちゃいました……。で、清水さんに制されるっていう。
--メンバーはどんな反応だったんですか?
冨永悠香:怒るメンバーもいました。「なんで自分だけ出来てると思ってんだ!?」って。
--あー、それはヒートアップしちゃうやつですね(笑)。リーダーはメンバーにどうしてほしかったんだろう?
冨永悠香:みんなで悔しがりたかった。別に「全然ダメだったね」って言い合いたかった訳じゃないけど、笑ってるのはおかしいなと思って。その後に反省会とかするならいいんですけど、私たちは反省会って基本的にしないんで、きっとそのまま個々に悔しいと思ったり、笑ったりで終わっちゃうんですよ。全員で悔しい気持ちを共有しないままどっか散っていっちゃうんで。
--それって、どうまとめていけばいいんですかね?
冨永悠香:やっぱり私がキレずにちゃんと言えばよかったと思います。そういう雰囲気を作ればみんなもちゃんと話はしてくれると思うんで。
--リーダーはEspeciaの6人をどんなグループにしていきたいんだろう?
冨永悠香:全員がそれぞれ尊敬できるぐらい努力して、本当にEspeciaに対して全力投球していきたい。自分も含め「もっと出来るはず」って思ってるんで。やっぱり尊敬し合いたいですね。そうしたら話し合いもケンカとかにならないし、尊重し合うこともできるだろうし。
--尊敬し合うこと。尊重し合うこと。リーダー自身はできそうなんですか?
冨永悠香:……私、昔から同業者、同じ仕事をしている人にライバル心しかないんですよ。学校のバレー部時代も全員敵だったし、受験勉強時代も全員敵だったんで。だから自分で自分の心の壁を破れないのが悪いのかなって思ってて。今やっぱり……Especiaは仲間だけど、ライバルでもあるんで。みんなにそこまでライバル心はないかもしれないけど、多分、私は一番ライバル心があるのかなって思う。
--それでリーダーって難しいですよね。道重さゆみ(モーニング娘。'14)みたいにひとりだけ年齢も上で、人気もズバ抜けてる人だったら冷静にアレコレ言えるけど、はるかちょの場合は同年代の、同期の娘を引っ張っていかなきゃいけない訳で。
冨永悠香:そうなんですよ!
--で、みんなのことをライバルだと思ってる。そういうはるかちょの本性ってメンバーは知ってるの?
冨永悠香:一回だけ話し合いで言ったことはありますけど、普段はそんなに出してはいないつもりです。
--温厚なイメージですからね。
冨永悠香:そうですよね。でも中は結構……アハハハ! 怖い(笑)。
--リーダーとしてグループを引っ張りたい想いと同時に、あの娘より目立ちたい、私にもそれやらせてほしい、っていう想いも多かれ少なかれ出てきちゃう。その狭間で苦しんでるところもあるんですかね?
冨永悠香:前まで「リーダーだから」っていう理由で任されることが多かったりしたんですけど、やっぱりそれに対してメンバーが不満に思ったりすることもあって。「それってリーダーだからなんですか?」みたいな。それには私も悩んでたし、「やっぱりリーダーだからもらえてるのかな、この仕事」って。やっぱりリーダーとして見られたい気持ちもあるけど、冨永悠香として見られたい気持ちもすごくあるので。
--まぁリーダーだからもらえる仕事があるのは当たり前だし、そのリーダーになれる気質があるから冨永悠香は選ばれた訳だし、それでリーダーに勝ちたいと思ってるメンバーがいるなら「かかってこい。私たちはライバルなんだから」って言っちゃえばいいんじゃないですか?
冨永悠香:え、言っちゃうんですか(笑)?
--「私たちは仲良しグループなんです」って言い続けたいなら、また話は変わりますけど。モーニング娘。もAKB48もメンバー同士、ライバルとしてバチバチぶつかり合いながらグループ全体や個々のレベルを上げている訳で、それってアイドルグループとしては普通のことですよ。
冨永悠香:うーん……私、それについていけるんですかね? 精神崩壊しちゃいそう(笑)。
--誰よりライバル心剥き出しなのに(笑)?
冨永悠香:それは胸の内で思ってるだけなんで、まだここまで来れてるのかなって思いますけど、表に出しちゃったらさらにしんどくなるのかなって。
--全メンバーの共有認識として“私たちはライバルである”って思えたら、リーダーだけじゃなくみんな言いたいこと言い合えるんじゃないですか? 少なくとも個々で悩んで悶々とし続ける状況は減るんじゃないかと。で、その状況を作るきっかけになれるのはリーダーしかないない。
冨永悠香:結局、私が変わるしかない。
--最近は次々とアイドルが解散したり卒業したりで、明らかにブームとしては収束している訳じゃないですか。BiSも解散するし、いつEspeciaだってその波に飲み込まれるか分からない。そういう危機感って持ってます?
冨永悠香:甘い考えかもしれないんですけど、Especiaはなんやかんや続いていく感じがして、解散とかも考えられないし。みんな20とか、ちか(三ノ宮ちか)とか25なんで「どうなるんやろう?」みたいな話はしてるんですけど……
--Especiaが終わっちゃったらどうなると思います?
冨永悠香:え? 私、本当にEspeciaのことしか考えてないんで。大学に行ってはいるけど、Especiaだけだとパンクしちゃうんで、休憩場所みたいな感じになっていて。だから中心のEspeciaがなくなったら……私、究極に病んだときに「Especiaなかったら死ぬ」って思いました。
--自分の人生そのものになってるんだ?
冨永悠香:そうですね。Especiaするか……消えるか。
--Especia or Die(笑)?
冨永悠香:二択(笑)。
--じゃあ、なおさら悶々とするし、メンバーへの期待も自ずと大きくなりますよね。だって、人生懸けちゃってるんだから。
冨永悠香:そういう意味で、Especiaへの想いの大きさが違うのかなって思ったこともあるし。でもみんなEspeciaが好きなんですよ…………やっぱりコミュニケーション不足ですよね。今、ここでしている話をメンバーとしていたら、お互いの価値観とかも分かり合えると思うんですけど、私にライバル心とかがあったりするんであんまり話せてなくて。
--リーダーは1年前のインタビューで「大阪中心に活動してるんで、何年かかるか分かんないですけど、大阪ドームのステージには立ちたいなと思ってます。万単位の会場でライブがしたいです」と新人らしい夢を語っています。
冨永悠香:凄いですね(笑)。
--今、Especiaで目指したい場所はどこ?
冨永悠香:フルバンドでZeppツアーをやってみたい。まだ1000人単位のワンマンライブをしたことがないので。
--では、最後に。リーダーから各メンバー1人ずつにメッセージをお願いします。まず森絵莉加から。
冨永悠香:えぇー!? ……絵莉加は「はるかっちょ!はるかっちょ!」って妹みたいについてきてくれて、もし友達だったら仲良くなりたいなって思う存在で、いつも笑わせてくれるし、結構助けられてる部分もあります。ムードメーカーだから私とかがしゅん……としてても絵莉加がいたら和むことも多いし。あと、パフォーマンスも良くなってきたんで、もっと頑張れたらもっと絶対良くなるだろうし、伸びしろはめっちゃあるなって思います。だから今後は「もっと練習しよ!」って誘います!
--続いて、三瀬ちひろ。
冨永悠香:去年の12月31日~元旦にNegiccoさんとクルーズ2マンライブしたんですけど、そこで一人ひとり来年の抱負を掲げたんですね。そのときにちひろが「今年はリーダーを支える。はるかを支える」って言ってくれて、すごく泣きそうになって。それまで勝手に何もかも独りで抱えてきて、私からメンバーに話せないままでいたんですけど、そういう言葉をちひろが初めて言ってくれたから、私にとって安心できる存在になっていきました。そう言ってくれただけで、そばにいてくれるだけで支えになってます。ただ、面倒くさがりは治したほうがいいと思う(笑)。
--続いて、杉本暁音。
冨永悠香:暁音とは最初から結構いろいろあったんですけど、おそらく暁音が一番納得いってないと思うんですよ、私のリーダーとしての在り方に。でももっと話し合うことができたら仲良くなれるだろうなって思うし。一回、LINEで言ってくれたんですよ。もしグループ内でユニットとか組むとしたら、私とだったら最強のコンビになれるかもって。暁音とは曲に対しての練習方法とか合うんですよ。「ここの歌詞はこういう感じで歌おう」とか、そういう仕事に対しての一生懸命さはすごく合うなと思ってて。なので、もっと話し合っていきたいなって思います。
--続いて、三ノ宮ちか。
冨永悠香:ちかも笑わせてくれるタイプ。25歳なんですけど、私の中では25歳と思えなくて、同じ歳みたいな感覚でずっと話しちゃってる。でもあの娘は一番人のことをよく見てて、私がバレないように落ち込んだりしてても全部分かられてるんですよ。観察力凄いし、一番気付いてくれるのもちかかもしれない。向こうから「今日、どうした?」って言ってくれる訳じゃないですけど、こっちの話を聞いて「やっぱりな。顔、暗かったで」みたいな。はるかのこと、めっちゃ見てくれてるなー!と感じます。お母さんみたい(笑)。
--続いて、脇田もなり。
冨永悠香:もなりとは一緒にEspeciaを引っ張っていきたいと思います。もなりは声がパワフルで目立つので、それで私は落ち込むこともあるんですけど(笑)。私は昔から友達とカラオケとか行くと「歌、上手い!」って言われ続けてきたので、自分でも上手いのかなって思ってたんですよ。でもステージに立ってみたら「上手いね」って褒められることも多くないし、もなりほど「歌声が好き」って言ってもらえることも少ないので、良いなぁと思います。でもそれだけもなりの歌声はEspeciaの武器なので、居てもらわないと困る。最近、2人でEspeciaについて話すことが多いので。
--5人へのメッセージが結果、見事なメンバー分析になってるあたり、リーダーだなと思いました。このあと、その5人へのインタビューを敢行するんですが、何か聞いてもらいたい話ってありますか?
冨永悠香:意識を知りたい。Especiaのことをどう思ってるのか。私たち、他の話はするんですけど、肝心なEspeciaの話がおそらくすっごい少ないんですよね。だからもっと知りたい。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
脇田もなり、三ノ宮ちか、杉本暁音、三瀬ちひろ、森絵莉加 集合インタビュー
Especiaは最先端を行ってるんです。ブームより先に行ってる
--最近はどうですか? 楽しい?
三ノ宮ちか:不自由な感じ!(足を見ながら)
一同:(笑)
--なんで足の指なんて骨折しちゃったの?
三ノ宮ちか:重たいものを足に落としちゃったんですよ。ライブ中の怪我とかじゃなく、ドジしただけっていう。でも6/1梅田 CLUB QUATTROのワンマンまでには踊れるようにしておきます。
--今のEspeciaはどんなグループだと感じていますか?
森絵莉加:ある意味、何でも言い合えるし、必要なときは支え合うし、本当に姉妹みたいな感じです。
三ノ宮ちか:良い感じにそれぞれのキャラとかも分かってきて、ほど良い距離感が保ててると思います。
脇田もなり:「みんなで一緒に頑張ろう」っていう気持ちが全然変わったかなって思いますね。当初は他人任せなところがあったかなって思いますけど、今は個々でちゃんとやらないといけないことが解ってるし、絵莉加もダンスが追いつかないことが悔しくて泣き出したこともあったんで、その泣いたことに対して「意識、すごく変わってるな」って思ったし。
三瀬ちひろ:私は、そうですね~……髪の色もだいぶ変わりました。
--まさか緑になるとは思いませんでした(笑)
三瀬ちひろ:想いの外、染まってしまいました。当初は素人の女の子6人組って感じでしたけど、最近になってひとりひとりの個性が出てきたんじゃないかなって。それが目に見えてくるようになってきたんで。
杉本暁音:最初の頃は、Especiaの曲に対しても、Especiaというグループ自体に対してもどんな感じにしたらいいか分からんかったし、メンバーも結構バラバラな感じやったけど、最近は観ている人が求めてるEspeciaに近づけてるんじゃないかなって思う。
--暁音ちゃんはMCで一切喋らないスタイルを一貫してますけど、あれは今後も突き通すんですか?
杉本暁音:いや、喋りたいんですけど(笑)!
--あ、本当は喋りたいんですね。
杉本暁音:すごく喋りたくて、ラジオとかでも本当は一番喋りたいぐらいなんだけど、話の輪の中に入れない(笑)。そこは自分の中でもまだ慣れていないというか、どう入っていったらいいかが分からない。
--当初はメンバー脱退劇もありましたが、今の6人に落ち着いてからは独自路線で着々とステップアップしている印象を受けます。
森絵莉加:初めは、独自路線過ぎて「え、盛り上がってくれへん。どうしよ?」みたいな。メンタルもプライドもボロボロだったんですけど、ようやく最近になって「Especiaはこういうノリ方なんだ」って理解して変わってくれたんで。
三ノ宮ちか:「これがEspeciaや」っていう感じで観てくれる人が増えて、初めて観る人も周りの人に合わせてちょっと揺れながら観てくれる。あと、自分たちもそのアウェー感を楽しんでるところが出てきた。自信がついて「私たちがEspeciaやで」っていうパフォーマンスができてるからこそ、観てくれてる人も増えてきたんかなって思います。
--明らかに他と違うことをやってる自分たちが楽しくなってきた?
森絵莉加:そうですね。それを誇りに思えるようになってきた。
三ノ宮ちか:「同じじゃイヤ」って思えるようになった(笑)。
--ちなみにEspeciaの音楽やMVって80年代のオシャレ。それを今の時代に面白がってもらおうと思っている感じだけど、例えば「くるかな」のMVとかってメンバーはどんな風に受け止めてるんだろう?
三ノ宮ちか:斬新!
森絵莉加:なんじゃこりゃ!?
脇田もなり:でも「アイドルでこんなんしたの、初めてちゃうかな?」と思ったら、勝った気しかしない(笑)。服装とかはだんだん衣装バラバラのアイドルグループも出てきましたけど、Especiaみたいに原色のカラーだったり。でもMVはさすがに誰も真似できないし、勝ったなって。
--Especiaの衣装って若干パクられた感あるよね(笑)。似たようなビジュアルワークしてるアイドルを見かけるようになった。
脇田もなり:正直、ちょっとある(笑)。
森絵莉加:Especiaは最先端を行ってるんです。ブームより先に行ってる。パクられたっていうより、流れが来る前に捉えた!
脇田もなり:でも後からやるほうが有名だから、私たちよりそっちが注目されるんです(笑)。
--Especiaが変なことをしてる自覚はあるんですね。
森絵莉加:ありますね。大人たちの遊び、満載。
脇田もなり:ウチらが遊んでるっていう実感より、運営の方たちが遊んでくれて「良いなー」みたいな。それに参加させてもらって楽しいなって。
--かつて先輩のプー・ルイ(BiS/リーダー)さんは、アイドルとは「大人のオモチャ」であるという名言を残されましたが……
森絵莉加:本当にその通りだと思います(笑)。
--例えば、新木場STUDIO COASTでのアイドルイベントでは「海辺のサティ」のループに合わせたVJだけで約8分間。やっとメンバーが出てきたと思ったらファッションショーを始めるという、格好良すぎる演出がありました。ドキドキしたんじゃないですか?
脇田もなり:あれ、出るタイミング間違えて。焦って、私が一番最初に出たんですけど、意外と歓声がすごくて楽しかったです。
三ノ宮ちか:分からない人には分からないんで。ファンの方には新衣装を見せたいからこそのショーだというのは分かるんですけど、初めて観た人はその衣装が新しいかどうかさえも分からないので、「なんで曲やらずにあれやったの?」みたいなことも言われたんですよ。賛否評……
--賛否両論。
三ノ宮ちか:そう、賛否両論(笑)。
--森絵莉加だけランウェイ歩く姿が完全にプロで笑いました。(※森絵莉加は元々モデル)
森絵莉加:いやいやいや。
三瀬ちひろ:やっぱりプロだなって思いました。
三ノ宮ちか:あれに勝とうなんて思わない!
森絵莉加:(笑)。でも楽しかったですよ、やっぱ。懐かしさと、楽しさと、嬉しさ。Especiaであんなん出来ると思ってなかったんで、「ありがとうございます」っていう感じですね。
--メンバー個々としての話も伺っていきたいんですが、この2年間で自分はどんなメンバーになれたと思う?
森絵莉加:元旦にクルージングライブさせてもらったときに、それぞれ今年の目標を言ったんですけど、私は「Especiaのムードメーカーになりたい」って言ったんです。私、やってることに対して「面白い」って思ってもらうのがめっちゃ大好きなんで、いつでも周りにいる人たちが楽しんでくれてたらいいなって。Especiaの中でも盛り上げ役で、自分が何かすることでみんなを笑顔にしていく。「絵莉加おらへんかったら寂しいけど、絵莉加おったらめっちゃ笑えるわ!」みたいな。
三瀬ちひろ:実際、よくひとりでバカなことしてて、ちかが乗っかっていったりとか、はるかが混ざったりとかして、それでみんなで笑ってる。私は全然笑わないんですけど。
--なんで(笑)?
三瀬ちひろ:なんか「若いなぁ~」って(笑)。
森絵莉加:この前、レッスンが終わった帰り、エレベーターのボタンを押して待ってるときに、訳分からないんですけど、はるかっちょから「いつも笑かせてくれてありがとう!」みたいなこと言われて(笑)。でもそれが超嬉しかった!
--そんな絵莉加ちゃんに全然笑わないちひろちゃんは?
三瀬ちひろ:ハハハ! メンバーのみんなからよく言われるのは「お母さんみたい」。いつも最後に「忘れ物してないか?」って楽屋のチェックしたりとか、みんながワシャワシャって遊んでいるときにちょっと離れて見てたりとか、騒いじゃいけないときは「ちょっとうるさいで」って言ったりとか、ちょっとうるさいお母さんみたいな存在になってるんじゃないかなと(笑)。
--続いて、暁音ちゃん。
杉本暁音:最初は今より何にもなくて、ただいるだけ。多分、お客さんにもそういう風に思われてて。まぁ今でもそのイメージはあると思うんですけど(笑)、自分からは特に表に何も出してないのに、お客さんが感じ取ってくれることが増えたりとか、ダンスの細かいところで「綺麗だね」って言ってくれたり、「表情よくなったね」とか言ってもらえたり。あと、自分では分からないんですけど、他のメンバーと空気感は違うのかなって。孤独感……孤立(笑)?
--孤独かどうかは分からないですけど、違うのは分かります(笑)。
杉本暁音:でもそれって特別やし、面白いかなって。
--キャラ立ちしてるってことですからね。
杉本暁音:だから、いつも結構素でステージには立ってるんですけど、このままもっと素を出していけたらいいのかなって思ってます。
--続いて、ちかぶぅ。
三ノ宮ちか:豚は変わりなく豚なんですけど、喋れる豚やったり、踊れる豚やったり、骨折る豚やったり(笑)。なんか、昔は頼りにされていたけど、最近はいじられキャラになってるような気がする。そういうところでも美味しいかなって思いつつ。まぁ絵莉加はムードメーカーで面白くて可愛いけど、私はただの……なんて言ったらいいんだろう。芸人?みたいな。やってることとか、喋りとか、おばちゃんっぽいとことか、芸人かなって思う。そういう意味では、昔よりキャラをより出せるようにはなってるかなって。
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
脇田もなり、三ノ宮ちか、杉本暁音、三瀬ちひろ、森絵莉加 集合インタビュー
ブーム終焉/BiS解散でも続ける為に~
5人からリーダーへの伝言
--もなりちゃんは?
脇田もなり:正直、立ち位置はあんまり分かってないですね。どう見られてるんかなぁ? 「歌が上手いね」とか「はるかちゃんとリードボーカルしてるね」とか言ってもらえることが多くなってきて、そこを頑張っていこうと思っていたんですけど、最近のEspeciaには“リードボーカル”ってないなって。全員が歌えるし、全員が歌割りもらえるようになってるんで、その中で私が1番とか2番とか思ったりはしない。だから自分の立ち位置を作らなきゃいけないなって(笑)。
--最近は次々とアイドルが解散したり卒業したりで、明らかにブームとしては収束している訳じゃないですか。BiSも解散するし、いつEspeciaだってその波に飲み込まれるか分からない。そういう危機感って持ってます?
三ノ宮ちか:ありますね。まずすごく大好きなBiS先輩がいなくなることによって、次は誰を憧れて進んでいけばいいんだろう?みたいなところは正直あって。BiSさんが突っ走ってる姿を見ながら2年間やってきたんで、これからはどうモチベーションを保っていくか……。そこまで考えたことはなかったですけど、今言われて考えたらめっちゃ不安になりました(笑)。怖いなぁ! どうしよう?
森絵莉加:やばいな……。
脇田もなり:私はアイドル戦国時代って終わり……じゃないかもしれないけど、友達でAKB48とかNMB48とか追いかけている人もいたけど、今とか全く興味持ってないんですよ。でもみんなから愛されるアーティストになれば、それこそSMAPさんとか嵐さんとか長く愛されてるじゃないですか。そう思ったらEspeciaも長く続けられるようにして、個々でもひとりずつ仕事して、でも帰る場所はEspeciaみたいなグループになればいいなと思っていて。
三瀬ちひろ:2014年になってすぐから「2014年は勝負の年」ってずっと言われていたんですけど、そこまで重く捉えてなかった自分もいて。でもBiS先輩ももうすぐ解散して背中を見れる人もいなくなるし、アイドルの波風も立たなくなってきたし、今が勝負なんだなって実感してます。どうやってみんなに知ってもらえるかが勝負だろうなって。
杉本暁音:新しいこととか、周りがやっていないこととか、Especiaらしいところはそのままでいいと思うけど、それぞれの個性を出しながらもっともっと生み出していかないと。特にここ1年は危機感持ってやらなアカンのかなって思います。
--6人が一丸になって、またデビュー時みたいな気持ちで「Especiaを面白くする!」「Especiaをブレイクさせる!」って思えたら、アイドルブームなんて関係なく更なる高みへ行けるかもしれない。でも今って一丸となれてますか?
三ノ宮ちか:Especiaは一気にブレイクして去っていくんじゃなく、長く続けていけたらいいなって思っていて、それこそもなりが言っていたみたいに「SMAPさんみたいになりたいなぁ」とは、おそらくみんなが思ってる。ただ、そうなる為には?っていうのを考えるところまでは行ってないので、そこは話し合いをしてもうちょっと細かく決めたほうがいいのかも。
杉本暁音:Especiaをこの2年間やってきて、相手との接し方とか、みんなの性格とかはメンバーそれぞれに知っていったと思うんですけど、私はこの個性が強すぎる6人をひとつにするのは……こんな言い方したらみんなに失礼かもしれないんですけど、ひとつになれるかな?って思う。だったら違う方法で違う道を選んだほうがいいんじゃないかなって。
--その違う方法というのは思いついてるんですか?
杉本暁音:具体的にはまだ分からないですけど、まとまるっていう感じのレベルの個性ではないかなって(笑)。本当にバラバラなんで。気が合うとか合わないとかのレベルじゃなくて。
--その結果、BiS先輩は個性のぶつかり合いで今の位置へ辿り着きましたが、あのイメージに近いんですかね?
杉本暁音:そんな感じです。
--絵莉加ちゃんは?
森絵莉加:私的にはやっぱりひとつになって、同じ目標に向かって無我夢中になって掴み取りたい……と思いますけど、無理なんかな? まぁでもここまでの2年間、メンバーとぶつかり合ったときもありますけど、そういうのも全部含めてこれだけ頑張ってきたんだったら、最後まで同じ目標に向かって頑張ろうや! って私は思う。だから「ひとつになろうや」っていう感じ(笑)。
脇田もなり:暁音も絵莉加も「今の状態だったら絶対上に行けない」って思ってるのは一緒だと思うんですよ。私もそう思うし。でもみんな遠慮と馴れ合いと「誰かがやるから」っていう気持ちがあって。自分自身も「やりたい!」っていう気持ちはいっぱいあるんですけど、それと同時に「アカンかな」と思ってしまう。みんなが一斉に意見を言い出したらリーダーのはるかちゃんの負担も大きくなってしまうだろうし、例えばそこで「頼って」と言っても頼れなくなっちゃうだろうし……その時点でひとつにはなれてないんですけど。
--今、リーダーの話になったので聞きたいんですが、5人から見たリーダーってどんな風に映っていたりするんでしょう?
三ノ宮ちか:性格を分かっているからこそ「リーダーやのに」って思うことはないし、ひとりひとり見てくれてるから。他のグループのリーダーみたいに「あれやれ、これやれ」はないですけど、「一緒にみんなでやっていこう」っていう気持ちが強い娘なんで、その手助けをしていけたらいいなって思ってます。リーダーだから頼まれたことも、不安でやれないこともたくさんあるやろうし。
三瀬ちひろ:私と同じ歳なんで、そう考えると全然努力してるし。本人は「まとめきれてない」って言ってると思うんですけど、でも全然まとめてもらえてると思ってるし、はるかが本当にいろんなことをしてくれてるから、今ここにEspeciaがあるんじゃないかなって思うし、はるかにはすごく支えてもらってる。はるかがいて本当に良かったなって思います。
森絵莉加:私からしたら年齢的にもお姉ちゃんなんですけど、はるかっちょは自分ひとりで溜め込む感じの娘だから、吐き出せずに苦しんじゃう。それはこの前話して分かったことでもあるんですけど……。いつも本当に頼りっぱなしで、私は話を聞く立場ではなかったけど、これからは頼ってほしいし、もっと話を絵莉加に限らずみんなにしてくれたらいいのになって。
--暁音ちゃんから見たリーダーはどう映ってるんでしょう?
杉本暁音:うーん……なんて言ったらいいんだろう? これは私の中のイメージなんですけど、どんなアイドルグループでも絶対ぶつかり合いってあったりすると思っていて。その中でリーダーは悪者になるぐらい、みんなに嫌われてもどんどん提示したり、意見を言ったりする。もちろんいろんなタイプのリーダーがいるから、そうじゃないとアカンと言う訳じゃなくて。
--単純に言っちゃうと「リーダー、もっと来いよ!」的なことですよね。暁音ちゃんがリーダーに求めてることって。
杉本暁音:うんうん、そんな感じ!
--ぶつかり合っても、それを前向きに受け止め合えればいいだけの話なんだろうね、そこって。もなりちゃんはいかがですか?
脇田もなり:私ははるかちゃんがリーダーじゃなかったら辞めてるかな。私、野生的というか、物事について考えて喋るのがすごく苦手だから、思ったことを全部言うんですよ。で、私は2013年に闇期みたいな時期がいっぱいあって、はるかちゃんと言い合いになったりもしたんですけど、そのときになんでそうなったかって今考えたら、はるかちゃんをすごくライバル視していたのかなと思って。だから嫌味を言ってるつもりはないのに、嫌味として受け取れる話し方をしちゃったりしていて……。でもはるかちゃんだから高め合えたんだなって思って。だから今ははるかが「はるか、リーダー向いてない! もう嫌!」みたいな感じになってたら、そんなことないって言いたいし、いつまでも「感謝してる」って頼りきってる状態のままにしておきたくはないなって。投げ出したいぐらいしんどそうなんで、今。
--今、Especiaが目前にしてるような壁や問題って、この先も長く活動していくのであれば、いくらでも出てくると思うんですよ。その度にぶつかり合ったり、助け合ったりすればいいと思うんですが、ひとつ重要なのは、何があってもこの6人でEspeciaを続けていく意思があるのかどうか。
三ノ宮ちか:あります。それは迷わず答えられる。無理やと思います、この6人じゃなかったら。このメンバーじゃないと嫌です。
杉本暁音:清水さんも「この6人で上がっていきたい」って言ってるし、他のメンバーが入ったところで、それはもうEspeciaではないから。
三瀬ちひろ:この6人だからこそEspeciaって言えるし、この6人でこれからもずっとやっていかないとEspeciaじゃないと思うんで。
脇田もなり:私も6人でやっていきたいって思ってるんですけど……
--6人でやっていけない気もするの?
脇田もなり:心のどっかでまだそう思ってるのかな? 何故ならまだまだ不安はあるから。でも6人が好きなんで……尊敬し合いたいですね。
森絵莉加:6人でやっていきたいですね。誰かが抜けて新メンバーとか絶対ムリだし、誰かが抜けて5人とか4人とかも絶対ムリだから、この6人で安定して頑張りたいです。
--では、最後に。さっきはリーダーから各メンバー1人ずつにメッセージをもらったので、逆に各メンバーからリーダーへメッセージをお願いします。
森絵莉加:リーダーで、いつも不安とか大変なこととか全部自分に溜め込んでいて、辛いときとかめっちゃあると思う。でも私ははるかっちょがリーダーでよかったって思ってるし、これからもはるかっちょについていきたいと思ってるから、これからもよろしくお願いします。ありがとう!
脇田もなり:いつも私はベラベラ喋っちゃうんですけど、おそらくはるかは鬱陶しいと思ってると思うんですけど、いつも話をちゃんと聞いてくれてありがとう(笑)。あと、尊敬し合いたい気持ちがすごくあるので、これからもついていきます。お願いします。
三瀬ちひろ:同じ歳なのに「Especiaをまとめよう!」っていう気持ちが人一倍強くて、本当に助かってるし、全然支えてあげられてないのは私のダメなところやなって思うんで、これからもっともっとはるかの愚痴でも何でもいいから聞いて、少しでも支えになってあげられたらいいなって思います。これからもよろしくお願いします。
杉本暁音:これからもEspeciaを頑張ろう。
--シンプルでいいと思います。では、最後にちかぶぅから。
三ノ宮ちか:いつもありがとうございます。私はいつでもウェルカムなんで、いつでも受け止めますので、何か悩みがあれば言ってきて頂きたいなって思っています。それと「私、リーダーとしてどこ直したらいいと思う?」と聞かれたときに「泣き虫なとこかな」と言いましたが、直っていませんね。あのときのアドバイスはどこへ行ったんでしょう?
--ちょっと待って。このグループ、おかあさんキャラ、2人もいるの?
一同:(笑)
三ノ宮ちか:ただ、泣いてるはるかも私は好きなんで、もう直せとは言いません。私の足が折れたときも私のギブスを優しく撫でてくれましたし、私は泣いていないのに一番に泣いてくれました。そういう優しいところが好きなので変に変われとも言いませんし、背中を押す準備が出来てますので、私は。いつでも頼ってきてください。ありがとう!
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
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