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柴田淳『Billboard Live 2013』インタビュー
しばじゅんの動向をツイッターでチェックしている人はご存知だと思うが、彼女は体調を崩して病院のお世話になっていた。何故にダウンしてしまったのだろうか。また、その休養中にテレビで観ていて励まされたという浅田真央の姿に何を感じたのか。自身のミュージックライフと照らし合わせながら語ってもらった。そして復活を果たした直後にドロップされるライブCD『Billboard Live 2013』や、今後の動向についても言及。毎度のことながら赤裸々トークとなっているが、この先、しばじゅんはどこへ向かっていくのか。気になる人はぜひご覧頂きたい。
ソチ五輪の浅田真央を観ていて「あ、私はまだまだだな」
--ここはスタジオです。何かの制作に取り掛かっているんでしょうか?
柴田淳:いや、まだなんですけど、この『Billboard Live 2013』のプロモーションが終わったら、オリジナルアルバムの制作に入る流れです。
--すぐ取り掛かれそうなんですか?
柴田淳:うーん。この1年半ぐらい走りっぱなしだったので、燃え尽き症候群じゃないんですけど、ある一定の方向の伝えたいものは伝えきったな、っていうところがあるんで、これからどういう風にしていくかは考えていて。今までは、例えば恋をしていたら、その恋に対していくらでも書けていたんですけど、ここまで歳を重ねてくると、新しい方向に行かなきゃなって気持ちと、行きたい気持ちと、あるのかな?っていう気持ちと……
--あるのかな、というのは?
柴田淳:新しい世界が。そこが不安でもあって。創作が始まっていない今の時期って必ずそうなんだけど、出来るかどうか分からなくて不安でいっぱいになる。ピアノの前にまだ座ってないので、何が出てくるか分からなくて。それが楽しみでもあるんですけどね。
--最近のツイッターを見ていたら……
柴田淳:ツイッター、やっぱり見てるんだ!? もう変なことしか書いてないから(笑)。
--しばらく病院のお世話になっていたみたいで。「もう半月以上寝たきりだ」みたいなツイートも見かけましたが。
柴田淳:結局、約1ヵ月ですね。
--今はもう復活してきてるんですか?
柴田淳:一昨日ぐらいから復活して、ようやく良くなってきました。体調が思わしくないとテンションもそんなに高くないので、対応するのが難しい仕事もあったんですけど。やっぱりね、ずっと止まらないで走り続けて、無心になってやっていたから、こうなるよなっていうか。去年の暮れぐらいにようやく仕事が落ち着いて、ちょっと休みがあって。で、お正月明けに今作『Billboard Live 2013』のジャケットとか音源のミックスがあって、それが終わった瞬間にバタン!って。
--電池が切れたんですね。
柴田淳:気が抜けた瞬間に、1年半分の無理が全部来たなと思って。
--そこまで気付かないうちに自分を追い込んでいた。
柴田淳:気付いてはいたんですけど! もう走るしかなかったっていう。それでしんどかったんですけど、「病気だ」っていう言い訳ができたので、自信持って毎日寝ていられるのはすっごい幸せで!
--(笑)
柴田淳:健康なときにダラダラしていると「私、何やってんだ?」って思っちゃうけど、この1ヵ月は「病気なんだ!」っていうので、ようやくお休みをもらえたような気分でした。
--先程「終わった瞬間にバタン!」と表現されましたけど、本当にぶっ倒れた感じだったんですか?
柴田淳:ジャケットの確認作業で、一番最後の色校を見たのが1月30日だったんですよ。31日の朝にゴホンゴホンして「え? おかしいな」と思って、こじらせる前に病院行って薬をもらったんですが、その薬が全然効かなくて、3日間で一気に悪化して、どうしようもなくなって。だけど、年間スケジュールとかの打ち合わせをスタッフとしていなかったので、マスクしながら、熱を帯びながら打ち合わせをして。でも予定が決まるとやっぱり安心するので、また寝込んでっていう。で、最終的に体調崩した原因が分かったので、そこから一気に回復して今に至る。
--そういう状態になることは今までなかったの?
柴田淳:ここまで頑張ったことがなかったから、以前はガス抜きできていたんじゃないですかね。ストレスはあっても体力的には休めていたりとか。でもこの1年半ぐらいは精神的にかなり追いつめられていたので。「病は気から」っていうけど、本当に“健康第一”って“心第一”なんだなと思いました。心で体は壊れていく。
--休養中、見る人が結構ギョッとするようなツイートもしていましたよね。
柴田淳:ツイートばっかり見てる(笑)。ツイッターはさ、流れていくものだから!
--いやいや、しばじゅんのは目立つから!「全部忘れました。全部捨てました。全部消しました。全部潰しました。全部埋めました。全部焼きました。全部飛びました。全部切りました。全部殺しました……」って。完全にホラーですよ!
柴田淳:そういうのを書くと、みんなリツイートしてくれるかなと思って!
--あれ、計算なの?
柴田淳:全然計算ですよ! リツイート数で満足感を得てる。みんながギョッとする、ハッとするものを書くと……みんな振り向いてくれるかな?って(笑)。
--どれだけ寂しがりやなんですか(笑)。
柴田淳:自分の曲もそうだけど、ギョッとする曲を書いて振り向かせたいというか、聴く人の心模様がどうなっても構わないから、インパクトを残したい。って思うところはちょっとあって。そういうのかな?
--だったらいいんですけど。あと、ソチ五輪の浅田真央に励まされている様子が印象的でした。
柴田淳:励まされましたね。凄いプレッシャーの中で潰れても、一日で復活してベストを尽くしたっていう、あのタフさ。引きずらない強さ。だから精神面は全然弱い人じゃないんですよ。本番に弱い人でもない。ただ、あんなタフな人でも、自分の心と体のバランスを取るのが難しいほどの舞台なんだなって。ショートプログラムの後は放心状態だったじゃないですか。人が茫然自失する顔ってこういう顔なんだっていうのも分かったし、それぐらい究極のところで生きてる姿を見たときに「あ、私はまだまだだな」と思って(笑)。
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リリース情報
Billboard Live 2013
- 2014/03/05 RELEASE
- 初回限定盤[VICL-64139(CD)]
- 定価:¥3,465(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
柴田淳 ビルボードライブ 2013
2014/03/05 RELEASE
VICL-64140 ¥ 3,080(税込)
Disc01
- 01.あなたの名前
- 02.真夜中のチョコレート
- 03.メロディ
- 04.ひとり歩き
- 05.ハーブティー
- 06.月光浴
- 07.道
- 08.月の窓
- 09.キャッチボール
- 10.今夜、君の声が聞きたい
- 11.おやすみなさい。またあとで…
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