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横山ルリカ 『ラピスラズリ』インタビュー
横山ルリカ、ブーム終焉後のアイドルシーン、遠藤舞(アイドリング!!!)卒業後の自身の在り方、道重さゆみ(モーニング娘。'14)の影響、驚愕の初ソロアルバム『ラピスラズリ』について語り、さらには最終目標を掲げる。
遠藤舞(アイドリング!!!)と共に歩んできた7年半
--2014年2月14日に遠藤舞さんがアイドリング!!!を卒業しました。どんな気持ちになりましたか?
横山ルリカ:7年半一緒だったので……。1期生の卒業は2回ぐらい経験してるんですけど、彼女は私にとってリーダーであって、同期であって、ソロデビューしている同士だし、そういう部分で支え合っていける良いパートナーというか、仲間だったので。その娘と7年半一緒に仕事をしてきて、楽しいこと、辛いこと、いろんなことを一緒に経験して、そしてアーティスト1本でやっていくっていうので……彼女の夢をすごい応援したい気持ちはあるんですけど、正直に言うと、すごく寂しかったです。
--それだけ自分にとって重要な存在だったと。
横山ルリカ:やっぱりもっと一緒にいたかったし、舞ちゃんは喋っていてすっごい癒されるんですよ。周りに合わせてくれるし、私が興味を持つような話題もいっぱい持ち寄ってきてくれたりとか、みんなにとって良きお姉さん。年下も怯えないというか、一般的にリーダーってちょっと怖いイメージだと思うんですけど、そういうのを全然感じさせない特殊なリーダーだったので、今までの卒業でみんなが一番泣いたメンバーだと思います。
--遠藤舞と横山ルリカが共に歩んできた7年半は、どんな時間だったの?
横山ルリカ:舞ちゃんは高校の制服を着ていた頃に入ってきて、今はもう25歳だから。って考えると、18~25歳という女の子の人生にとって大きな転機になる時期というか、ひとつひとつが大事な青春の塊の時期に一緒にいたんですけど、彼女はすごく大人だったんです。昔から冷静だし、何かあっても泣いたり怒ったりする姿をあんまり見せたことがなくて。私は舞ちゃんのおかげで安心したり、怒っても押さえられたりしたんですけど、舞ちゃんがみんなに何かを相談することはあんまりなかったので、本当に助けられてばっかりだったなって。だからすごく感謝してます。私の憧れの存在。
--格好良いリーダー。
横山ルリカ:そうですね。誰も悪く言わないと思います。「あれから10年」みたいな番組をやったとしても、誰も「本当は嫌いだった」とか言わないだろうし、みんな大好きだと思う。
--彼女の卒業を見届けていく中で、自分のアイドリング!!!卒業はどんな形になるんだろうとか、正直考えたりはしました?
横山ルリカ:1期生はとんちゃん(外岡えりか)と2人になっちゃったので、もし卒業するなら2人でしたい。っていう話はお互いにしていて、1人だけ1期生が取り残されるのは寂しいだろうし。なので、アイドリング!!!に在籍し続けることになっても、卒業することになっても、どっちも良いと思うんですけど、もし卒業するなら同じタイミングだったら良いなって。あとは、解散じゃなくちゃんと送り出してほしい!(笑)
一同:(笑)
--たしかに、ここまで来て解散終わりは嫌ですよね(笑)。
横山ルリカ:1期生はちゃんと送り出してほしいですね。見送られたいです!
--ちなみに遠藤舞卒業後のアイドリング!!!はどんな状態になってるんでしょう?
横山ルリカ:今でも舞ちゃんが卒業した実感はないというか、新しいリーダーを決めてないんです。で、率先してグループをまとめようっていう感じの娘もいないのが、良い意味でアイドリング!!!っぽさになってるのかなって。
--リーダー不在のまま次のステージに進むって前代未聞ですよね。
横山ルリカ:そうなんです! だから逆にいいかなと思って(笑)。それで秩序が保たれていたら、アイドリング!!!ってすっごい平和だなって思うし、リーダーがいないからこそ「自分も意見して平気かな?」って思う娘がいっぱい出てきてくれれば、自然にまとまるかなとも思うので。その役割は2期生に今来てるのかなって感じてます。
--では、横山さんはどういう立ち位置でいようと?
横山ルリカ:私はリーダーには絶対向いてないから……リーダーの隣にいる人です(笑)。リーダーを助けられるような役割ができたらいいなとは思います。
--アイドリング!!!の遠藤舞卒業に限らず、AKB48からも大島優子が卒業しますし、BiSは横浜アリーナでの解散を発表しましたし、今ってアイドルシーンが大きな変化を迎えている時期だと思うんですけど、この状況についてはどんな感慨を持たれていますか?
横山ルリカ:私、さくら学院の卒業生たちがすごく輝いてるなと思っていて。いろんなところで見るし。だから卒業って悲しいんですけど、ソロ活動へとどんどん羽ばたいていく訳だから、アイドルは「卒業に向けて頑張ろう」ぐらいの気持ちでいられたら良いんだろうなって思って。やっぱりアイドルとして活動できる年齢は短くて、基本的に10代~20代前半ぐらい。そこから女優さん、アーティストさん、モデルさん、その人の一番輝ける場所に行けると思うので、「卒業どうしよう?」じゃなく「卒業を目指そう」みたいな感覚になれたら良いのかなって。
--そうして各グループの顔が卒業していく中で、これからのアイドルシーンはどうなっていくと思います?
横山ルリカ:「やっぱり最初からいるメンバーって凄いんだな」と思わされたというか。AKB48も初期のメンバーが何年経ってもずっと前にいるし、アイドリング!!!も1期や2期が前にいたりして、後ろのメンバーたちがなかなか出てきづらい。ただ、実際にスポットライトを浴びたら輝く娘も、まだ知られていない輝きを放つ娘もいると思うので、今、どのアイドルグループも大きな転機を迎えていますけど、その中で新たなエースが出てくる時代になるのかなって。新陳代謝と言うとアレですけど、どんどん楽しみになりますよね。「次はどんな娘が出てくるんだろう?」「この娘はどんな風に変わるんだろう?」って。
--では、今後のアイドルシーンに期待している感じ?
横山ルリカ:私、可愛い女の子が大好きなんで! 早く次の世代が輝く姿を見たいです! ちょっと他人事みたいになってますけど。「おまえもアイドルだろ!」っていう感じなんですけど(笑)。
リリース情報
ラピスラズリ
- 2014/03/19 RELEASE
- 完全生産限定盤[VIZL-654(CD)]
- 定価:¥6,825(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤の詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
道重さゆみのインタビューを読んで「使命があるんだなって」
--ただ、モーニング娘。黄金期の時代から初期メンバー卒業後というのは、必ず残されたメンバーが大変な想いをする訳じゃないですか。「知っているメンバーがいなくなった」って言われる中で、またイチからそのグループを盛り上げていかなくちゃならない。
横山ルリカ:なので、今のうちから選抜に期待のエースをひとりふたり入れておくのが、すごく大事だなって。松井珠理奈(AKB48/SKE48)ちゃんとかそういう感じで出てきたと思うし、最近だと島崎遥香ちゃん(AKB48)とかも。「あれ? この娘、神7じゃないよね?」みたいな感じで、だんだん浸透していって、初期メンバーが卒業していったらその後輩たちがメインになる流れ。それが一番自然な流れではあると思うんです。だから自分たちが残っている意味というのも、今はすごく感じるというか。一気に卒業しちゃうと、どこのグループか分からなくなってしまう。モーニング娘。'14さんも道重さゆみさんがいて、今いっぱいCMに出たりしていますし。
--自分がいる間にどこまで今のモーニング娘。'14、後輩たちの存在を世に浸透させられるか。必死に奔走してますよね。
横山ルリカ:っていうのを、道重さゆみさんのインタビューか何かで知って。その役割をアイドリング!!!の1期生や2期生も頑張らなきゃなって。
--道重さゆみのインタビューを読んでから「頑張らなきゃな」ってなったんですか(笑)?
横山ルリカ:そうなんです(笑)。それまでは「居ていいのかな?」って思っていたんです。みんながどんどん卒業していく中で「私たちも卒業したほうがいいのかな?」って。やっぱりどうしてもアイドルって若い娘、新しい娘が世間から望まれると思うような気がするから。でも居させてもらっている間は、若い娘たちの顔を売るというか、一緒に頑張っていく使命があるんだなって、さゆみさんのインタビューを読んで気付いて。すごく勇気付けられました。「居ていいんだ!」みたいな。
--まだ重要な役割が残ってますからね。
横山ルリカ:だから今は、後輩の娘たちが威圧感を感じずに、トークでも撮影でも前に出ていけるように立ち振る舞わなきゃなって意識してます。毎回。
--これは個人的見解なんですけど、アイドルムーヴメントってもう終焉している印象があって。モーニング娘。'14が本物志向の楽曲とパフォーマンスで4作連続1位を獲った時点で、ブーム便乗型の中途半端なアイドルはほとんど淘汰されるだろうし、もう新しいグループは出てきても勝てないって思ったんですよね。そこはどう思います?
横山ルリカ:うーん……なんかすごい難しいですけど……たしかに最近はハロプロさんの活躍ぶりをたくさん見るので、しかもバラエティにもすごく出てくるようになって。歌やダンスだけじゃなくてバラエティもモーニング娘。さんたちが頑張りだしたら、ウチら良いとこないじゃん!みたいな感じなんですけど(笑)!
--驚異ではありますよね(笑)。
横山ルリカ:驚異というか、そもそも全然モーニング娘。さんのほうが上なんですけど! でもバラエティまでやられたら、私たちが面白いこと言っても、モーニング娘。さんも面白いこと言ったらそっちが使われるじゃないですか(笑)! だからちょっとどうしよう……って感じなんですけど。でも今はさくら学院の卒業生とか、あとはグループをやりながらもソロで出てる娘のほうが、結構魅力的に捉えられる時期になってるのかなって思っていて。アイドリング!!!はそこがすごく強み。菊地亜美ちゃんはずっとテレビで活躍しているし、大川藍ちゃんは女の子に人気だし、そういう個々の活動で注目される時代になっていくと思うので……
--おー、なるほど。
横山ルリカ:私の個人的な意見ですよ(笑)。でも雑誌を観たときに、個人で紹介されてると「この娘、誰だろ?」ってすごく気になるというか、そういう特集がすごく増えてきたんですよ。アイドル特集でも、各アイドルグループの中からひとりっていう感じで出る。っていう雑誌の企画がすごく多いなって最近思ったので、そこで如何に自分がメディアに出ていけるかが、このアイドル黄金時代を抜けてからの勝負なのかなって。なので、自分がこうやってアイドリング!!!をやりながらソロ活動も出来ているのは、今の時代にすごく合っているなと思うので、嬉しいです。
--では、アイドリング!!!は、アイドルムーヴメント終焉後も生き残れる?
横山ルリカ:生き残れるかというより、生きてますか(笑)?
--いやいや、脈々と生きてますよ!
横山ルリカ:なんとなく居るだけで(笑)、そこで生きてるかって言われたら全然別モノなんですよ、アイドリング!!!は。バカリズムの升野さんがいて、『アイドリング!!!』という番組があって生かされている部分がすごくあるので、それをメンバーがずっと大事にしていけたら、ずっとこのまま番組も終わらず続けていけるような気はします。
--では、横山ルリカは生き残れると思いますか?
横山ルリカ:うーん……時代に生き残れるか。っていう考え方よりかは、自分をどんどん高めていけるように毎日頑張っていこうって思ってます。ひとつひとつの仕事に対して物凄く真摯に取り組むようにはしていて、それを周りの人たちは絶対見てくれていると思うので、ブームとか、時代とかじゃなくって、ちゃんとチャンスをもらえているというか、CDもそうだし、グラビアとか雑誌の企画とかも、たくさんいるアイドリング!!!メンバーから私を選んで頂けているので、そのひとつひとつを大事にしていって、自分をたくさんの人に好きになってもらいたい気持ちでやってるので、時代に合わせてどうじゃなく、自分の価値観で、自分が良いと思うものを極めていけるように頑張ろうと思ってます。
--その横山ルリカの価値観を掘り下げたいんですが、自分では横山ルリカってどんな存在だと思いますか?
横山ルリカ:アイドル好きの方にはハマらないアイドルなんだと思います。年齢も22歳で、アイドルの中ではそんなに若くはないほうだし、可愛らしさはないですし(笑)、ブリブリな感じにはなれないから。でもまわりの人がパって見たときには「アイドリング!!!の、あの背の高い娘」みたいな感じで、なんとなく憶えてもらえる。背の高さはずっとコンプレックスだったんですけど、私を知らない人に憶えてもらえるって一番重要なことなので、そうやって「なんか知ってるな」「なんか見たことある、聞いたことある」みたいな存在になれるよう、私は頑張ってます。だからすごく熱狂的な感じの人はいらっしゃらないと思うんですけど、3推しとか4推しの人にとっては、必ずその中にいるようなメンバーにはなりたいなって。
--芸能活動はずっとやっていきたい人なんですか?
横山ルリカ:そうですね。おばあちゃんになるまで出来ていたらいいなと思っていて。芸能界に向いてるとは言えないと思うけど、就活してる友達の話とか聞いてると、私に他の仕事は絶対出来ないだろうなって思うので。パソコンとかもそんなに出来ないし、自分には向いてないと思うから。でも今やってる仕事は毎日違うことができて、すごく楽しいので、ずっとこの仕事を続けていきたいなって思います。多分、辞めないと思います。辞める自分が想像つかない。
--お嫁さんになっても続けていく?
横山ルリカ:嫁ぐ事のほうが想像できないです。
一同:(笑)
横山ルリカ:「え? 私、嫁になれるの?」って思う。もし結婚できたとしても、ずっとこの仕事は続けたいなって思います。
リリース情報
ラピスラズリ
- 2014/03/19 RELEASE
- 完全生産限定盤[VIZL-654(CD)]
- 定価:¥6,825(tax in.)
- ≪試聴可能≫
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
どんなに挫折を味わっても、あと一歩だけ前へ
--そう考えると、今ここでソロデビューできているのは大きいですよね。
横山ルリカ:ソロデビューできたことによって、知名度が倍以上になったと思うんです。街でも声掛けて頂いたりとか。やっぱり知ってもらえているからこそ出れるものってあるんだと思います。そういう意味では、歌を通していろんな人に知ってもらえて、いろんな番組や雑誌に出れたりっていうのが、本当に自分の財産になってるというか。で、アイドリング!!!もずっと続けてきていて、すごく相乗効果にはなってるなって。でも気負いすぎず、長い目で見て頑張っていきたいと思っていて、「これを逃したら私はダメなんだ」とかじゃなく、ひとつひとつを本当に大事にしていきたい。1回1回のライブとかイベントとか、どの仕事も「それしか見てない人がいる」と思ったら、どれも手を抜きたくないって思うので。
--ちなみに、横山ルリカの夢、最終目標は何なんでしょう?
横山ルリカ:いろんな活動がしたくて。演技もやりたいですし、モデルさんみたいなお仕事も可愛いし、歌もやっていきたいなって思う。なので、最終目標は、自分が出ている作品の主題歌や挿入歌を歌うこと。
--主演&主題歌:横山ルリカ。
横山ルリカ:それ、一番最高ですね! それが出来るのは、芸能界でも本当に限られた人たちですけど、それを目指して頑張りたいです。
--尊敬してる役者さんっているんですか?
横山ルリカ:香川照之さん!
--間違いなく凄い人ですね。
横山ルリカ:どの作品を観ても、毎回違う感じで。最近の映画とかドラマって、その俳優さんのキャラクターに合った配役が多いと思うんですけど、香川さんは本当に数え切れないほど様々な役をやっていて、すべて違うんです。本当にその役の人が乗り移ったみたいな感じで演じられているので、すごい感動します。
--では、尊敬してる歌い手は?
横山ルリカ:家入レオちゃん。いつもレオちゃんの曲を聴いてるんですけど、本当に良い声だし、凄い表現力だなって思わされる。そのあとに自分の歌を聴くと落ち込むというか(笑)、「何が違うんだろう? ここはどう歌ってるんだろう?」って聴く度に考えて、それをメモったりしています。あと、バラードだとMay J.さんも凄いなって思うし、バンドだとONE OK ROCKさん。その人にしか出せない声に憧れるので、私もほんのちょっと声を聴いただけで「横山ルリカだ」って分かるような歌い手になれたらいいなと思います。
--その為の大きな一歩。1stソロアルバム『ラピスラズリ』が完成した、今の率直な心境を聴かせて下さい。
横山ルリカ:新曲は今回8曲あって、そのレコーディングの為に曲を覚える作業が年末から年明けにかけてラッシュで、正直すごく忙しかったから、覚えるだけで精一杯で「どうなっちゃうんだろうな?」って焦りとか、不安とかはあったんですけど、今は8曲も新曲を歌わせてもらえてすごく良かったなって。最近、新曲のほうが多いアルバムも少ないと思うんですけど、このアルバムは聴いてて全部違う系統の曲になっているので、私のことを知らない方でも楽しめるものになったなと思います。ビジュアルも自分が好きな衣装ばっかり着させてもらって、アーティスト写真の王冠も「これ、絶対使いたいです!」って言ったら、その写真を採用して頂いて。自分がしたかったこと、やりたかったことが全部詰まってる作品になったので、早く皆さんに聴いて頂きたいです。
--今、世にたくさんアイドルはいますが、こうしてソロアルバムのリリースまで辿り着ける人って、天下のAKB48にもほとんどいないと思うんです。そこについてはどんな感慨を?
横山ルリカ:いや、ほんと、感謝しかないですよ。本当にありがとうございます。本当にもう、お世話になりました。
--終わっちゃうんですか(笑)?
横山ルリカ:終わんないですよ! 終わんないけど、本当にありがとうございました。重ね重ね(笑)。ズバ抜けた天才でもないのに、アイドリング!!!の一員でここまでさせてもらえることって凄いことだと思うので、私のファンの方も嬉しく思ってくれると思いますし、本当に有り難いです。
--今作のタイトル『ラピスラズリ』には、どんな想いや意味を込めているんでしょうか?
横山ルリカ:ラピスラズリは和訳で“瑠璃”って意味なんですけど、私の名前の由来も、母が瑠璃色が好きで、それが輝くように……っていうので、ルリカになったんですよ。あと、ラピスラズリの石の意味は“幸運”なんですけど、それはツイてるとかじゃなく、いろんな試練を乗り越えて掴んだ“幸運”みたいな意味があるみたいなんです。で、アルバム収録曲も、自分を信じて強く生きていく感じの曲が多かったので、すごく『ラピスラズリ』が合ってるなって。
--その『ラピスラズリ』の最後を飾る「Re-Start」は、横山ルリカ初の作詞ナンバーとなっているそうですが、これは自分から「作詞したい」と言い出したんですか?
横山ルリカ:ソロで歌い出すってなったときに「作詞はやってみたいです」って言ってはいたんですけど、まだ経験もそんなにないですし、ずっと作詞の勉強をしてきた訳でもないので、書きたいと思っても何を書いていいのか分からなかったりして。でも今回「書いてみる?」って言って頂いたので、最初は“卒業”について書いてみたんです。2か月ぐらいかけて。でもなかなか良い言葉が浮かばなくて「ちょっと変えてみようかな?」って〆切の前日に思ったんです。確実にヤバイんですけど(笑)。でも“再出発”“Re-Start”を題材に書いてみたら、ほぼ直しがないそのまんまの歌詞でOKが出たので、本当に私の等身大だと思って下さい。
--どんな想いやイメージを膨らませながら書いていったんですか?
横山ルリカ:“Start”ってなると、希望のほうが多いイメージになる。でも私は元々……インタビューしていただいていても分かると思うんですけど、あんまりポジティブじゃないんです(笑)。この世界に入ってポジティブに考えるクセを付けるようにした人間なので、根はすごくネガティブで。だから何も飾らず、自分の思った通りに書こうと思って。長く活動してきたけど、辛いことだったり、悲しいことが続いたりして……でもあともうちょっと頑張ったら行けるかもしれない。けど、行けない自分がいるから嫌だな、とか。そういうジレンマを思い出して書いてみたら“Re-Start”らしい歌詞になってきて。どんなに挫折を味わっても、あと一歩だけ前へ、あともうちょっとだけ前へっていう気持ちを諦めなかったら、成長することができる。そういう想いを込めて書きました。
--「あと少しだけ前へ 進めばきっと変われる」というのは、今の横山ルリカにあるリアルな感覚?
横山ルリカ:そうですね。自分の中で「今の自分の立ち位置はここだな」と思ったとして、そこからすごく上に急には上がれないと思うんです。でもちょっとずつちょっとずつ上がっていけば、それをずっと続けていったら、目指していた場所にいつの間にか辿り着いてる。だから急には上がれないけど、そのちょっとずつを毎日毎日続けていく。「あと少しだけ前へ」って毎日思うこと。それを伝えたくて。
--その感覚を信じ続けてここまで来れた感はありますよね、アイドリング!!!も横山ルリカも。
横山ルリカ:その気持ちを忘れずに頑張っていれば、結果は出てくると思うので。本当に等身大の私そのものだと思います。
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ラピスラズリ
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