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TM NETWORK 『LOUD』インタビュー
念願達成。TM NETWORK(小室哲哉/宇都宮隆/木根尚登)3人揃い踏みでのインタビュー敢行。1994年までの4001DAYS~宇都宮隆復活のさいたまスーパーアリーナ公演秘話(小室哲哉いわく初リーク)、そして新作に込めた想いまで。3人の生き様にフォーカスした結果、ここでしか読めない前代未聞のテキストが完成しました。ぜひご覧ください。
TMN終了からの20年間も“音楽をやっていた”ことが何より大きい
▲TM NETWORK / LOUD【Music Video(Short ver.)】
--僕はTM NETWORKで初めて音楽に興味を持った人間でして、こうして3人揃い踏みでのインタビューを実現するのは、20数年以上前からの夢でした。今日は貴重な機会を頂き、本当にありがとうございます。
小室哲哉:こちらこそ。よろしくお願いします。
--いきなり抽象的な質問になってしまうのですが、TM NETWORK及びTMNの看板を背負ってきた30年は、3人にとってどんな時間だったなと思いますか?
宇都宮隆:めちゃくちゃ難しい質問だね。THE ALFEEさんみたいにずーっと休まずに活動してきて、毎年ツアーをやってきた30年とは違うからね。
--一度解散してますし、活動してない期間もありましたから。
小室哲哉:もしかしたら、正確に活動時間を計算したら……2年ぐらい?
--2年ってことはないでしょ(笑)!
小室哲哉:でも10分の1ぐらいだと思いますよ。3年ぐらいかもしれない。一秒たりとも離れず3人でいる時間を凝縮したら。
木根尚登:オリジナルアルバムって何枚出してるんだっけ?
小室哲哉:大した数じゃないよ。8.5枚ぐらい?
木根尚登:最近のやつを入れたら10数枚あるね。それでも2年に1枚も出してないぐらいのペースで。
小室哲哉:そこの話だけ切り取ると洋楽のアーティストみたいで格好良い(笑)。優雅にやってる感じがする。
--とは言え、活動休止期間も、他のユニットやソロプロジェクトで活動しているときも、TM NETWORKの歴史や存在というものは常に付き纏っていた訳ですよね?
宇都宮隆:ソロを始めた頃は、もちろんTM NETWORKの話は常に出てきますし、自分も意識していたけど、何年か経ってくると、インタビュアーの人とかがTMの話をしたりしない限りは、そこまでは意識しなくなっていったかな。いつも付き纏っている感じではなかった。
小室哲哉:必ずしも枕詞に“TM NETWORKの”とは付かない。今の質問とはちょっと掛け離れているようで、実は近い事柄で、例えばライブ前とかに僕たちは円陣を組んで「よし、行こう!」とか、ハイタッチしたりしないんですよ。終わった後も「いぇーい!」みたいな感じにならないし、そういうのが一切ない。暗黙のルールみたいになってるんですけど。
木根尚登:30年間なかったよね。東京ドームですらなかった。
小室哲哉:その感覚にちょっと近い。それがダメっていう話ではないんですけど、僕らが三位一体みたいな感じになってる姿を目にした人はまずいないと思います。どれだけカメラマンの人がそういう画を撮りたかったか(笑)。
木根尚登:だから例えば3年ぐらい会わなかったとしても、普通は3年会ってなかったら「元気ぃ!?」ってなるし、ハグなんかしちゃったりすると思うんですけど、ウチは絶対にないから! 3年ぶりに会ってるのに「おはよう」とか「こんにちは」もないかもしれない。いきなり「いや、そういえばさ」みたいな。昨日も会ってて、その次の日ぐらいの感覚でいつもいる。だから逆に言えば、いつも一緒にいる感覚なんだろうね。アマチュア時代から変わらない。
--故にわざとらしさがないんですね。
木根尚登:だからさっきの質問に話を戻すと、TMはすごく意識しているところにあるんじゃなくて、普通にこの辺にあたりまえのようにあるんだろうね。「さぁ、TM始まるぞ!TMやるぞ!」じゃなくて、いつでも自然にTMについて話せるし、動ける。
小室哲哉:ここに誰もいなくて、一人になって考えたら、感謝の気持ちはすごくありますよ。もちろん。一人でふとTMのことを想ったら、それは何よりもある。
--では、離れているときもメンバーの動向は気になったりする?
小室哲哉:それはないと思う。
宇都宮隆:敢えて何してるか探そうとはしないよね(笑)。界隈の人たちから聞いて「あ、そうなんだ」ってなることはあっても。
小室哲哉:それで「わっ!」ってビックリすることはある。
宇都宮隆:僕がミュージカルの『RENT』やったりとか。
小室哲哉:そうそう。DJ KOO(trf)ちゃんとやってたりとか(笑)。
木根尚登:玉置浩二さんとミュージックビデオに映ってたりとか(笑)。
▲TETSUYA KOMURO(小室哲哉)/EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI
宇都宮隆:すごく仲良さそうに。
木根尚登:あれ、玉置さんと30年来の友達みたいに映ってたよね!?
宇都宮隆:あれこそ凄いよね(笑)。
--この3人の関係性って言葉にするとどんなものなんですかね?
小室哲哉:同学年じゃないからなぁ……。
--TM結成前、SPEEDWAYで一緒になったときも“友達”という感覚ではなかったんですか?
小室哲哉:別クラスで名物になっている人がいる。っていう感じ。僕は学年的には1年後輩だったので、先輩のA組とC組に目立っている人がいる。もっと言葉数少なくこの3人について語るとしたら、YMOさんみたいな感じかな。
--YMOの3人もベッタリという感じじゃないですもんね。でもそういう3人のユニットが30年続くって稀有ですよね。それこそYMOとTMぐらい。
宇都宮隆:それは“音楽をやっていた”っていうのが一番大きいんじゃない? 例えば誰かがもう音楽を辞めていたり、スタッフになっていたり、可能性としてはあるじゃん。これだけの年数が経ってる訳だから。でも実際にソロなり、何なりさ、音楽を表に立って続けてきた。TMN終了からの20年間もそれを続けてこれたことが何より大きい。
小室哲哉:やらせてもらっていたのは大きいかもしれないですね。
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リリース情報
LOUD
- 2014/04/22 RELEASE
- 初回限定盤[AVCD-48982(CD+DVD)]
- 定価:¥1,944(tax in.)
- ≪試聴可能≫
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
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