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城南海 『綾蝶~アヤハブラ~』インタビュー

城南海 『綾蝶~アヤハブラ~』 インタビュー

 4年半ぶりの新アルバム『綾蝶~アヤハブラ~』にはどんな意思が込められているのか。刺激を与えてくれる友でもある熊木杏里や田中れいな(LoVendoЯ/モーニング娘。OG)の存在。レギュラー出演番組『徳光和夫の名曲にっぽん』で衝撃を与えてくれた演歌界の大御所の魅力、そこから学んだもの。城南海の4年半の成長を交えながら語ってもらった。

刺激をくれる熊木杏里や田中れいな/演歌界の大御所の魅力

--前回のインタビュー直後に、出産したばかりの熊木杏里とのツーショット写真公開してましたよね。

城南海:あれは杏ちゃんの家に遊びに行ったときの写真です。お子さんが産まれて赤ちゃんの写真がたくさん送られてきて(笑)「すごく可愛いなぁ。早く会いたいなぁ」って思ってたんですけど、杏ちゃんはなかなか外に出られないので家へお邪魔して、お茶して。赤ちゃんを抱っこして、今作『綾蝶~アヤハブラ~』にも収録されている「童神~私の宝物~」を歌ってあげたんですよ。そしたら「泣くなよーや♪」のところで「オギャー!」って泣き出して、爆笑。

--(笑)

城南海:「さすがウチの息子」って言ってました(笑)。

--田中れいな(LoVendoЯ/モーニング娘。OG)と遊んでる写真も公開してましたけど、2人でどんな話をするの?

城南海:よく聞かれるんですよ、それ。LoVendoЯのライブの話とかも聞きますけど、基本的に女子トークしています。同世代なんで、ファッションの話もするし、近況報告したり……まぁ大体は他愛もない話をしてますよ(笑)。

--刺激を受けたりはする? 2人の音楽やステージとの向き合い方とか、スタイルとか、考え方に。

城南海:そうですね。杏ちゃんは母になったので。母になるって女性として一番の転機だし、世界観が変わると思うんですよ。前作のシングル『チョネジア~天崖至目我~』のカップリング曲に「アンマ」(奄美の言葉でお母さんという意味)という曲があるのですが、この曲を歌うときも杏ちゃんに母性とかお母さんの気持ちを勉強させてもらいました。子供を抱いているときの“お母さん”の表情は本当に素敵です。包み込むような温かさとか、かけがえのない宝物を抱えている感じとか、良いなぁって思います。

--対談やりたいですよね。自分の音楽やシマ唄を世に広めていく為にも異種対談は効果的だと思うので。

城南海:そうですね。杏ちゃんとは共通のファンの方も結構いるんですけど、れいなとは全く別のファン層になるので、そういうところで一緒にライブするときってすごく得るものがあるんですよね。化学反応がある。あと、れいなは私の知る中でも特にステージでキラッキラする人なんです。モーニング娘。は卒業したけど、ずっと歌っている人なんだろうなと思って。同じ歳にして彼女はもう10年以上第一線で歌ってきているので、そういう意味でもすごく刺激を受けますし。

--あと、城さんってBSジャパン『徳光和夫の名曲にっぽん』にレギュラー出演していて、北島三郎さんとか小林旭さんとか八代亜紀さんとか、とてつもない大御所歌手といつもご一緒してますよね。そこでの出逢いも大きいというか、学べるものも大きいのかなって。

城南海:大きいですね~。毎回ゲストがレジェンドの方ばかりで……めちゃくちゃ緊張するんですけど、本当にいろいろなことを経験されてきた方ばかりなので、歌い続けている姿勢とか、ステージに立つということに関して一番大事なことを熟知されていらっしゃるんですよね。そういう方からじかにお話を聞けることって普通は有り得ないんですけど、こういう番組を通して「あ、だからこんなに長くたくさんの方から愛されてるんだろうな」って気付きを得られるのは有り難いですね。

--今名前を挙げた方々って、生で聴いたときの歌の迫力が凄いじゃないですか。世界観の作り方もちょっと神懸かってるし。

城南海:ちょっと違いますよね。別の次元。圧巻!だし、スタジオの中で直接拝見させていただいているんですけど、呼吸するのも忘れるぐらいですよ。先日、天童よしみさんが出演されて、やしきたかじんさんの「やっぱ好きやねん」を歌われていたんですけど……もう涙を浮かべながら歌われているんです。その迫力というか、想いがすごく伝わってきて。そういう毎回毎回「永久保存版だな」って思う、ビシビシと歌心を感じさせるシーンばかり。あと、やしきたかじんさんの回でもうひとりゲストに上田正樹さんが……

--大阪ブルース界の二大巨頭じゃないですか。

城南海:そうなんですよ。やしきさんと共演する場はあまりなかったと思うんですけど、やしきさんを取り上げる番組に上田さんに来て頂いて。「線路は続くよどこまでも」のロックバージョンを歌って頂いたんですけど、もう惚れてしまいました。あと、歌手の方にはもともとシマ唄や民謡を歌われてきた方も結構多いので、そういう日本のルーツとなる音楽の大事さも改めて感じています。

--日本のルーツとなる音楽。演歌もそうだし、シマ唄もそうだし、どう足掻いても日本人にしか表現できない歌がある訳ですけど、そこって日本の若者からの関心は薄いですよね。どう感じてますか?

城南海:私の周りの40代ぐらいの方々が「昔はロックしか聴かなかったけど、最近になって演歌の良さに気付いた」とおっしゃっているのをよく耳にします。私の世代でも例えば坂本冬美さんの「また君に恋してる」とか、よく知っている曲はあるし、何かきっかけがあれば若い人にも沁みる音楽なんですよ。私も平成生まれとしてどう思うかを『徳光和夫の名曲にっぽん』でもお話しさせていただきました。東京オリンピックも決まったことですし、これからどんどん日本が注目される機会が多くなると思うんです。

--2020年に向けての流れって重要ですよね。J-POPやアイドルの世界で活躍するトップスターが開会式や閉会式を盛り上げるのか、純日本製の唄にフォーカスが当てられるのか。

城南海:ちょっと先の話ではあるけど、皆さん、頭の隅っこにオリンピックっていうのがあるから、どういう風に日本の良さを出していけばいいのかは考えていると思うんです。奄美のシマ唄は、神様の言葉を代弁する存在がいて、その人たちの言葉が残って唄になってるんです。先日、奄美出身の朝崎郁恵さんから「あなたは神の言葉を歌っているんだから、絶対に神様はあなたを良い方向に導いてくれる。だからずっと歌い続けなさいよ。奄美のシマ唄は本当に貴重な財産だから、絶対に残していかなきゃいけない。自分が江戸時代に生きていたおばあちゃんから教えてもらったことを、今度は私があなたたちに教える番だから」と、おっしゃっていただきました。やっぱりそういうものを日本が注目されるときに発信していかなきゃいけない、と思います。

--故に城南海はポップスを歌っている部分もあるんでしょうか?

城南海:元々シマ唄は口伝口承で伝えていっていたもので、歌い手というよりは語り部なんですよ。想いを伝えるということがすごく大事で。でも私は純粋なシマ唄の歌手ではないから、島に住んでいる人とはまた別で、島を出ているからこそできることをやっていきたくて。グインという歌い方とか、島の心をちゃんと入れた自分なりの音楽を作って、そこでいろんな人と一緒にっていきたいですね。れいなとライブするにしても、自分の形で島の良さというものを知ってもらうことが、私にとっては使命だなって。

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イベント

情報ニューアルバム「綾蝶~アヤハブラ~」リリース記念イベント

■鹿児島・オプシアミスミ 1F 中央イベント広場
日時:2014年3月21日(金・祝) 17:00

■福岡・大丸 福岡天神 エルガーラ・パサージュ広場
日時:2014年3月22日(土) 13:00
詳しくはオフィシャルサイトへ
http://www.kizukiminami.com/

城南海「綾蝶 ~アヤハブラ~」

綾蝶 ~アヤハブラ~

2014/02/26 RELEASE
PCCA-3998 ¥ 3,300(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ずっとずっと
  2. 02.チョネジア ~天崖至□~
  3. 03.童神 ~私の宝物~
  4. 04.ウタゴエ
  5. 05.Silence
  6. 06.ルナ・レガーロ ~月からの贈り物~
  7. 07.小夜啼鳥
  8. 08.夢の地図
  9. 09.夢待列車
  10. 10.兆し
  11. 11.ハルカゼ
  12. 12.私大陸
  13. 13.ヒカリあれ

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